上記記事やニュースなどで、その画質・音質の良さをレポートしてきた「戦闘妖精雪風
Blu-ray Disc BOX」の発売がいよいよ1月25日に迫ってきた。このタイトルは作品の魅力は勿論のこと、SD画質のアニメ作品がHD画質へアップコンバートされることで、「旧作がどこまで美しくなるのか?」という点でも注目されている。
今回、BD版雪風のプルーフ盤を発売に先がけて入手できた。プルーフ盤とは、製品版をプレスする直前に作成する最終チェック用ディスクのこと。製品版と同等のものなので、それを使って最終の画質と音質のチェックを行った。
戦闘妖精雪風 Blu-ray Disc
BOXは全5話の作品を片面2層のBDディスク2枚に収録している。今回のプルーフ盤はその1巻目なので、第1話のチャプター「峡谷の追撃戦」と「最後の出撃」を使って評価した。
■リファレンス機材
・BDプレーヤー パイオニア BDP-LX80
・AVアンプ パイオニア VSA-AX4AH
・プラズマテレビ パイオニア PDP-5010HD
・5.1chスピーカー モニターオーディオ Silver
RS5 |
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「峡谷の追撃戦」は主人公の深井零が搭乗するフェアリィ空軍の超高速戦術戦闘電子FFR-31MR/Dスーパーシルフと、異星体ジャムのグレイシルフとの激戦を描いたシーン。このグレイシルフは機体性能がFFR-31MR/Dスーパーシルフと互角の能力があり、手に汗握る空戦が繰り広げられる。画面のチェックは主人公が搭乗するスーパーシルフがグレイシルフの追撃を逃れるために、複雑な峡谷の地形を利用して反撃のチャンスをうかがうシーンで、迫り来る岩壁の間を縫うように飛ぶ場面で行った。
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▲雪風が敵のジャムから執拗に攻撃を受ける「峡谷の追撃戦」は1話でもっとも盛り上がるシーン(クリックで拡大) |
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▲迫り来る岩肌で映像のディティールを、交信音・排気音でサラウンドと音声の再現性を確認した(クリックで拡大)
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まずDVD版に比べてBD版の方が画面の解像感があるので、峡谷の岩壁が立体的に感じられる。このシーンは少し暗めなのだが、BD版の方が豊かな階調表現をするので画面に奥行きを感じた。
音声にも大きな違いがある。機内での交信音には声優の声に巧みにノイズを加えることで、あたかも本当の交信音かのような雰囲気を出しているのだが、BD版はDVD版に比べて、音質が明瞭なので緊迫した様子がよく伝わる。また、全体的にBD版の方がサラウンドの効果をより感じた。BD版の方が音に空気感があり、作品の臨場感やリアルさがより生々しく伝わってくる。可逆圧縮方式であるドルビーTrueHD音声による収録のため、マスターサウンドの音情報が漏れなく再現されていると実感できた。
今回最も効果音の違いを感じられたのが格納庫からスーパーシルフが発進するチャプター「最後の出撃」のワンシーンだ。格納庫のアラートや動力音などを緻密に再現することで広がりのある音場が再現され、自分も主人公と一緒に出撃するような臨場感が味わえた。
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▲「最後の出撃」では、効果音の再現をチェックした(クリックで拡大) |
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▲英語音声も高音質のドルビーTrueHDで収録する(クリックで拡大)
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「戦闘妖精雪風 Blu-ray Disc
BOX」には日本語に加え、英語版のドルビーTrueHD音声も収録されており、これも魅力の一つとなっている。日本語字幕と英語字幕も収録されるので、英語音声を聞きながら日本語字幕を表示して、洋画のように楽しんだり、英語音声に英語字幕で英会話の参考にしたりと、楽しく利用できそうだ。
「戦闘妖精雪風 Blu-ray Disc
BOX」にはDVD版から更に進化した迫力や臨場感があり、まさしく“マスタークオリティ”であると感じた。特に今回のような恵まれた視聴環境になるほどに、その差は歴然とわかる。大画面ホームシアターで見るのならBDソフトの方が圧倒的に有利だと感じた。いち雪風ファンとして、最終話の壮絶な空戦シーンをHD画質で早く見たいと思わされた。
SD画質で制作された作品も、オリジナルのクオリティが高ければ、高画質な映像で楽しめることが実感できた。今後の名作アニメ映画のBDビデオ化も非常に待ち遠しくなった。
今回視聴はできなかったが、製品版にはフルHDで制作された戦闘妖精雪風の新作映像が特典として収録される。その内容は現用機とフェアリィ空軍による混成軍も登場するとのことなので、筆者も楽しみにしている。気になる方はぜひパッケージで楽しんでいただきたい。 |