iOS 15/iPadOS 15で提供
実験!Apple Music新機能「ダイナミック・ヘッドトラッキング」&「空間オーディオ」を試す
アップルは、「iOS 15」と「iPadOS 15」の無料ダウンロード提供を9月21日に開始した。この最新バージョンから、Apple Musicで「ドルビーアトモスによる空間オーディオ」に対応するコンテンツがダイナミック・ヘッドトラッキング機能を使って聴けるようになった。Apple Musicに関連するアップデートをまとめて紹介しよう。
■Apple Musicに続々と追加されている空間オーディオ作品
Apple Musicは今年の6月から、立体音楽体験が楽しめる「ドルビーアトモスによる空間オーディオ」(以下:空間オーディオ)に対応するコンテンツをカタログに続々と追加している。Apple Musicのユーザーは追加料金を払うことなく楽しめる。
空間オーディオに対応するコンテンツは新曲だけでなく、リリース済みのカタログ作品まで続々と増えている。米国では8月にApple Musicで配信が始まった人気タイトルの約1/4が空間オーディオ対応となり、トップチャートの上位にエントリーしたことから脚光を浴びた。作品のカテゴリーもポップスからカントリーミュージック、ヒップホップにラテンまで幅広く追加され、クリエイターの間にも空間オーディオの技術に対する関心と創作意欲が高まっているという。
邦楽作品についてもまたOfficial髭男dismのアルバム「Editorial」が空間オーディオ対応作品として配信された。アリス=紗良・オットがドイツ・グラモフォンからリリースする10作品目の記念碑「Echoes of Life」も空間オーディオ対応の注目タイトルだ。
■Apple Musicによる空間オーディオ。ダイナミック・ヘッドトラッキングにも対応
Apple Musicの空間オーディオ作品による立体感あふれる音楽再生は、iPhone/iPad/Mac/Apple TV 4Kのほか、Androidの「Apple Music」アプリで楽しめる。これらの再生機器に組み合わせるヘッドホン・イヤホンはアップルやBeats以外の製品でも良いが、対応楽曲が再生された際に自動で空間オーディオ再生を選択する機能はアップルとBeatsの一部のヘッドホンのみ利用できる。
このたび、iOS 15/iPadOS 15をインストールしたiPhone/iPadと、AirPods Pro、またはAirPods Maxによる掛け合わせで、空間オーディオによるさらに一歩進んだ音楽体験を構成する「ダイナミック・ヘッドトラッキング」がApple Musicでも楽しめるようになった。
ダイナミック・ヘッドトラッキングとは、AirPodsシリーズを装着したユーザーの頭と体が向いている方向をトラッキングしながら、コンテンツの音像をあるべき位置に正しく定位させる技術。2020年に動画配信アプリのApple TVから先に導入が始まり、先日Netflixアプリにも対応が広がった。
AirPods Proを装着した状態でApple Musicの空間オーディオ作品を再生してみる。頭を動かすと、自然な音の広がりに満ちた空間の中でボーカルや楽器の音源が固定されたまま活き活きと奏でられ、いっそうリアルな没入感が味わえる。ダイナミック・ヘッドトラッキングについては、イヤホン・ヘッドホン側の設定から空間オーディオをオンにするだけで、他に追加のアクティベーション設定は不要だ。
空間オーディオ対応の映画やドラマを視聴する場合、iPhoneやiPadのディスプレイが正面方向として認識される。一方でApple Musicによる音楽再生の場合、例えばiPhoneをポケットに入れて空間オーディオの楽曲を聴いたりすることも考えられるので、明確な正面方向の定義がない。
そこでApple Musicによる空間オーディオ再生の場合は、AirPodsシリーズを装着したユーザーの細かな頭の動きを常時トラッキングしながら、ユーザーがしばらく姿勢を固定した状態で、顔を向けている方向を正面と認識するようだ。筆者が試してみたところ、顔の向きを変えて10秒前後待つと空間オーディオ再生のセンタリングにリセットがかかった。その間、音が途切れることはなく、とてもスムーズにリスニングを継続できる。なおApple TVアプリによる空間オーディオに対応するビデオコンテンツにも同様に、ディスプレイにしばらく正対していないと音源の向きを自動で変更する機能が搭載されている。
■あらゆるステレオ音源を空間オーディオにアップミックスする機能も登場
iOS 15/iPadOS 15から、対応するデバイスとAirPods Pro/AirPods Maxとの組み合わせにより、元がステレオ制作された音源を「空間オーディオ化」するアップミックス機能が使えるようになる。
iPhone/iPadにAirPodsシリーズが接続された状態でコントロールセンターを引き出し、AirPodsシリーズの音量コントロールを長押しするとメニューが現れるので、「ステレオを空間化」のアイコンをタップしてオンにする。空間オーディオ対応のネイティブ音源に比べると擬似的な立体感として感じられるものの、ダイナミック・ヘッドトラッキングの効果も含めて空間オーディオの醍醐味が十分に味わえる。Apple Musicに公開されているミュージックビデオ、Apple Music 1のライブ配信によるラジオ番組は元がステレオ音源になるが、この機能を使えば空間オーディオ化できる。
なお筆者が試したところ、YouTubeの動画やAmazon Musicの音楽を再生した時にも空間オーディオ化の機能が使えた。
■Apple Musicの楽曲を友人と共有できる機能も充実する
iOS 14.5以降からApple Musicの歌詞をSNSに共有して楽しめるようになった。iOS 15からはiOS/iPadOS標準のメッセージアプリを使って、Apple Musicに登録している友人にお気に入りの楽曲をシェアすると、Apple Musicの「今すぐ聴く」タブの中に新設される「あなたと共有」リストの中に追加され、いつでも素速くアクセスできる。
iOS/iPadOS標準の「写真」アプリに追加される「メモリー」機能を使って、自動生成されるアルバムにApple Musicから好きな音楽をBGMとして加えてスライドショーを簡単に作れる「メモリーミックス」も楽しい。
メモリーミックスは選別した写真の雰囲気に合う楽曲をApple Musicから自動でセレクトしてくれる。写真用フィルターを使ってスライドショーの雰囲気を変更すると、合わせてApple Musicの楽曲もアップテンポな曲、静かなリラックスできる曲など変化を付けてくれる。ユーザーが自身でお気に入りの楽曲を選んでもいい。作成したスライドショーはAirPlayを使ってApple TV 4Kをつないだ大画面テレビで視聴したり、共有可能な楽曲をBGMに設定した場合は友人などに共有も可能だ。
さらに今年後半からはFaceTime通話の参加者どうしでApple Musicの音楽やApple TVのビデオをシェアできる新機能「SharePlay」の追加も予定されている。こちらも引き続きアップデートを追いかけたいと思う。
■Apple Musicに続々と追加されている空間オーディオ作品
Apple Musicは今年の6月から、立体音楽体験が楽しめる「ドルビーアトモスによる空間オーディオ」(以下:空間オーディオ)に対応するコンテンツをカタログに続々と追加している。Apple Musicのユーザーは追加料金を払うことなく楽しめる。
空間オーディオに対応するコンテンツは新曲だけでなく、リリース済みのカタログ作品まで続々と増えている。米国では8月にApple Musicで配信が始まった人気タイトルの約1/4が空間オーディオ対応となり、トップチャートの上位にエントリーしたことから脚光を浴びた。作品のカテゴリーもポップスからカントリーミュージック、ヒップホップにラテンまで幅広く追加され、クリエイターの間にも空間オーディオの技術に対する関心と創作意欲が高まっているという。
邦楽作品についてもまたOfficial髭男dismのアルバム「Editorial」が空間オーディオ対応作品として配信された。アリス=紗良・オットがドイツ・グラモフォンからリリースする10作品目の記念碑「Echoes of Life」も空間オーディオ対応の注目タイトルだ。
■Apple Musicによる空間オーディオ。ダイナミック・ヘッドトラッキングにも対応
Apple Musicの空間オーディオ作品による立体感あふれる音楽再生は、iPhone/iPad/Mac/Apple TV 4Kのほか、Androidの「Apple Music」アプリで楽しめる。これらの再生機器に組み合わせるヘッドホン・イヤホンはアップルやBeats以外の製品でも良いが、対応楽曲が再生された際に自動で空間オーディオ再生を選択する機能はアップルとBeatsの一部のヘッドホンのみ利用できる。
このたび、iOS 15/iPadOS 15をインストールしたiPhone/iPadと、AirPods Pro、またはAirPods Maxによる掛け合わせで、空間オーディオによるさらに一歩進んだ音楽体験を構成する「ダイナミック・ヘッドトラッキング」がApple Musicでも楽しめるようになった。
ダイナミック・ヘッドトラッキングとは、AirPodsシリーズを装着したユーザーの頭と体が向いている方向をトラッキングしながら、コンテンツの音像をあるべき位置に正しく定位させる技術。2020年に動画配信アプリのApple TVから先に導入が始まり、先日Netflixアプリにも対応が広がった。
AirPods Proを装着した状態でApple Musicの空間オーディオ作品を再生してみる。頭を動かすと、自然な音の広がりに満ちた空間の中でボーカルや楽器の音源が固定されたまま活き活きと奏でられ、いっそうリアルな没入感が味わえる。ダイナミック・ヘッドトラッキングについては、イヤホン・ヘッドホン側の設定から空間オーディオをオンにするだけで、他に追加のアクティベーション設定は不要だ。
空間オーディオ対応の映画やドラマを視聴する場合、iPhoneやiPadのディスプレイが正面方向として認識される。一方でApple Musicによる音楽再生の場合、例えばiPhoneをポケットに入れて空間オーディオの楽曲を聴いたりすることも考えられるので、明確な正面方向の定義がない。
そこでApple Musicによる空間オーディオ再生の場合は、AirPodsシリーズを装着したユーザーの細かな頭の動きを常時トラッキングしながら、ユーザーがしばらく姿勢を固定した状態で、顔を向けている方向を正面と認識するようだ。筆者が試してみたところ、顔の向きを変えて10秒前後待つと空間オーディオ再生のセンタリングにリセットがかかった。その間、音が途切れることはなく、とてもスムーズにリスニングを継続できる。なおApple TVアプリによる空間オーディオに対応するビデオコンテンツにも同様に、ディスプレイにしばらく正対していないと音源の向きを自動で変更する機能が搭載されている。
■あらゆるステレオ音源を空間オーディオにアップミックスする機能も登場
iOS 15/iPadOS 15から、対応するデバイスとAirPods Pro/AirPods Maxとの組み合わせにより、元がステレオ制作された音源を「空間オーディオ化」するアップミックス機能が使えるようになる。
iPhone/iPadにAirPodsシリーズが接続された状態でコントロールセンターを引き出し、AirPodsシリーズの音量コントロールを長押しするとメニューが現れるので、「ステレオを空間化」のアイコンをタップしてオンにする。空間オーディオ対応のネイティブ音源に比べると擬似的な立体感として感じられるものの、ダイナミック・ヘッドトラッキングの効果も含めて空間オーディオの醍醐味が十分に味わえる。Apple Musicに公開されているミュージックビデオ、Apple Music 1のライブ配信によるラジオ番組は元がステレオ音源になるが、この機能を使えば空間オーディオ化できる。
なお筆者が試したところ、YouTubeの動画やAmazon Musicの音楽を再生した時にも空間オーディオ化の機能が使えた。
■Apple Musicの楽曲を友人と共有できる機能も充実する
iOS 14.5以降からApple Musicの歌詞をSNSに共有して楽しめるようになった。iOS 15からはiOS/iPadOS標準のメッセージアプリを使って、Apple Musicに登録している友人にお気に入りの楽曲をシェアすると、Apple Musicの「今すぐ聴く」タブの中に新設される「あなたと共有」リストの中に追加され、いつでも素速くアクセスできる。
iOS/iPadOS標準の「写真」アプリに追加される「メモリー」機能を使って、自動生成されるアルバムにApple Musicから好きな音楽をBGMとして加えてスライドショーを簡単に作れる「メモリーミックス」も楽しい。
メモリーミックスは選別した写真の雰囲気に合う楽曲をApple Musicから自動でセレクトしてくれる。写真用フィルターを使ってスライドショーの雰囲気を変更すると、合わせてApple Musicの楽曲もアップテンポな曲、静かなリラックスできる曲など変化を付けてくれる。ユーザーが自身でお気に入りの楽曲を選んでもいい。作成したスライドショーはAirPlayを使ってApple TV 4Kをつないだ大画面テレビで視聴したり、共有可能な楽曲をBGMに設定した場合は友人などに共有も可能だ。
さらに今年後半からはFaceTime通話の参加者どうしでApple Musicの音楽やApple TVのビデオをシェアできる新機能「SharePlay」の追加も予定されている。こちらも引き続きアップデートを追いかけたいと思う。