「何故数が出る?」メーカー担当も困惑
「Blu-rayの保護カバー」が突然の爆売れ! スチールブックに最適の噂は本当だった
ずっと集め続けている大切なBlu-ray/DVD。パッケージに傷がつかないよう保護するのに、Amazonで購入したアイテムが便利だったので紹介したい。
■コレクターの性、増え続けるパッケージ
いま映像配信サービスが大人気だ。
5月11日に日本映像ソフト協会が発表した2020年の「映像ソフト市場規模及びユーザー動向調査」によると、有料動画配信市場規模が前年比165.3%の大幅増を記録。一方で、物理的なソフトを取り扱うセル市場および、レンタル市場規模はそれぞれ前年比94.1%、82.7%と減少傾向にあるという。
かくいう記者も、サブスク映像配信サービスに複数加入しており、その恩恵に預かっている。その反面、「お気に入りの映像作品は手元に置いておきたい」という、持ち前のコレクター気質が手伝って、市場規模で見ると全体的に減少傾向にあるソフトパッケージも並行して買い続けている。
さて、場所を取らないデータと違い、メディアに限らず物を集めると直面するのが「置き場問題」だ。「今買わなかったら、次は無いかも」という強迫観念が反射的に作用して、気がついたら“ポチっている”こともしばしば。そうやって限られたキャパシティの中で、順調にモノが増えていくが、手元に置ける分は大事に、丁重に扱いたいのもまたコレクターの性分。
同じくフィジカルメディアとして人気のアナログレコードにもパッケージ=ジャケットを傷から守るアウタースリーブ(ビニール製の外袋)があるように、映像メディアを収めるパッケージにも同様のカテゴリのサプライが存在する。中古ソフト売り場などで見かけたことがあるかもしれない、あの透明なカバーだ。
■【梱包クラブ】 ソフトケースカバー(100枚入り/5,280円 税込・記事執筆時)
実は収集型のパッケージファン、こと「スチールブック」と言われる金属製のパッケージを収集する界隈では非常に有名なアイテム。
記者も「スチールブック界隈」黎明期から、このソフトケースカバーがスチールブック“にも”使えるとの触れ込みで紹介されていたことは知っていた。そして一度購入を検討していたが、100枚入りしかないことから「多すぎる」と尻込み。それから時を重ねると共に自らのコレクションが100枚に届きそうな数に…ということで、今回購入に至った次第だ。
ちなみにこれまでは、粘着テープ付きのOPP袋をパッケージ保護用に使用。コストパフォーマンスは非常に高いのだが、視聴の際にソフトを出し入れしていくと、シワが付き見栄えも悪く、背表紙中心部とその上下に袋のフチが走ってしまい、美観を損ねるのが考えものだった。
では早速、ソフトケースカバーの開封組立から。輸送箱を開梱するとこの状態で収められており、1束20枚の5セットで100枚入っている形だ。また、本品の薄さは0.2mm。綺麗に仕上げたい場合はフラップ(蓋)を織り込む際に注意を払おう。プラ製と言え非常に薄くなっているので簡単に跡がついてしまう。
販売ページ内製品カットは若干グレーに見えるが、実際の製品は無色透明。組み立て後の外形寸法は136W×172H×16Dmmとなっている。「この寸法内のケースに対応する」と書いてしまえばそれまでなのだが、記者の手元にあるパッケージを使い、何が入って何が入らないか、一つ一つ実践したく思う。
まずは目的である金属製ケース、スチールブックを試す。OPP袋から乗り換えたくて100枚近くを購入したのにこれで入らなかったら余りにも悲しい…などとも考えたが、やはり杞憂も杞憂。評判の通り見事なまでにジャストフィット! OPP袋に走る「フチ」のような物もないので、並べてみると見栄えが段違いだ。物を集める喜び…。
ジャストフィットと言っても、出し入れがスムーズに行く程度には余裕があるので、収納時に擦り傷が付く可能性も低いのは嬉しいポイント。また、この絶妙なサイズ感のお陰で、収録内容の書かれた帯を一緒に保管することも可能となっている。透明なため、内容が読み取れるのもありがたい。
ただ、絶妙なサイズ故に、海外のスチールブックに多く見られる厚手の紙でできた帯や、プラ製のスリーブごとの収納はできない。コレクションの統一感を出したいという場合はは、厚手の帯を別途保存するといった対策が必要になる。
続いて、2枚組のブルーレイに使用されるプラケース。こちらは縦の幅はジャストフィットだったが、厚みでいうと若干隙間が生まれてしまう。この手のプラケースはディスクの組数や販売各メーカーによって厚みが変わってくるので、収納したい場合には先記した外形寸法をよく確認した上で購入することをおすすめしたい。
次はDVDなどに多く見られる「トールケース」と呼ばれるプラケース。その名の如く高さがあるため、蓋さえ閉められないといった感じに。数は少なくなって来ているものの、まだまだこのフォーマットで発売される商品もあるので、このタイプの製品を保護するのであれば別のサイズの物を用意しよう。
ちなみにプラケースで厚さ・高さともにジャストフィットになるのが、PS3/PS4のソフトパッケージだ。何を隠そう、元来このソフトケースカバーはゲームソフトのパッケージ用に作られたものらしく、本来の用途と異なる形として、スチールブック“にも”使えるアイテムという認識がコレクターの間で浸透していったのだ。
実際、販路が直販サイトにしか無かった頃は製品名に「スチールブック」と記載されていなかったような気もする。いつの間にこんなにわかりやすく銘打つようになったのだろうか…。
そこで「製品名にスチールブックが追加された由来に何かがあるに違いない」と、ソフトケースカバーの販売元である株式会社ZAPに連絡を取ったところ、担当の塚田氏から「ソフトケースカバー」について、本来の用途にまつわる話から「驚いた」というAmazon出品時の反響まで “こぼれ話” を伺うことができた。
■「一体何に使用するのか…」担当者困惑の売れ行き
20年以上、ゲーム・CD・DVD等の備品を製造販売してきたという株式会社ZAP。ソフトケースカバーシリーズは、本来ゲーム販売店が店頭に並べるゲームソフト、主に見本用のダミーケースを保護するために作られた商品だったそうだ。PS2、ゲームボーイアドバンス、ゲームキューブ、ニンテンドーDSなど、各ゲームハードの対応ソフトの数だけラインナップを用意していたとのこと。
しかし、通販サイトが台頭していく時代の流れもあり「町のゲーム屋」の数が減少。それに合わせるかのように、同社の展開するソフトカバーケースも続々廃盤に。しかしそんななか、約15年前から販売を始めた「PS3・BD用ケース」だけは、個人を中心に数こそは多く無いものの売れていたため、廃盤にはならなかったという。
これに関して塚田氏は「家にあるPS3ソフトやBDソフトをケースに入れる物好きな方もいるのだな」と、特に気にしなかったらしい。だが、Amazonでの販売を開始した約1年ほど前に事態は急変。発売当初は月に50ケース(5000個)以上の好セールスをマーク。販路を拡大した瞬間とは言え、この数字には塚田氏も「一体何に使用するのか?」と、流石に驚いた。
ここまで製品が捌けるとなると「家にあるゲームソフトを入れるためだけではないだろう」と、購入者の一人にその用途を思い切って聞いてみたところ、「スチールブックの保護に使う」という回答が。前々からファンの間では「スチールブックの保護に最適」と噂されていたが、「メーカーが想定しなかった用途」をメーカー側が認知するに至ったのはAmazonでの出品を開始したタイミングであるそう。これをキッカケにして、「PS3・BD用ケース」の製品名に「スチールブック」を加えることになったというわけだ。
◇
冒頭でも触れた通り、配信市場が躍進を見せ、減少傾向にある映像におけるソフトパッケージ。とは言え、買い揃えた物を並べたり、実際に手に取るという楽しみは他に代えがたいものがある。だからこそ、手元にあるソフトは大事にしたいところ。
今回紹介したソフトケースカバーは、1枚あたりの単価が52円(記事執筆時)。これを安いとするか高いとするかは人それぞれだと思うが、コレクションを見栄え良く、統一感良く整頓・保護できて記者的には大満足の一品だ。この記事を読んで何か琴線に触れるものがあったら、ぜひとも軽率に “ポチって” いただきたい。
■コレクターの性、増え続けるパッケージ
いま映像配信サービスが大人気だ。
5月11日に日本映像ソフト協会が発表した2020年の「映像ソフト市場規模及びユーザー動向調査」によると、有料動画配信市場規模が前年比165.3%の大幅増を記録。一方で、物理的なソフトを取り扱うセル市場および、レンタル市場規模はそれぞれ前年比94.1%、82.7%と減少傾向にあるという。
かくいう記者も、サブスク映像配信サービスに複数加入しており、その恩恵に預かっている。その反面、「お気に入りの映像作品は手元に置いておきたい」という、持ち前のコレクター気質が手伝って、市場規模で見ると全体的に減少傾向にあるソフトパッケージも並行して買い続けている。
さて、場所を取らないデータと違い、メディアに限らず物を集めると直面するのが「置き場問題」だ。「今買わなかったら、次は無いかも」という強迫観念が反射的に作用して、気がついたら“ポチっている”こともしばしば。そうやって限られたキャパシティの中で、順調にモノが増えていくが、手元に置ける分は大事に、丁重に扱いたいのもまたコレクターの性分。
同じくフィジカルメディアとして人気のアナログレコードにもパッケージ=ジャケットを傷から守るアウタースリーブ(ビニール製の外袋)があるように、映像メディアを収めるパッケージにも同様のカテゴリのサプライが存在する。中古ソフト売り場などで見かけたことがあるかもしれない、あの透明なカバーだ。
■【梱包クラブ】 ソフトケースカバー(100枚入り/5,280円 税込・記事執筆時)
実は収集型のパッケージファン、こと「スチールブック」と言われる金属製のパッケージを収集する界隈では非常に有名なアイテム。
記者も「スチールブック界隈」黎明期から、このソフトケースカバーがスチールブック“にも”使えるとの触れ込みで紹介されていたことは知っていた。そして一度購入を検討していたが、100枚入りしかないことから「多すぎる」と尻込み。それから時を重ねると共に自らのコレクションが100枚に届きそうな数に…ということで、今回購入に至った次第だ。
ちなみにこれまでは、粘着テープ付きのOPP袋をパッケージ保護用に使用。コストパフォーマンスは非常に高いのだが、視聴の際にソフトを出し入れしていくと、シワが付き見栄えも悪く、背表紙中心部とその上下に袋のフチが走ってしまい、美観を損ねるのが考えものだった。
では早速、ソフトケースカバーの開封組立から。輸送箱を開梱するとこの状態で収められており、1束20枚の5セットで100枚入っている形だ。また、本品の薄さは0.2mm。綺麗に仕上げたい場合はフラップ(蓋)を織り込む際に注意を払おう。プラ製と言え非常に薄くなっているので簡単に跡がついてしまう。
販売ページ内製品カットは若干グレーに見えるが、実際の製品は無色透明。組み立て後の外形寸法は136W×172H×16Dmmとなっている。「この寸法内のケースに対応する」と書いてしまえばそれまでなのだが、記者の手元にあるパッケージを使い、何が入って何が入らないか、一つ一つ実践したく思う。
まずは目的である金属製ケース、スチールブックを試す。OPP袋から乗り換えたくて100枚近くを購入したのにこれで入らなかったら余りにも悲しい…などとも考えたが、やはり杞憂も杞憂。評判の通り見事なまでにジャストフィット! OPP袋に走る「フチ」のような物もないので、並べてみると見栄えが段違いだ。物を集める喜び…。
ジャストフィットと言っても、出し入れがスムーズに行く程度には余裕があるので、収納時に擦り傷が付く可能性も低いのは嬉しいポイント。また、この絶妙なサイズ感のお陰で、収録内容の書かれた帯を一緒に保管することも可能となっている。透明なため、内容が読み取れるのもありがたい。
ただ、絶妙なサイズ故に、海外のスチールブックに多く見られる厚手の紙でできた帯や、プラ製のスリーブごとの収納はできない。コレクションの統一感を出したいという場合はは、厚手の帯を別途保存するといった対策が必要になる。
続いて、2枚組のブルーレイに使用されるプラケース。こちらは縦の幅はジャストフィットだったが、厚みでいうと若干隙間が生まれてしまう。この手のプラケースはディスクの組数や販売各メーカーによって厚みが変わってくるので、収納したい場合には先記した外形寸法をよく確認した上で購入することをおすすめしたい。
次はDVDなどに多く見られる「トールケース」と呼ばれるプラケース。その名の如く高さがあるため、蓋さえ閉められないといった感じに。数は少なくなって来ているものの、まだまだこのフォーマットで発売される商品もあるので、このタイプの製品を保護するのであれば別のサイズの物を用意しよう。
ちなみにプラケースで厚さ・高さともにジャストフィットになるのが、PS3/PS4のソフトパッケージだ。何を隠そう、元来このソフトケースカバーはゲームソフトのパッケージ用に作られたものらしく、本来の用途と異なる形として、スチールブック“にも”使えるアイテムという認識がコレクターの間で浸透していったのだ。
実際、販路が直販サイトにしか無かった頃は製品名に「スチールブック」と記載されていなかったような気もする。いつの間にこんなにわかりやすく銘打つようになったのだろうか…。
そこで「製品名にスチールブックが追加された由来に何かがあるに違いない」と、ソフトケースカバーの販売元である株式会社ZAPに連絡を取ったところ、担当の塚田氏から「ソフトケースカバー」について、本来の用途にまつわる話から「驚いた」というAmazon出品時の反響まで “こぼれ話” を伺うことができた。
■「一体何に使用するのか…」担当者困惑の売れ行き
20年以上、ゲーム・CD・DVD等の備品を製造販売してきたという株式会社ZAP。ソフトケースカバーシリーズは、本来ゲーム販売店が店頭に並べるゲームソフト、主に見本用のダミーケースを保護するために作られた商品だったそうだ。PS2、ゲームボーイアドバンス、ゲームキューブ、ニンテンドーDSなど、各ゲームハードの対応ソフトの数だけラインナップを用意していたとのこと。
しかし、通販サイトが台頭していく時代の流れもあり「町のゲーム屋」の数が減少。それに合わせるかのように、同社の展開するソフトカバーケースも続々廃盤に。しかしそんななか、約15年前から販売を始めた「PS3・BD用ケース」だけは、個人を中心に数こそは多く無いものの売れていたため、廃盤にはならなかったという。
これに関して塚田氏は「家にあるPS3ソフトやBDソフトをケースに入れる物好きな方もいるのだな」と、特に気にしなかったらしい。だが、Amazonでの販売を開始した約1年ほど前に事態は急変。発売当初は月に50ケース(5000個)以上の好セールスをマーク。販路を拡大した瞬間とは言え、この数字には塚田氏も「一体何に使用するのか?」と、流石に驚いた。
ここまで製品が捌けるとなると「家にあるゲームソフトを入れるためだけではないだろう」と、購入者の一人にその用途を思い切って聞いてみたところ、「スチールブックの保護に使う」という回答が。前々からファンの間では「スチールブックの保護に最適」と噂されていたが、「メーカーが想定しなかった用途」をメーカー側が認知するに至ったのはAmazonでの出品を開始したタイミングであるそう。これをキッカケにして、「PS3・BD用ケース」の製品名に「スチールブック」を加えることになったというわけだ。
冒頭でも触れた通り、配信市場が躍進を見せ、減少傾向にある映像におけるソフトパッケージ。とは言え、買い揃えた物を並べたり、実際に手に取るという楽しみは他に代えがたいものがある。だからこそ、手元にあるソフトは大事にしたいところ。
今回紹介したソフトケースカバーは、1枚あたりの単価が52円(記事執筆時)。これを安いとするか高いとするかは人それぞれだと思うが、コレクションを見栄え良く、統一感良く整頓・保護できて記者的には大満足の一品だ。この記事を読んで何か琴線に触れるものがあったら、ぜひとも軽率に “ポチって” いただきたい。