カジュアルシアターの初代モデル「TH-AE100」の素性の良さをベースに、表現力、画質、色合いなどすべてにおいて改善が見られる注目作。デザインの変更は愛嬌としても、中味の改善度は信頼のおけるもの。学習意欲の高さが発揮されたバランスの良いモデル。

標準的なシネマ1での画質は、画質調整を行わなくてもバランスが取れているのが特徴。これこそ長年テレビで培ってきたノウハウであり親切心である。ハイビジョンも非常にエッセンスを良く伝え、そのきれいさが分かる。

これも相性に優れ、プロジェクターの能力を十分に発揮させてくれる。質感描写力まで踏み込める内容を本モデルが持っていたこと、それがグレイマットスクリーンで見事に表現されるのだった。きめ細かさこそ画素数で上位モデルに負けるが、画質の捉え方、割り切り方、それにコントラスト（ガンマ）の作り方、いずれも確かな考えでまとめられている点をスクリーンが引き出すのだ。このモデルになって新たに感じるのは、フォーカス感が高まること、白ピークの鮮やかさが画質に貢献するということ、などである。画質調整で追い込めばもっと良くなる、という裏付けにスクリーンの役割の大きさを考えさせるだけの組み合わせの妙味を見せる。