MEXCELとは、平角導体にエポキシ変性アクリル樹脂で薄膜絶縁したエナメル線で、一般的には芯線一本一本に絶縁したリッツ構造と呼ばれる形態を指すが、丸線に比べて、角に樹脂が均質に乗らないため絶縁が困難であった。これを、航空宇宙用ケーブルの技術を持つ三菱電線工業が、メッキに近い電着絶縁方法を開発して理想的な絶縁を可能にした。
MEXCELシリーズのケーブルは、導体に高純度7N銅の平角線を採用しているのが特徴で、一部には丸導体も使われているが、ストレスフリー高純度平角線を絶縁した導体構造は、ギガヘルツ伝送を獲得している。7N-DA6000/6100においては、18GHzまでフラットという驚異的な超広帯域性能をもたらしている。
平角構造のメリットは導体表面積が大きく、高密度に巻くことができる点にある。導体を流れる信号は、周波数が高くなるほど表面を流れるという現象があるため、表面積が大きいことは高域伝送特性に有利に作用する。また、エナメル線構造は導体を完全に空気から遮断し、表面の酸化も防ぐことができる。
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7N-A2500の構造図 |
7N-DA6000/7N-DA6100の構造図 |
7N-S10000/7N-S20000の構造図 |
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