ピンポイントな回答も
AIに「音の良いイヤホン」「映像が凄い映画」を聞いたら意外な回答が返ってきた
2022年に大きなムーブメントを巻き起こしたのが、機械学習や深層学習を駆使した画像生成AIだ。当サイトでも「めちゃくちゃ音質の良いオーディオシステム」を描いてもらったり、お絵描きAIに「オーディオの知識」を検証してもらったりと、飛躍目覚ましいAIの進歩を皆様にお伝えしてきた。
そして11月末には、設立者の一人としてイーロン・マスクも名を連ねる研究団体OpenAIが、GPT-3という大規模な言語モデルを組み込んだチャットアプリケーションサービス「ChatGPT」を提供開始した。これは人間の入力した言語を理解し、それに応じた回答を行うといったものだ。
OpenAIは無料で使用でき(記事執筆時点)、デフォルトで日本語に対応することから、真に迫ったものから頓狂なものまで、人間とAIのやり取りを収めた模様を見たという方も多いだろう。
そこで今回、これまでお絵かきAIに様々な問いを投げ掛けたように、ChatGPTを用いてAIにオーディオ&ビジュアルの知識がどれほど備わっているかをチェックしたい。
◇
まずは小手調べとして、AIの思う「音質の良いイヤホン」について訊いてみたい。ストレートに「音質の良いイヤホンを教えてください」と、問いかけてみたところ、しばらく待つとこんな回答が寄せられた。
自分も思い当たるフシがあるのだが、ChatGPTくんは相手の反応を待たずに知識を並べる語り口で詰めてくるタイプか。テンションが上がって話が長くなったのか、ログの入力制限か何かで強制終了させられている。
回答の内容については、プラナードライバーのことを言いたいのかもしれないがBAっぽい説明だったり、「ん?」と思うところもあるのだが、伝えたい方向性は的外れということでもない。技術的なポイントから音の良さを追求したいタイプなのかもしれない。
そこで、質問の振り方をやや変えて「音の良いイヤホンを教えて」とフランクな口調で尋ねてみた。距離を詰めることで、より具体に迫ってみようという作戦だ。果たしてAIの反応は…。
本当に出てきた。細かいことを言えばイヤホンでなく、両モデルともヘッドホンに当たるのだが、AIに音の良いアイテムを紹介された瞬間である。どういったアルゴリズムでこの2機種を選んだかは不明だが、製品名をはっきり提示しつつ、相手を気遣うワードまで最後に絡めてくるコミュニケーション巧者ぶりまで発揮している。AIの進歩は本当に目覚ましい。
どんどん行ってみよう。お次はビジュアル面から、「画質の良い映画ソフトを教えてください」と投げてみる。ちなみに試聴取材の場では、『フォードvsフェラーリ』や『ボヘミアン・ラプソディ』、『DUNE/デューン 砂の惑星』『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』などを目にする機会が多い。AIはどのようなタイトルを挙げるのか…。
上記の回答である。映像フォーマットから攻めるあたり、やはりChatGPTのアルゴリズムは、ある程度技術面を尊重した回答を用意する傾向にあるようだ。プレーヤーにAV機器ではなくPC用の映像再生ソフトを持ち出してくるのはどこをソースに学習したのだろうか。
やはり、ここも具体的なタイトルを期待していたので、質問内容をより分かりやすく「映像が凄い映画タイトルを教えてください」と、“ソフト” を外して訊いてみることに。「そもそも家で映画を見るのはナンセンス」とか思想が強いことを言われたらどうしよう…などと思いながら投げ掛けてみると、複数本のタイトルが挙がった。
見事にブロックバスター系タイトルを並べるAI…! このチョイスの清々しさには好感を覚える。2015年公開の『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』以外の「アベンジャーズシリーズ」を漏れなく入れているあたり、MCUにデカい感情、いやアルゴリズムを備えているのかもしれない。「私はどれもとても面白かったです。」と言い切っているので、AIがなにかしらの方法で実際に作品を見ているまで考えられる。SF映画の世界か。
最後に、家で音楽を聴く際の環境構築について訊いてみた。これまでの回答の傾向を踏まえると、問いをシンプルにすればいい感じの回答を導き出してくれるようだ。そこでストレートに「家で音の良いリスニング環境を構築する方法」と投げ掛けてみた。
ある意味無難といえば無難な回答なのだが、吸音材などオーディオアクセサリーの分野にまで踏み込んだコメントをしてくるあたり、期待以上とも言える。むしろ、この具体的ではないがヒントを出すような回答は「はじめから答えを知っても面白くないだろう、試行錯誤するのがオーディオの楽しみだ」ということを言いたいのかもしれない。
◇
今回AIから得られた回答は、いずれも「差し障りのないもの」というのが正直な感想。しかし、大前提として日本語でここまで自由度の高いやり取りができていることがすごいし、そこまで的外れな回答が特になかったことに驚きを隠せない。お絵かきAIでは指示テキストの工夫でイラストの精度を高められるというが、ChatGPTでも質問の仕方によってさらに予想を上回る回答が得られる可能性もある。
2022年は、AIを介した技術を気軽に触れられるようになった1年であったとも言える。2023年はどういった技術が登場するのだろうか、今後も様々な観点で検証を進めていきたい。
そして11月末には、設立者の一人としてイーロン・マスクも名を連ねる研究団体OpenAIが、GPT-3という大規模な言語モデルを組み込んだチャットアプリケーションサービス「ChatGPT」を提供開始した。これは人間の入力した言語を理解し、それに応じた回答を行うといったものだ。
OpenAIは無料で使用でき(記事執筆時点)、デフォルトで日本語に対応することから、真に迫ったものから頓狂なものまで、人間とAIのやり取りを収めた模様を見たという方も多いだろう。
そこで今回、これまでお絵かきAIに様々な問いを投げ掛けたように、ChatGPTを用いてAIにオーディオ&ビジュアルの知識がどれほど備わっているかをチェックしたい。
まずは小手調べとして、AIの思う「音質の良いイヤホン」について訊いてみたい。ストレートに「音質の良いイヤホンを教えてください」と、問いかけてみたところ、しばらく待つとこんな回答が寄せられた。
ダイナミック型イヤホン: 大多数のイヤホンはこのタイプで、基本的なデザインがされています。低価格でありながら、比較的高音質を実現できるため、人気があります。
バランスド・アーマチュア・ドライバー(BAD)型イヤホン: 小型のダイバージェント型(複数の振動子を使用する)ドライバーを採用し、高品質な音質を実現しています。高価格帯であるため、オーディオマニアに人気です。
アクティブ・ノイズキャンセリング(ANC)型イヤホン: 周囲の雑音を検知し、それに対して反対の振動を作り出すことで、周囲の雑音をカットする機能を持ったイヤホンです。旅行や公共の場所での使用など、外界からの騒音を軽減する必要がある場合に便利です。
プランアーマチュア・ドライバー(PAD)型イヤホン: 小型のドライバーを採用し、コンパクトで軽量でありながら、高音質を実現するイヤホンです。スマートフォンやタブレットなどの携帯型デバイスでの使用を想定しているため、コンパクトで持ち運びしやすいです。
上記のように、音質の良いイヤホンはさまざまなタイプがありますので、ご自身に合ったものを選んでみてはいかがでしょうか。また、各種イヤホンの音質や
バランスド・アーマチュア・ドライバー(BAD)型イヤホン: 小型のダイバージェント型(複数の振動子を使用する)ドライバーを採用し、高品質な音質を実現しています。高価格帯であるため、オーディオマニアに人気です。
アクティブ・ノイズキャンセリング(ANC)型イヤホン: 周囲の雑音を検知し、それに対して反対の振動を作り出すことで、周囲の雑音をカットする機能を持ったイヤホンです。旅行や公共の場所での使用など、外界からの騒音を軽減する必要がある場合に便利です。
プランアーマチュア・ドライバー(PAD)型イヤホン: 小型のドライバーを採用し、コンパクトで軽量でありながら、高音質を実現するイヤホンです。スマートフォンやタブレットなどの携帯型デバイスでの使用を想定しているため、コンパクトで持ち運びしやすいです。
上記のように、音質の良いイヤホンはさまざまなタイプがありますので、ご自身に合ったものを選んでみてはいかがでしょうか。また、各種イヤホンの音質や
自分も思い当たるフシがあるのだが、ChatGPTくんは相手の反応を待たずに知識を並べる語り口で詰めてくるタイプか。テンションが上がって話が長くなったのか、ログの入力制限か何かで強制終了させられている。
回答の内容については、プラナードライバーのことを言いたいのかもしれないがBAっぽい説明だったり、「ん?」と思うところもあるのだが、伝えたい方向性は的外れということでもない。技術的なポイントから音の良さを追求したいタイプなのかもしれない。
そこで、質問の振り方をやや変えて「音の良いイヤホンを教えて」とフランクな口調で尋ねてみた。距離を詰めることで、より具体に迫ってみようという作戦だ。果たしてAIの反応は…。
私は、音質が良いとされているイヤホンとして、Sennheiser HD 660 SやAudio-Technica ATH-M50xなどが挙げられます。また、人によって好みが異なるため、自分の好みに合ったイヤホンを選ぶことが大切です。お買い求めの際は、自分の好みや使用目的に合わせて選びましょう
本当に出てきた。細かいことを言えばイヤホンでなく、両モデルともヘッドホンに当たるのだが、AIに音の良いアイテムを紹介された瞬間である。どういったアルゴリズムでこの2機種を選んだかは不明だが、製品名をはっきり提示しつつ、相手を気遣うワードまで最後に絡めてくるコミュニケーション巧者ぶりまで発揮している。AIの進歩は本当に目覚ましい。
どんどん行ってみよう。お次はビジュアル面から、「画質の良い映画ソフトを教えてください」と投げてみる。ちなみに試聴取材の場では、『フォードvsフェラーリ』や『ボヘミアン・ラプソディ』、『DUNE/デューン 砂の惑星』『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』などを目にする機会が多い。AIはどのようなタイトルを挙げるのか…。
画質の良い映画ソフトはたくさんあります。たとえば、「Blu-ray」や「4K UHD」といったフォーマットで撮影された映画を再生するためのソフトウェアが良いでしょう。また、映画を観るのに最適なプレーヤーとして、「VLC media player」や「Kodi」などのオープンソースのプレーヤーもおすすめです。
上記の回答である。映像フォーマットから攻めるあたり、やはりChatGPTのアルゴリズムは、ある程度技術面を尊重した回答を用意する傾向にあるようだ。プレーヤーにAV機器ではなくPC用の映像再生ソフトを持ち出してくるのはどこをソースに学習したのだろうか。
やはり、ここも具体的なタイトルを期待していたので、質問内容をより分かりやすく「映像が凄い映画タイトルを教えてください」と、“ソフト” を外して訊いてみることに。「そもそも家で映画を見るのはナンセンス」とか思想が強いことを言われたらどうしよう…などと思いながら投げ掛けてみると、複数本のタイトルが挙がった。
「インセプション」(2010年)
「アベンジャーズ」(2012年)
「インターステラー」(2014年)
「トランスフォーマー:ロストエイジ」(2014年)
「スター・ウォーズ:フォースの覚醒」(2015年)
「ブレードランナー 2049」(2017年)
「シェイプ・オブ・ウォーター」(2017年)
「インフィニティ・ウォー」(2018年)
「アベンジャーズ:エンドゲーム」(2019年)
これらはすべて視覚効果が素晴らしく、見ることをお勧めします。 お好みのジャンルによって、お気に入りの映画が異なりますが、私はどれもとても面白かったです。
「アベンジャーズ」(2012年)
「インターステラー」(2014年)
「トランスフォーマー:ロストエイジ」(2014年)
「スター・ウォーズ:フォースの覚醒」(2015年)
「ブレードランナー 2049」(2017年)
「シェイプ・オブ・ウォーター」(2017年)
「インフィニティ・ウォー」(2018年)
「アベンジャーズ:エンドゲーム」(2019年)
これらはすべて視覚効果が素晴らしく、見ることをお勧めします。 お好みのジャンルによって、お気に入りの映画が異なりますが、私はどれもとても面白かったです。
見事にブロックバスター系タイトルを並べるAI…! このチョイスの清々しさには好感を覚える。2015年公開の『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』以外の「アベンジャーズシリーズ」を漏れなく入れているあたり、MCUにデカい感情、いやアルゴリズムを備えているのかもしれない。「私はどれもとても面白かったです。」と言い切っているので、AIがなにかしらの方法で実際に作品を見ているまで考えられる。SF映画の世界か。
最後に、家で音楽を聴く際の環境構築について訊いてみた。これまでの回答の傾向を踏まえると、問いをシンプルにすればいい感じの回答を導き出してくれるようだ。そこでストレートに「家で音の良いリスニング環境を構築する方法」と投げ掛けてみた。
家で音の良いリスニング環境を構築するには、まずは部屋の形状や大きさ、家具の配置などに合わせて適切なスピーカーやサブウーファーを選びます。また、部屋内の音響材料やカーペット、カーテンなどの吸音材も適切に配置することで、音が拡散しないようにします。また、部屋内の温度や湿度も適切なレベルに保つことで、音の品質を向上させることができます。その上で、適切な音量で音楽を聴くことも重要です。過剰な音量で音楽を聴くと、音の精細さが失われてしまうため、音質が劣化します。
ある意味無難といえば無難な回答なのだが、吸音材などオーディオアクセサリーの分野にまで踏み込んだコメントをしてくるあたり、期待以上とも言える。むしろ、この具体的ではないがヒントを出すような回答は「はじめから答えを知っても面白くないだろう、試行錯誤するのがオーディオの楽しみだ」ということを言いたいのかもしれない。
今回AIから得られた回答は、いずれも「差し障りのないもの」というのが正直な感想。しかし、大前提として日本語でここまで自由度の高いやり取りができていることがすごいし、そこまで的外れな回答が特になかったことに驚きを隠せない。お絵かきAIでは指示テキストの工夫でイラストの精度を高められるというが、ChatGPTでも質問の仕方によってさらに予想を上回る回答が得られる可能性もある。
2022年は、AIを介した技術を気軽に触れられるようになった1年であったとも言える。2023年はどういった技術が登場するのだろうか、今後も様々な観点で検証を進めていきたい。