薄型テレビの多機能化がハイスピードで進んでいるが、注目したいトピックの一つにDLNAによるコンテンツ共有がある。この機能を使えば、リビングに設置したPCの中のコンテンツを、ホームネットワークを通して寝室のテレビで視聴するなどといった使い方が可能になる。Windows 7がDLNAに準拠していることはご存じの方も多いだろうが、今まさにAV機器とPCを中心として、家庭内の映像・音楽・写真データをシームレスに共有する世界が広がろうとしている。

DLNAの機能は、家庭内のあちこちに保存してあるコンテンツの配信側と、家庭内LANを通して配信されたデータの再生側の2つが揃って初めて利用することができる。テレビは放送などを受信して表示する機能が中心であることから、DLNAについては再生機能のみを持つ製品がほとんどという状況の中、Woooシリーズがただ一つだけ、主要全ラインナップがDLNAの配信/再生両方の機能を搭載しているのは注目すべき事だ。

Woooが、テレビであると同時に録画機能を充実させていることを考えると、配信/再生の両機能に対応している理由は分かりやすい。たとえば、リビングと寝室にWoooを一台ずつ設置しておくと、家庭内のLANを通して、片方で録画した番組を、どちらのWoooからでも互いに再生することができるのだ。Wooo同士であれば「iVDR-S」にダビングして持ち歩くという方法も用意されているが、DLNAでは、よりスマートにネットワークを通して視聴することができるわけで、これほど快適なものはない。

実際にWoooでDLNAを使い始めるのは非常に簡単だ。テレビ本体に有線LAN端子を繋いで家庭内LANを設定したら、あとは初期設定の「AVネットワーク」でサーバー機能をオンにするだけで良い。再生側の接続は更に簡単で、リモコンの「Woooリンク」機能を起動すれば全自動で接続できるDLNAの配信側をピックアップしてくれる。配信側の設定さえ済ませておけば、後はすぐにでも再生できるようになるはずだ。

サーバー設定画面。サーバー機能を「入」にしておけば、ほかのDLNA再生機器からWoooにアクセスできる

DLNAでは、他社製品との相互接続性も、ある程度は確保されている。例えば、Woooを再生側にして、リビングに設置したDLNA対応BDレコーダーの番組を再生する使い方は、筆者が実際に自宅の環境でテストして再生に成功した(ただし、MPEG4 AVC/H.264録画の番組は非対応の機種あり)。

またPS3のDLNAクライアント機能も、システムソフトウェア3.00以降でDTCP-IPに対応し、DLNA経由でデジタル放送の視聴が行えるようになった。実際に筆者所有の機器を使って検証してみたところ、WoooをDLNA配信側として、内蔵HDDに録画した番組をネットワーク経由でPS3に配信できた。

 
PS3のクロスメディアバー上でWoooを認識した   番組名などもしっかり表示される

DLNA対応製品は、他にもWindows 7搭載のPCや地デジチューナー、ネットワークHDDなど様々な製品が存在する。将来的にDLNAで様々な機器をつなげたいという意向を持っているのであれば、今のうちにWoooシリーズを選んでおくのは賢い選択と言えるだろう。

 

Woooには、より生活に密着した「つなぐ」機能も用意されている。「ビデオdeメール」は、Woooシリーズに映像や写真を送ることができる月額315円(2ヶ月無料)のサービスだ。

例えば、遠くに住むデジタル製品が苦手な両親がWoooを所有しているとしよう。PCなどから動画や写真データを送信すると、ビデオdeメールを設定しておいたWoooに、メールが届いた旨が表示される。両親は案内に従い、テレビのリモコンを操作するだけで、動画や写真を再生することができる。子供の動画や写真を送りたいというニーズにはぴったりの機能だ。

 
ビデオdeメールやメッセージボード・サービスは、Woooのネットポータル「Wooonet」から利用できる   有線LAN端子がない部屋でも、写真のバッファローの製品のような無線LAN機器を導入することで、かんたんに家庭内ネットワーク環境を構築できる

また「メッセージボード・サービス」は、家族の間で使える簡単な掲示板サービスで、Woooや携帯電話からアクセスして家族間の伝言版として使用することができる。

ホームネットワークと聞くと難しそうに聞こえるかもしれないが、Woooシリーズの持つホームネットワーク機能は、使う人のライフスタイルを考えて作り込まれているので心配は無用だ。まずは家族でホームネットワークを使う事から始めてみると、すんなり馴染めるはずだ。