9万枚売上の劇場先売BDの「音」に注目
記録的ヒットの『閃光のハサウェイ』Blu-ray、観るならアトモス対応サウンドバーで“搭乗感“増し増しに!
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』が大ヒットを記録している。当初の予定から約1年の延期を経て2021年6月11日に劇場公開、1ヶ月もせずに興行収入は15億円を突破。劇場封切りと同時に上映館にて販売された数量限定の本編ブルーレイは、トータルの売上枚数が9万枚を超えた。
『閃光のハサウェイ』が大きくヒットした要因は何か? と聴かれれば、観賞者は迷うこと無く「アニメーションとしての完成度の高さ」と答えるだろう。そして劇場で見たばかりの “良いアニメ” を即座に持ち帰れるとなれば、「気がついたら手に取ってしまった」という風にブルーレイを購入した方も多いと思う。この仕組みの深さを破壊する方法は、恐らく無い。
メディアインタビューによると本作は、音・映像共に「ドルビーシネマ」規格のデータを原版として制作が行われたとのこと。同規格の映像面を担う「ドルビービジョン」は未収録だが、音声フォーマットの「ドルビーアトモス」は劇場販売分のブルーレイにも収録されている。
自分が丸の内ピカデリーにて観賞した「ドルビーシネマ」版の音響効果は特筆するべきものがあり、これまでのガンダムシリーズに無かった一歩進んだ演出の数々には感動すら覚えた。自宅での再生でもアトモス音響を再現できればこの体験に迫る事ができてしまうのだろうか…、これを気軽に味わえるのなら! と、今回はドルビーアトモス対応のサウンドバーを用いて視聴を行った。
『閃光のハサウェイ』ディスクに収録されたアトモスサウンドを確認すべく、今回用意したサウンドバーはJBL「Bar 5.0 MultiBeam」。ワンボディタイプの機種なので、一人暮らしの限られたテレビまわりのスペースにも設置しやすい。また、「AMC(Automatic Multibeam Calibration)」という音場補正機能を備えており、簡単操作かつ短時間で、ユーザーの視聴環境にあわせて音響効果を最適化してくれるのだ。
視聴は、OP入り前の旅客船「ハウンゼン」での一幕にあたる「PartA」、モビルスーツ(以下、MS)での市街戦が描かれる「PartC」、2機のガンダムタイプが空中で衝突するクライマックス「PartE」といった派手目なシークエンスが続くチャプターを中心に行った。
■サウンドバーで“聴こえた”「やっちゃいなよ!」に感動
まず「PartA」から。本作の劇場公開前からYouTube上にて事前に無料配信されていたパートである。タイトな絵作りからして「これまでのガンダムと違う」といった印象を植え付けるには十分すぎるシークエンスだ。
映像だけでなく音作りにおいてもアニメでありながら地に足のついた演出が冴える箇所であるのだが、これをサウンドバーが見事に再現。「マフティー」を名乗るテロリストの占拠にざわめくハウンゼン船内といったシチュエーションも、キチンと音が左右に振られているので感服してしまう。サウンドバーでのアトモス再生は「伊達ではない」ということが早速証明された。
また、このチャプターで白眉だったのが、テロリストの占拠を傍観していたハサウェイが動き出すきっかけとなる、脳裏をよぎる1回目の「やっちゃいなよ!」の言葉。彼の中でしか聞こえない声という極めてアニメ的な演出であるのだが、若干のエコーエフェクトとは別に、音の配置がわずかに上方向にふられているのがわかった。「初見で聴こえたぜ?」という方が居てもおかしくは無い演出なのだが、記者は物語や展開に集中する余り、劇場観賞時には気付かなかったのだ。
あまりの飲めり込みぶりにそう聞こえてしまったのか?と、一瞬不安になったが、Bar 5.0 MultiBeamはリモコン操作一つでアトモス効果のオン/オフが切り替え可能となっている。シーンを早戻ししてはアトモスのオン/オフを繰り返して、音響効果をチェックしたが、おそらく間違いないだろう。こういった楽しみ方ができるのも家での鑑賞ならではであり、劇場に足繁く通わずとも作品の新たな魅力を気軽に深掘りできるのが嬉しい。
■自宅がMSのコクピットに! サウンドバーで臨場感増し増し!
続いてMSの戦闘がメインとなる「PartC」と「PartE」をチェック。メイン視点のMSが左側の装甲に被弾したのであれば、追随するように左側に音が振られる。コクピット内の敵機近接アラートが鳴るシーン(MSに兵器としての説得力を持たせる細かな描写で記者も大変お気に入り)では、画面上のインターフェースに表示されるマーカーの位置と、サウンド再生位置が連動した見事な空間再現性を味わうことができる。前記のハウンゼンでのシーンも然りだが、迫力の映像と音響で「搭乗感」を強く覚えるのだ。
また劇場での鑑賞は大音響を前提としたものとなっているが、家での再生はなかなかそうもいかない。「鳴らし放題!」という理由で取材は会社の視聴室で行ったが、実際に出して許される音量はこの半分以下だろう。そこで、家での使用を想定してサウンドバーのボリュームを絞って鳴らしてみたが、ボリュームの大小にかかわらずアトモスらしい音響効果を感じることができた。家でも立体音響が体験できるんだ、こんなに嬉しいことはない…。
低音についてもテレビだけでは到底鳴らせないレベルで、「本当に目の前のスマートな筐体から出ているのか?」というパワフルさだ。ビームライフル、ミサイルの着弾音には振動感が伴っており、集合住宅で再生する際はバスボリュームを抑えた方が良いな、と思うほどに主張がある。また、作品を彩る澤野弘之作曲による劇伴曲の低音域も、2chのシステムで試聴した時と比較して厚みがより際立つ印象を受けた。
◇
中学時代に遡る原作小説との出会いから映画化発表時の衝撃、『閃光のハサウェイ』というタイトルについては書こうと思えば幾らでも書けてしまうのだが、脱線する前にまとめておくと、劇場販売のブルーレイをアトモス対応のサウンドバーで鳴らすという鑑賞体験は大アリだ。ハイト(上方向)を含めたサラウンドシステムを組まずに空間音響を楽しめるという気軽さも推せるポイントの一つである。
ちょうど公開から1ヶ月というタイミングにもなる中、新たな配布特典が用意されるなど、劇場での上映はしばらく続くと思われるが、アトモス音響に対応したシアターはこれから公開を控える夏の大作が優先して割り当てられることが多くなるだろう。「アトモス対応サウンドバーを購入する」といった最初のハードルを超えてしまえば、遠征せず、時間を選ばず自宅でドルビーアトモス音響の『閃光のハサウェイ』を楽しめるのだ。
この度は、マフティーからの声明を発表したウェブメディアの構成員として、この事実をお伝えした訳であるが、9万を超えるブルーレイの購入者においては、少しでもアトモスで視聴しようかと考えるきっかけになれば大変嬉しく思う。なお、先日発表のリリースでは本Blu-rayの在庫は「残りわずか」になっているとのこと。一般販売に先んじて手に入れておきたいという方は、早めに劇場で購入されることをオススメする。
『閃光のハサウェイ』が大きくヒットした要因は何か? と聴かれれば、観賞者は迷うこと無く「アニメーションとしての完成度の高さ」と答えるだろう。そして劇場で見たばかりの “良いアニメ” を即座に持ち帰れるとなれば、「気がついたら手に取ってしまった」という風にブルーレイを購入した方も多いと思う。この仕組みの深さを破壊する方法は、恐らく無い。
メディアインタビューによると本作は、音・映像共に「ドルビーシネマ」規格のデータを原版として制作が行われたとのこと。同規格の映像面を担う「ドルビービジョン」は未収録だが、音声フォーマットの「ドルビーアトモス」は劇場販売分のブルーレイにも収録されている。
自分が丸の内ピカデリーにて観賞した「ドルビーシネマ」版の音響効果は特筆するべきものがあり、これまでのガンダムシリーズに無かった一歩進んだ演出の数々には感動すら覚えた。自宅での再生でもアトモス音響を再現できればこの体験に迫る事ができてしまうのだろうか…、これを気軽に味わえるのなら! と、今回はドルビーアトモス対応のサウンドバーを用いて視聴を行った。
『閃光のハサウェイ』ディスクに収録されたアトモスサウンドを確認すべく、今回用意したサウンドバーはJBL「Bar 5.0 MultiBeam」。ワンボディタイプの機種なので、一人暮らしの限られたテレビまわりのスペースにも設置しやすい。また、「AMC(Automatic Multibeam Calibration)」という音場補正機能を備えており、簡単操作かつ短時間で、ユーザーの視聴環境にあわせて音響効果を最適化してくれるのだ。
視聴は、OP入り前の旅客船「ハウンゼン」での一幕にあたる「PartA」、モビルスーツ(以下、MS)での市街戦が描かれる「PartC」、2機のガンダムタイプが空中で衝突するクライマックス「PartE」といった派手目なシークエンスが続くチャプターを中心に行った。
■サウンドバーで“聴こえた”「やっちゃいなよ!」に感動
まず「PartA」から。本作の劇場公開前からYouTube上にて事前に無料配信されていたパートである。タイトな絵作りからして「これまでのガンダムと違う」といった印象を植え付けるには十分すぎるシークエンスだ。
映像だけでなく音作りにおいてもアニメでありながら地に足のついた演出が冴える箇所であるのだが、これをサウンドバーが見事に再現。「マフティー」を名乗るテロリストの占拠にざわめくハウンゼン船内といったシチュエーションも、キチンと音が左右に振られているので感服してしまう。サウンドバーでのアトモス再生は「伊達ではない」ということが早速証明された。
また、このチャプターで白眉だったのが、テロリストの占拠を傍観していたハサウェイが動き出すきっかけとなる、脳裏をよぎる1回目の「やっちゃいなよ!」の言葉。彼の中でしか聞こえない声という極めてアニメ的な演出であるのだが、若干のエコーエフェクトとは別に、音の配置がわずかに上方向にふられているのがわかった。「初見で聴こえたぜ?」という方が居てもおかしくは無い演出なのだが、記者は物語や展開に集中する余り、劇場観賞時には気付かなかったのだ。
あまりの飲めり込みぶりにそう聞こえてしまったのか?と、一瞬不安になったが、Bar 5.0 MultiBeamはリモコン操作一つでアトモス効果のオン/オフが切り替え可能となっている。シーンを早戻ししてはアトモスのオン/オフを繰り返して、音響効果をチェックしたが、おそらく間違いないだろう。こういった楽しみ方ができるのも家での鑑賞ならではであり、劇場に足繁く通わずとも作品の新たな魅力を気軽に深掘りできるのが嬉しい。
■自宅がMSのコクピットに! サウンドバーで臨場感増し増し!
続いてMSの戦闘がメインとなる「PartC」と「PartE」をチェック。メイン視点のMSが左側の装甲に被弾したのであれば、追随するように左側に音が振られる。コクピット内の敵機近接アラートが鳴るシーン(MSに兵器としての説得力を持たせる細かな描写で記者も大変お気に入り)では、画面上のインターフェースに表示されるマーカーの位置と、サウンド再生位置が連動した見事な空間再現性を味わうことができる。前記のハウンゼンでのシーンも然りだが、迫力の映像と音響で「搭乗感」を強く覚えるのだ。
また劇場での鑑賞は大音響を前提としたものとなっているが、家での再生はなかなかそうもいかない。「鳴らし放題!」という理由で取材は会社の視聴室で行ったが、実際に出して許される音量はこの半分以下だろう。そこで、家での使用を想定してサウンドバーのボリュームを絞って鳴らしてみたが、ボリュームの大小にかかわらずアトモスらしい音響効果を感じることができた。家でも立体音響が体験できるんだ、こんなに嬉しいことはない…。
低音についてもテレビだけでは到底鳴らせないレベルで、「本当に目の前のスマートな筐体から出ているのか?」というパワフルさだ。ビームライフル、ミサイルの着弾音には振動感が伴っており、集合住宅で再生する際はバスボリュームを抑えた方が良いな、と思うほどに主張がある。また、作品を彩る澤野弘之作曲による劇伴曲の低音域も、2chのシステムで試聴した時と比較して厚みがより際立つ印象を受けた。
中学時代に遡る原作小説との出会いから映画化発表時の衝撃、『閃光のハサウェイ』というタイトルについては書こうと思えば幾らでも書けてしまうのだが、脱線する前にまとめておくと、劇場販売のブルーレイをアトモス対応のサウンドバーで鳴らすという鑑賞体験は大アリだ。ハイト(上方向)を含めたサラウンドシステムを組まずに空間音響を楽しめるという気軽さも推せるポイントの一つである。
ちょうど公開から1ヶ月というタイミングにもなる中、新たな配布特典が用意されるなど、劇場での上映はしばらく続くと思われるが、アトモス音響に対応したシアターはこれから公開を控える夏の大作が優先して割り当てられることが多くなるだろう。「アトモス対応サウンドバーを購入する」といった最初のハードルを超えてしまえば、遠征せず、時間を選ばず自宅でドルビーアトモス音響の『閃光のハサウェイ』を楽しめるのだ。
この度は、マフティーからの声明を発表したウェブメディアの構成員として、この事実をお伝えした訳であるが、9万を超えるブルーレイの購入者においては、少しでもアトモスで視聴しようかと考えるきっかけになれば大変嬉しく思う。なお、先日発表のリリースでは本Blu-rayの在庫は「残りわずか」になっているとのこと。一般販売に先んじて手に入れておきたいという方は、早めに劇場で購入されることをオススメする。