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高橋敦氏のサウンドレビューを追加しました


アーティストの伝えたい音をより忠実に再生するため、数々の新発想で画期的なヘッドホンを生み出してきたビクター。そのビクターから満を持して登場したインナーイヤーヘッドホン「HA-FXC71」。ポイントは、一般的なヘッドホンよりも、より耳穴の深い位置にドライバーユニットを配置させた「トップマウント構造」。これはビクター独自の技術で、ユニットを鼓膜に近つけることで、濁りの無いクリアな再生音を表現できるメリットがある。

また、スタイリッシュな外観からは想像できないほど、あまたの音響技術が結集されており、細部まで実に配慮が行き届いている。まず、小型・高性能のドライバーユニット「マイクロHDユニット」搭載により、ハイスピードで解像度の高いサウンド再生を実現し、振動板にはカーボン素材を新たに採用することで、ダイナミックな低域再生を実現するという進化もとげている。

 

   

さらに、ステンレスハウジングを使って不要な振動を抑えたり、コードと筐体の接合部に制振ジェルを配してタッチノイズ(コードから来るガサガサ音)を抑えたり、高音質への取り組みはぬかりない。耳との密着度は高く、音漏れも少ない。そのサウンドは実在感に富む力強い低域と、明瞭な中高域が特長。全体のバランスは絶妙で、音楽が一体となって伝わり、アーティストとの距離も近く感じられ、生々しさが伝わってくる。

 
  fxc71   fxc51  
  高剛性ステンレス素材のハウジングを採用したHA-FXC71。メタルハウジングはデザイン性に加えて不要な振動を抑える効果がある   アルミニウム素材のハウジングを採用したHA-FXC51


 
         
  earchip   クリップ  
  新形状シリコンイヤーピースはS、M、Lの3サイズを用意する
  コードの長さを調整できるコードキーパーも付属(ブラックモデルのコードキーパーは黒)  
         
  コード   キャリングポーチ  
  コードの長さは1.2m(Y型)   携帯時に便利なキャリングポーチも付属する  


高橋敦のレポート
以前から好評の“トップマウント構造”を採用した、ビクターのインナーイヤホン新製品となれば、期待値は高い。特に上位モデルの「HA-FXC71」に注目しているヘッドホンファンは多いだろう。

上位モデルの「HA-FXC71」と「HA-FXC51」との技術的な相違点は、筐体に用いている素材と、内部構造が大きなポイント。HA-FXC51はアルミ製ハウジングを用いているのに対して、HA-FXC71はステンレス製ハウジングに加えて、高比重素材ボディと真鍮リングによるデュアルシリンダー構造を採用している。その相乗効果により振動ロスを適正に抑制し、ユニットの真価を引き出す。

その点を踏まえながら試聴してみたところ、サウンドの傾向も確かに異なっている。HA-FXC51は十分な解像感を備えつつも、中低域の太さと力強さが持ち味。シンバルは意外にしなやかな音色だ。

HA-FXC71はピシッと決まった音調。帯域バランスはよりフラットに、音色の響きはよりソリッドにという印象だ。ウッドベースは引き締めるだけではなく、アコースティックな抜け、空気感も活かしてくれる。ドラムスも同様に太さと抜けを兼ね備える好描写だ。

ビクター独自の“トップマウント構造”が実現した革新のサウンドはこの夏、一聴の価値ありだ。

【筆者プロフィール】高橋 敦
埼玉県浦和市(現さいたま市)出身。東洋大学哲学科中退。大学中退後、パーソナルコンピュータ系の記事を中心にライターとしての活動を開始。現在はデジタルオーディオ及びビジュアル機器、Apple Macintosh、それらの周辺状況などに関する記事執筆を中心に活動する。また、ロック・ポップスを中心に、年代や国境を問わず様々な音楽を愛聴。


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