そんな新世代Zシリーズに、新たなジャンルの製品が加わった。デジタルプレーヤーとプリメインアンプの一体型コンポーネントのRZ-1である。
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RZ-1 |
デジタルプレーヤーはもちろんSACD/CDの両対応で、今作は同社としては初めてトレイなしのスロット・ローディング方式を採用している。
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RZ-1はZシリーズの薄いサイズを維持するため、トレイ方式ではなく、信頼性の高いスロットイン方式を新たに採用している |
内蔵DACは32ビット精度で、RCAとTOSの入力からは192kHz/24ビット、USB入力からは96kHz/24ビットまでの信号を受けることが可能だ。アナログ入力はRCA2系統で、うち1系統をPHONO入力に切り替えられるというのも見逃せない。
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RZ-1の内部には、大型のコンデンサーやトランス類がギリギリの状態で収めされている。これは、あくまで音質にこだわるエソテリックのこだわりである |
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RZ-1の背面端子部。スピーカー端子は1系統。アナログ入力は2系統で、1系統はPHONO(MM)端子だが、切り換えにより通常のLINEとしても使用可能。デジタル入力は光/同軸各1系統の他、USB端子も搭載され、PCなどからの音楽データにも対応している
SACD、CDはもちろんレコードからPCオーディオまで対応しているのは嬉しい限りだ |
アンプ部の増幅回路はPWM方式のいわゆるD級増幅だが、D級ならではの駆動力を生かしながら、アナログ的な質感を追求しているという。
フロントパネルはシリーズ共通、あの手の込んだパネルが採用されている。トップ/サイドとも分厚いアルミのヘアライン仕上げで、特に鳴き止めさされていないがまったく鳴かない。
底/裏面も極めて頑丈だ。足は真鍮削り出しのクロームメッキで完璧に鳴かない。いずれもシリーズ全体に引き継がれた資産というべき、素晴らしいキャビネットである。
RZ-1を開発されたエソテリック・カンパニー開発部次長の加藤徹也氏は、大きな電気店へ行っても最近はオーディオコーナーが寂しく、特に本格派の香りがする製品は皆無に近い、ということに失望を感じていたという。
「確かに大きな単品コンポーネンツを揃えるのは家族が許してくれない。でも、さりげなく存在感のある製品が欲しい、というお客様は決して少なくないと思うんです」と加藤氏は語る。
確かに本機1台にスピーカーを組み合わせるだけでシステムが完成し、デジタルディスクはそのまま聴けるし、アナログプレーヤー(MM対応)はじめ、他の機器も接続可能で、さらにUSBでPC内に取り込んだ音源も高品位に再生できるのだ。家庭内の音楽再生の”核”として、理想的な1台といえるのではないか。 |