暗室での映画視聴でも、UV2Aの光漏れの少なさが威力を発揮した。とにかく色の乗りが良い。単に「濃い」のではなく、色の純度が維持され、映像の中のあらゆるものがリアルに感じられる。例えば、アンティーク家具の歴史を語る深い色あいも濃密に描きだす。これは、LEDが発する純度の高い光が、光漏れに洗い流されずに目に届く恩恵だ。上質な映画の映像美を堪能できるレベルに達しており、従来の液晶パネルでは到達出来ない領域に踏み込んだ点で画期的だ。
もちろん、画質がここまで向上した背景には新パネルの採用だけでなく、LEDバックライトの採用や独自開発のエンジンによる緻密な映像処理も大きく貢献している。これらが三位一体となって、LED AQUOSの高い映像クオリティを引き出しているのだ。
ここまでの視聴は、主にAVファンの使い方を想定した暗室で行ったが、液晶パネルを使ったテレビが、ついにスクリーンテイストの表現力を得たと実感できた。薄型テレビが登場して以来、長らく液晶テレビの発展を見守ってきたが、この進化には感慨深いものがある。
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