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再生速度がアップ?

あの「nasne」が“ほぼそのまま”帰ってきた! 開封の儀 - 新旧モデルを見比べてわかったこと

公開日 2021/03/25 10:00 編集部:押野 由宇
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いよいよ新しくなった「nasne」が、3月末から発売される。その実機を触る機会を得たので、開封の儀とともに、現状わかっていることをまとめてお伝えしたい。


容量アップでスペックをフルに発揮

新しいnasneは、発表時から話題となったが、ソニー(SIE)が2012〜2019年に販売していたnasneを引き継ぎ、バッファローが開発を行う。価格は29,800円(税込)、Amazon内バッファロー公式ストア「バッファローダイレクト」で販売される。

ここでは従来のnasneを「旧nasne」、バッファロー製nasneを「新nasne」と区別して紹介していきたい。

旧nasneは多くのファンを獲得し、販売が終了した今も使い続けている方は多いだろう。実際、「torne」アプリがサポートされている限り、PlayStationユーザーは旧nasneの使用において不便を感じないはずだ。

では、新nasneとなって何が変わったのか。先日、価格情報などの詳細が発表されたが、この際に製品公式サイトに新旧nasneの仕様比較が掲載された。簡単にまとめると以下の点が変更となっている。

・内蔵ストレージ容量が1TBから2TBへと倍に増えた
・外付けストレージの最大対応容量が2TBから6TBへと3倍に増えた
・ポータブルHDD/SSDに対応した
・外付けストレージの対応ファイルシステムがFAT32からXFSになった
・筐体設計がファンレスから静音ファン搭載に変わった
・ファイル共有方式がSMB 1.0からSMB2.0になった
・iPhone/iPad向け「torne mobile」でHD画質視聴が可能になった
・「Video & TV SideView」アプリに非対応になった
・PlayStation 3 / Vita / Vita TV向け「torne」アプリに非対応になった
・BRAVIAからの録画予約や録画した番組再生に非対応になった


バッファローのサイトに掲載されているnasne仕様比較表

つまるところ、容量を増やすことで、より多くの番組の録画ができるようになったというのが最大の変更点といえる。旧nasneではシステムソフトウェアのバージョンアップにより最大3,000件の番組録画が可能となっていたが、容量の都合でその性能を活かしきれないケースもあったため、新nasneはそれを踏まえ万全の体制でリリースされるということだろう。

一方、PS3やPS VITAとnasneを組み合わせて使用しているユーザーにとっては、torne非対応というネックがある。ただし、PS VITAの延長保証サービス新規申し込み受付終了や、PS3/PSP/PS VITA向けプレイステーションストアの終了が海外報道されるなど、古い世代のゲーム機へのサポートが終了する流れがあるため、それに準じたものであるかもしれない。

では逆に新世代ゲーム機との組み合わせについてだが、PlayStation 5向けtorneが、2021年末商戦期に配信されることが、新nasneの詳細と同時に発表されている。これにより、開発発表時にはぼやかされていたPS5でのnasne使用可否について、使えることが確定した。

ちなみに、PS5向けtorneは、PS4向けtorneからどういった変更点があるかについて問い合わせたところ、「まだ現時点でお伝えできることはございません」(SIE)とのことだった。また、PS5向けtorneがリリースされるまでは、PS5でtorne(nasne)は使えないという回答もあった。

実際にPS5と組み合わせてどういう挙動になるか試したかったが、記者はPS5の抽選に漏れており、まだ買えていない。媒体なら検証をしなさいよという声もあるだろうが、媒体であっても公平に買えないため、どうか勘弁していただきたい。

開封の儀へ

それでは外観上の違いなどを確認していくため、開封の儀を執り行いたい。


まずパッケージだが、デザインは旧nasneの1TBモデルがベースになっているようだ。わかりやすい違いとして、左下にトルネフが追加された。また右下の容量表記が「1TB」から「2TB」に変更されている。そして「SONY」ロゴが「BUFFALO」に変わった。



蓋を開けると、新nasne本体と付属品が整然と収められている。というより、接続など複雑なデバイスではないので、単純に付属品が少なくスッキリしている。


付属品はACアダプター、1mのLANケーブル、1.5mのアンテナケーブルケーブル、miniB-CASカード、クイックスタートガイドだ。


このラインナップは旧nasneと同じだが、一点、B-CASカードがminiB-CASカードへと変わっている。初期設定の際に挿してしまえばもう意識することはないだろうが、これも新旧nasneの変更点だ。チューナーは地上デジタル/BS/110度CSから変わりなく、いまの時代なら4Kチューナーを搭載してくれてもとは思うが、それは高望みか。

miniB-CASカードに変更された

さて、本体だが、パッと見た印象はほぼ一緒。





SONYとBUFFLOロゴが違うこと、旧nasneは天面部に「PSマーク」が有る、新nasneは無いくらいだ。外形寸法は旧nasneが約43W×136H×189Dmm、新nasneが約44.5W×187H×135Dmmと、ミリ単位でわずかに違うが、設置性に影響はない範囲となっている。

写真奥が旧nasne、手前が新nasne

写真左が旧nasne、右が新nasne

背面端子部では、LAN端子と外付けHDDを接続するEXT HDD端子の上下位置が逆になった。理由は不明。また、電源ボタンを押した際の感触が、新nasneの方が「カチッ」としたフィーリングが得られる。ただし、これは比較に用いた旧nasneがずっと使われてきた個体であるため、単純にへたっているだけの可能性も高い。

写真左が旧nasne、右が新nasne

入っているパーツもデザインもシンプルなため、始まったばかりだが、これで開封の儀は終了としたい。

新旧nasneの挙動はほぼ一緒、一部で速度アップも?

新旧nasneの使い心地になにか違いはないかと、PS4に接続してみた。爆速アプリと名高いtorneが普通に動くため、当たり前だがUIは同じだ。

PS4と接続して使用。普通にtorneで動く

一部報道にて、新nasneはSoCを新しくしたことで応答速度も上がっているとされており、バッファローに問い合わせてみたが、設計上の目標はあるもののデータは非公開とのことで、新旧nasneの比較についても回答は得られなかった。

そして実際に新旧nasneをそれぞれ繋ぎ変えてメインメニューや番組表をスクロールしてみたが、体感できるほどの差はなかった。しかし、放送されている番組を3分ほど録画して再生する、ということをそれぞれで試してみたところ、再生が開始されるまでの時間に差が現れた。

再生ボタンを押してから、映像が流れ始めるまでの様子を動画に撮って計測したところ、開始されるまで旧nasneが約1.8秒、新nasneが約1.3約となり、およそ0.5秒ほど新nasneの方が早かった。ただしこれも、旧nasneはすでに外付けHDDと合わせて数年分の録画データを貯め込んでいるため、その分だけ読み取りに時間がかかったなどの要因が考えられる。とはいえ、大量にデータを貯めた状態でも多少は速度の差が出るかもしれないので期待したい。

ということで、バッファローから登場する新しいnasneは、『あの頃のnasneが容量アップして帰ってきた』という仕上がり。これはという大きな変化はないが、着実に便利さを増しているのは確かだし、もう完成されていたnasneがこれからも新品で買えるというのが何よりも嬉しい。「nasneが欲しかった」「レコーダーが必要だった」というPS4ユーザーの方、PS5を買うもうひと押しの理由を探していた方など、新nasneの導入を考えてみてはいかがだろうか。

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