■DVD-RW/R/RAMの3つ
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上からDVD-R、DVD-RW、DVD-RAM。DVD-RAMにはカートリッジレスタイプもある |
DVDレコーダーで記録可能なディスクは大きく分けて書き換え型と追記型の2種類があり、前者はDVD-RWとDVD-RAMが2つの陣営に分かれ、独立して録画機が発売されている。追記型ディスクのDVD-Rは、基本的にどちらのレコーダーでも記録できるが、DVD-RAMレコーダーの一部では、直接記録ではなく、内蔵ハードディスクからのダビングのみに対応するなど、いくつか制約がある。
記録時間はディスク容量と、MPEG2の記録レートによって決まる。ディスク容量は片面4.7GBで、DVD-RWとDVD-RAMのいずれも両面タイプが発売されている。ただし、DVDビデオで一般的な2層記録を実現したディスクはなく、いまのところハードウェア側でも2層記録への対応は実現していない。記録時間については別項で詳しく説明する。
再生時の互換性は重要な問題だが、ここでは基本的なことだけを押さえておく。最も互換性が高いのは、ファイナライズ処理によってアドレス情報などを記録したDVD-Rである。最初期のDVDプレーヤーやDVD-ROMドライブを除き、DVDレコーダーで記録したディスクを、大半のDVDプレーヤーで再生することができる。
次に互換性が高いのはDVD-RWだが、記録する信号の種類によって、互換性に差が出ることを覚えておきたい。DVDビデオと互換性のあるビデオモードで記録し、ファイナライズ処理を行ったディスクは、DVD-Rと同様、DVDプレーヤーでの再生互換性がかなり高い。一方、DVDレコーダー特有の記録方式であるビデオレコーディング(VR)方式で記録した場合は、RW再生に対応した一部のDVDプレーヤーでのみ再生することができる。
DVD-RAMは、ごく一部のプレーヤーを除き、DVDプレーヤーでの再生には対応していない。むしろ、DVD-RAMドライブなど、パソコン用ドライブでの再生互換の方が高いのが特徴だ。
この3種類のディスクをどう使い分けるのか、用途を整理してみよう。
書き換え型のDVD-RAMとDVD-RWは、なによりもタイムシフト用途に適している。特に、録画しながら再生できるDVD-RAMの場合は、この用途で真価を発揮するといってよい。DVD-Rは、書き換えも消去もできないので、ライブラリー用途、つまり保存用に利用するのが基本だ。家族や友人に配布する場合も好適だ。DVD-RWもビデオモードで記録すると互換性が確保できる。特にパイオニアのDVR-99H/77H/55では、ビデオモードで記録したDVD-RWのファイナライズ解除ができるので、記録済みプログラムを消去せずに追記が行えるようになった。ただし、最初からライブラリー目的で記録するなら、メディアの価格が下がってきたDVD-Rを選ぶべきだろう。
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記録方式 |
DVDプレーヤーとの互換性 |
適した用途 |
ビデオモード |
VRモード |
DVD-R |
○ |
- |
高い |
保存/配布用 |
DVD-RW |
○ |
○ |
やや高い(※1) |
タイムシフト用 |
DVD-RAM |
- |
○ |
低い(※2) |
タイムシフト用 |
※1 VRモードで記録されたDVDを再生できるDVDプレーヤーは意外と多い。ビデオモードではさらに互換性が高まる ※2 DVD-RAMを再生できるDVDプレーヤーは少ない
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