現在、デジタルハイビジョン番組をハイビジョンディスク化する環境が整いつつある。しかし、さまざまなソース・使用シーンにおいて長期保存を考えた際のメディアはDVD-Rが主役であろう。「トリプルガード」は、DVDメディアのベーシックな性能である画質・色調を最高品位にチューニング、更に、安定した長期保存のための独自の技術を導入したDVD-Rの決定版である。DVDメディア保護のための各種ガード対策は、以前より広く試みられてきたが、内容及び効果も不明瞭であった。本製品ではユーザーに分かりやすい明解な表示を採用した。「キズガード」では傷に対する耐久性が200倍、「ヨゴレガード」では指紋の付着率が1/7以下、「ホコリガード」では静電気の放電性が1000倍という具体的な内容である。 |
さて、ここからはこれまでに行ったDVDレコーダーとのスクランブルテストでの成果・相性を個々に振り返り、「トリプルガード」の優秀性を紹介しよう。 |
日立の「DV-DH1000S」は、レコーダー自体の素直な性格と「トリプルガード」のニュートラルで抱擁力に溢れたパターンがマッチして、入力ソースに忠実な自然な映像感である。パナソニックの「DMR-BW200」は、BDレコーダーならではのワイドレンジの晴れやかなパターンが特徴。濃やかな解像感をベースに伸びやかで高精細なまとまりを見せていた。同「DMR-XW51」では、適度なコントラストレンジの中で軽いメリハリの効いた階調描写で華やかな雰囲気を演出している。鮮やかな発色でカラフルな映像感である。VHS一体型の「DMR-XW41V」では、ベーシックな輝度が高く「トリプルガード」の軽快で晴れやかなキャラクターがマッチ。快いメリハリ感が加味されて歯切れがよい。 |
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パイオニアの「DVR-DT95」では、レコーダーの確かな画質・色調とレファレンス的な「トリプルガード」のキャラクターが絶妙なマッチングを実現した。力強くウェルバランスな印象である。シャープの「DV-ACW55」では、スムーズな映像感のレコーダーとニュートラルバランスの「トリプルガード」との“出会い”で、明るい輝度をベースに穏やかで親しみ易い映像感を演出しているようだ。同「DV-ACV52」とは、スッキリとした誇張を感じさせないハイライトでスムーズなパターンで、階調も自然で発色は透明感に溢れ淀みなく爽快な映像感である。 |
ソニーの「BDZ-V9」では、BDレコーダーとの組み合わせに相応しい歯切れのよい階調描写と解像感をベースに、「トリプルガード」の明るく広々とした映像感が加味され爽快である。同「RDZ-D800」では、快いデフォルメを伴う階調感をベースに深みのある力強い発色でコクのある色彩感に富んだ映像感である。カラフルで華麗なパターンと言えよう。 東芝のHD DVDレコーダー「RD-A600」では、レコーダーの明るいキャラクターと「トリプルガード」の性格がマッチして画質・色調面でバランスよく、高級モデルとの組み合わせに相応しい内容となった。シャープの「DV-ACW80」では、カラリゼーションを感じさせないレコーダーのキャラクターが「トリプルガード」の性格を忠実に映して、レファレンス的で穏やかな映像感を演出する。三菱の「DVR-DV735」では、標準的な安定感に溢れた映像感で画質・色調感のバランスが良好。華やかさは抑えられているが明瞭度は高い。 |
一般にキズ・ホコリ・ヨゴレに対応するガード層を書き込み/読み取り面にコーティングすると、光学特性に何らかの影響を与えるのでは、との疑いを持つはず。しかし、多くのスクランブルテストでの結果は、むしろ対照的で、コーティング層で総合的なバランスや品位が向上するような印象であった。おそらく、コーティングによるディスク表面の乱反射やハレーション現象が抑えられるのでは、との推測もできる。「トリプルガード」の出現により、映画、アニメ、ドラマ番組などで安心できる長期保存が実現。映像マニアのみならず幅広い層に薦められる製品と言える。 |
DR-120WWY10SNT 価格 オープン 商品種別 DVD-R 録画用 レーベル ワイドタイプ プリンタブル ホワイト パッケージ Pケース(5mm)10枚パック 書き込み速度 1〜16倍速 |
■(株)スタート・ラボ
http://startlab.co.jp/
■(株)スタート・ラボ 「トリプルガード」詳細ページ
http://startlab.co.jp/products/ad/tripleguard/index.html
筆者プロフィール | |
斎藤宏嗣 Hirotsugu
Saito 武蔵工業大学電気通信科卒。電機メーカーのエンジニアとして高周波回路とVTRの開発を担当ののち、オーディオ専門誌に執筆を開始する。エンジニアとしての経験を生かした管球アンプの製作で注目を集める。『季刊・オーディオアクセサリー』誌では、テープオーディオの録再テストをはじめとする各種組み合わせ試聴(スクランブルテスト)の綿密なレポートで活躍。デジタルオーディオには実験段階から深く関わり、現在でも「デジタルオーディオの第一人者」の呼び声が高い。ソフトの録音評でも高い評価を得ており、実際に録音のアドバイザーとして関係した作品はアナログ録音時代から現在に至るまで数多い。スキー、柔道、フライフィッシング、料理、ラジコン、アマチュア無線、フラウトトラベルソやリコーダーの演奏など多くの趣味を持ち、そのどれもが趣味の範疇を超えた腕前を持っているという評判である。 |