【特別企画】「Acoustic Audio Forum」を編集部記者が取材
“部屋の形”がオーディオに重要な理由とは? アコースティックラボ「蔵前ヴィレッジ」での試聴会を密着レポート!
オーディオファン向け物件の防音工事を多数手がけるアコースティックラボ。同社は、その豊富な経験とノウハウを元につくった“音がいい防音ショールーム”「蔵前ヴィレッジ」を会場に、オーディオ試聴会「Acoustic Audio Forum」を開催している。「オーディオルームの室内音響設計について(1)〜部屋の形状と定在波について〜」をメインテーマに据えた最新回が先日開催された。
イベントでは、オーディオにとって部屋の形がいかに重要であるかを説明。部屋もオーディオの一部であるという同社の考え方を、実例紹介や音出しデモを通じて体感できるような仕組みになっていた。
同社の鈴木代表は「オーディオでより次元の高い再生を求めるなら、部屋の響きが重要。いくらいい機器でも、部屋がダメだと性能を充分に引き出せない」とコメント。「また、部屋の響きというと吸音材などでいかに調整するかという方向に考えがちだが、それ以前に『部屋の形』が重要だ」と説明する。
なぜ“部屋の形”が重要なのか。それは部屋の形によって定在波の分布形態が決まってしまうからだ。例えばブーミングなどは定在波の分布が偏ることが原因。部屋の形が悪いと、このようなオーディオ的な悪影響が出やすくなってしまい、しかもそれはルームチューニングアイテムなどでは根本的に解決できるものではないという。
そして、“部屋の形がいい”とはつまり“部屋の寸法比がいい”ということ。タテ・ヨコ・高さ(天井高)の寸法比によって、部屋の響きは大きく変わるのだ。寸法比のいい部屋では、低音の膨満感がなく音が明瞭であったり、中高音も響きが素直であったり、さらにリスニングのスイートスポットも広いなど、オーディオ的なメリットを多いのだと解説された。
とある参加者は、「いままであまり定在波について意識したことがなかったが、たしかに、この部屋は変な音のクセを感じることがない」とコメント。「ほどよい残響があり、音楽をより魅力的に再生できているように感じる」と、オーディオにおける部屋の重要性を認識していた様子だった。
一方、「ふだんから定在波に悩まされており、半ばあきらめている」という参加者も。「(定在波に偏りがない)この部屋は響きが自然で、音楽を心地よく聴ける」と、こちらも同社ショールームの音の響きに感心している様子を見せた。
なお、同社“蔵前ヴィレッジ”には複数の防音室が設けられており、この日のイベントでも希望者は別の部屋でのオーディオ試聴を体験することもできた。
そちらの部屋は楽器のレコーディングスタジオなどを意識し、イベントのメイン会場となった部屋よりも響きを若干デッドにつくられている。参加者のひとりは「部屋によって音が違うことがよく分かって面白い」と興味を示し、「吸音が多いこの部屋のほうがスピーカーの音(の傾向)がよく分かる。でも自分はさっきの(メイン会場の)部屋のほうが好きかな(笑)」などと話す一幕も見られた。
また、イベントではサラウンドオーディオのデモも実施。東京佼成ウインドオーケストラの『吹奏楽燦選〜ザノーニ』をデモ音源に用い、96kHz/24bitのステレオ音源と、5.0chサラウンド音源を同じ曲で聴き比べた。
「サラウンドだからといってわざとらしさはあまり感じない作品ではないかと思う」と同社鈴木氏はコメント。参加者からも「音楽BD/DVDのようなわざとらしい立体感ではないので、これはこれでありだと思う」「この音源ではそれほど極端な違いは出なかったが、サラウンド音源は音の響きの消え方が特徴的だと感じた」などの感想が挙がった。
そして最後に鈴木氏は「寸法比に気をつければ、音のいい部屋はもう8割がたできたようなもの。残りは好みでいかようにも調整できる」と改めてコメント。オーディオにおける部屋の重要性を再度指摘した。
なお、次回の本イベントは3月16日(金)・17日(土)に開催。会場は同じく“蔵前ヴィレッジ”で、テーマには「オーディオルームの室内音響設計について(2)〜オーディオルームの最適残響時間とは?〜」を据える。
同社では、部屋の響き具合によってオーディオ再生音の印象は大きく変化するとし、「『コンサートホールの残響時間は2秒が良い』などと言われていますが、小さい部屋の残響時間はどのくらいが良いのかを蔵前villageモデルルームを例にして検討する」と説明している。
現在、公式サイトのメールフォームおよび下記問い合わせ先から参加申し込みを受け付けている。
【問い合わせ先】
アコースティックラボ
TEL/03-5829-6035
MAIL/kusakai@acoustic-designsys.com
担当:草階(くさかい)氏
(特別企画 協力:アコースティックラボ)
イベントでは、オーディオにとって部屋の形がいかに重要であるかを説明。部屋もオーディオの一部であるという同社の考え方を、実例紹介や音出しデモを通じて体感できるような仕組みになっていた。
同社の鈴木代表は「オーディオでより次元の高い再生を求めるなら、部屋の響きが重要。いくらいい機器でも、部屋がダメだと性能を充分に引き出せない」とコメント。「また、部屋の響きというと吸音材などでいかに調整するかという方向に考えがちだが、それ以前に『部屋の形』が重要だ」と説明する。
なぜ“部屋の形”が重要なのか。それは部屋の形によって定在波の分布形態が決まってしまうからだ。例えばブーミングなどは定在波の分布が偏ることが原因。部屋の形が悪いと、このようなオーディオ的な悪影響が出やすくなってしまい、しかもそれはルームチューニングアイテムなどでは根本的に解決できるものではないという。
そして、“部屋の形がいい”とはつまり“部屋の寸法比がいい”ということ。タテ・ヨコ・高さ(天井高)の寸法比によって、部屋の響きは大きく変わるのだ。寸法比のいい部屋では、低音の膨満感がなく音が明瞭であったり、中高音も響きが素直であったり、さらにリスニングのスイートスポットも広いなど、オーディオ的なメリットを多いのだと解説された。
とある参加者は、「いままであまり定在波について意識したことがなかったが、たしかに、この部屋は変な音のクセを感じることがない」とコメント。「ほどよい残響があり、音楽をより魅力的に再生できているように感じる」と、オーディオにおける部屋の重要性を認識していた様子だった。
一方、「ふだんから定在波に悩まされており、半ばあきらめている」という参加者も。「(定在波に偏りがない)この部屋は響きが自然で、音楽を心地よく聴ける」と、こちらも同社ショールームの音の響きに感心している様子を見せた。
なお、同社“蔵前ヴィレッジ”には複数の防音室が設けられており、この日のイベントでも希望者は別の部屋でのオーディオ試聴を体験することもできた。
そちらの部屋は楽器のレコーディングスタジオなどを意識し、イベントのメイン会場となった部屋よりも響きを若干デッドにつくられている。参加者のひとりは「部屋によって音が違うことがよく分かって面白い」と興味を示し、「吸音が多いこの部屋のほうがスピーカーの音(の傾向)がよく分かる。でも自分はさっきの(メイン会場の)部屋のほうが好きかな(笑)」などと話す一幕も見られた。
また、イベントではサラウンドオーディオのデモも実施。東京佼成ウインドオーケストラの『吹奏楽燦選〜ザノーニ』をデモ音源に用い、96kHz/24bitのステレオ音源と、5.0chサラウンド音源を同じ曲で聴き比べた。
「サラウンドだからといってわざとらしさはあまり感じない作品ではないかと思う」と同社鈴木氏はコメント。参加者からも「音楽BD/DVDのようなわざとらしい立体感ではないので、これはこれでありだと思う」「この音源ではそれほど極端な違いは出なかったが、サラウンド音源は音の響きの消え方が特徴的だと感じた」などの感想が挙がった。
そして最後に鈴木氏は「寸法比に気をつければ、音のいい部屋はもう8割がたできたようなもの。残りは好みでいかようにも調整できる」と改めてコメント。オーディオにおける部屋の重要性を再度指摘した。
なお、次回の本イベントは3月16日(金)・17日(土)に開催。会場は同じく“蔵前ヴィレッジ”で、テーマには「オーディオルームの室内音響設計について(2)〜オーディオルームの最適残響時間とは?〜」を据える。
同社では、部屋の響き具合によってオーディオ再生音の印象は大きく変化するとし、「『コンサートホールの残響時間は2秒が良い』などと言われていますが、小さい部屋の残響時間はどのくらいが良いのかを蔵前villageモデルルームを例にして検討する」と説明している。
現在、公式サイトのメールフォームおよび下記問い合わせ先から参加申し込みを受け付けている。
【問い合わせ先】
アコースティックラボ
TEL/03-5829-6035
MAIL/kusakai@acoustic-designsys.com
担当:草階(くさかい)氏
(特別企画 協力:アコースティックラボ)