MEXCELシリーズは、一般のオーディオケーブルの高域限界が1GHz程度であるのに対し、同軸タイプでは18GHzまでフラットに伸びている。このような超広帯域特性が、オーディオ信号で音質的にどのような効果を持つのだろうか。
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驚異的なギガヘルツ伝送を獲得する導体素材MEXCELによるケーブル構造断面。左からS20000、S10000、A2500、DA6100、DA6000。ストレスフリー加工の7Nクラスの高純度銅を導体、シールドなど主要構造体に採用 |
シリーズの代表的なケーブルを幾つか試聴してみると、高純度でフラットなエネルギー分布で整った、極めてニュートラルな音質で共通した傾向がある。質感的には、太く濃密というようなある種の個性ではなく、中肉で分解力が高いことに特徴がある。そしてMEXCELならではの価値は、高S/Nでどこまでも伸びきる高域の描写力である。繊細な倍音スペクトラムを、高精度に引き出す。この部分は見事なものである。ギガヘルツ帯域まで交流導体抵抗(インピーダンス)の変化が極めて少ない特性は、音質に大きな意味をもたらしていた。
MEXCELの価値は、そうした特性が極めてバランス良く、中低域とのつながりにもまったく違和感がないことである。さらに、デリケートな情報の多い高域にカラーレーションがなく、低歪で精度が高いことである。高純度、ワイドレンジ時代に求められる性能を備えた、クオリティにこだわる人に向けた新世代のケーブルである。
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「MEXCEL」超薄膜絶縁導体は、世界唯一の電着によるMEDIS(Mitsubishi
Electro-Deposition Insulating System)電着絶縁で製造される。エポキシ変性アクリル樹脂を絶縁に使用した、いわば樹脂の電気メッキと言える方法で、樹脂粒子は絶縁の薄い部分を探すように付き回るので非常に均一な絶縁が得られる。また、コーナー部には電界集中が起こり、周囲より厚く絶縁されるため、均一性・耐電圧性などの絶縁性能が非常に優れる |
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