わずかな傾きが要因かも
テレビの「画面だけ」が落下、なぜ? 避けるためにできることは
先日、SNSで「テレビの画面だけ落ちてきた」という話題が注目を集めていた。それはまさに言葉通り、テレビの「画面(パネル)」だけが外れて落下している、という状態だ。テレビごと落下したのではなく画面だけ、なぜそんなことが起きたのだろうか?
この事態にあったのは狭額ベゼルの液晶テレビのようだ。ベゼルというのはテレビの画面を囲っている枠部分を指しており、スマートフォンなどでも「ベゼルレス」のモデルなどで名前を聞く。パソコン用モニターなどでは、2台のモニターを並べて使用した際に狭額ベゼルであればその境目をわかりにくくできるメリットがあるが、テレビにおいてはベゼルの存在をなくし、画面に集中できるようにすることで没入感を高める、といったメリットが謳われている。
そんな理由もあって狭額ベゼルのテレビは人気だが、このベゼルは画面やパネルを外れないよう、また割れたりしないように保護する役割も担っている。以前は、テレビのベゼルに幅広いものが採用されていたが、近年の技術進化により非常に幅が狭い、いわゆる狭額ベゼルを採用したテレビが増加している。しかし、併せて大型化も進むなか、狭額ベゼルと大画面の両立は、より高い技術力が求められる。液晶テレビのパネル部を固定方法には、主に接着剤や両面テープを用いてバックライト部に貼り付けているケースが多い。
実はこれに関連して、あまり周知されていない使い方の注意がある。それが「テレビは下向きに傾けて設置してはいけない」というものだ。
たとえばTVS REGZAの4K液晶テレビ「65Z970M/75Z970M/85Z970M」の取扱説明書を見ると、「壁に取り付けて使用する場合には、垂直な壁面に取り付け角度0°で設置する」ことが『指示(必ずすること)』の項目として記載されている。また壁に取り付けて使用する場合には、「取付金具で傾けた設置はしない」「傾斜した壁面へは設置しない」ことを『禁止(してはいけないこと)』の項目として明記している。
ともにテレビが落下して、テレビの破損だけでなく、けがや床などが損傷する原因となるとして、危険な行いであることが記されている。
ソニーも壁掛けユニットの取付方法の説明にあたり、「テレビを床に垂直に取り付けて固定する」よう指示。ここでも「テレビを傾けた状態で取り付けると、テレビが落下して、けがや破損の原因」となると注意している。
また液晶モニターを揃えるEIZOでは、同社のフレームレス液晶モニターについて、標準スタンド以外を用いて天吊り/壁掛けなどにより下向きで設置している場合に、モニターの表面パネルが剥離する事例を確認しているとして、使用状態を点検するよう注意喚起を行っている。
モニターの表面パネルが剥がれる要因としては、「モニターの表面パネルは、ポリウレタンを中間層とする両面テープにてバックライトユニットに固定されています。この両面テープのポリウレタンが、温度・湿度条件に加え、空気中の化学物質成分との複合的な反応によって劣化した場合に、モニターの下向き設置による表面パネル自身の重さによって、徐々に時間をかけて剥がれに至るものと推定」しているとのこと。また同社では、対象製品について「下向き5度から45度で設置される場合は、剥がれ防止ガイドを取付けた場合のみ」製品保証の対象になるとしている。
ほかにも、レノボは液晶モニターの設置にあたり、「フレキシブルアームを使用する場合は、モニターを5度以上 下に傾けないでください」と注意書きしている。思いっきり角度がつけば見た目にも危なく感じるが、それだけではなく5°というわずかな傾きでも危険があるというわけだ。
画面が剥がれているかどうかの点検方法として、EIZOでは、画面を表示させた状態で、モニターの側面部分を確認した際に、モニターの表面パネルとモニター本体の隙間から光が漏れていないかをチェックする方法をアナウンスしている。テレビでも同様に、側面から見ると光が漏れており交換・修理になったというケースが見つかった。
ソニーにテレビの設置に対して問い合わせたところ、「テレビの設置につきましてはお客様にはソニーが推奨したキャビネット、またはスタンド、または取付手段を使用し、平らで十分に強度が安定しているテレビ台や床などに垂直に取り付けて固定することをお願いしております」とのことだった。
また、「壁に取り付ける場合につきましては、必ず専用の壁掛けユニットを使用し専門の業者に取り付けていただく事をお願いしております」、そして「テレビの下向きなどの設置といった推奨以外の設置方法は大変危険です」との回答が得られた。
画面だけが落ちるかどうかのみならず、それこそテレビごと落下したりするような様々な危険性があることから、安全を考慮した設置が必要ということだろう。
下向きに傾けた設置は危険性が高いようだが、液晶か有機ELかの方式を問わず、メーカーが推奨していない設置方法はいずれも何らかのトラブルが起きかねない。またトラブルが起きてしまっても保証の有無に関わってしまう可能性も出てくる。自宅のテレビの設置方法は大丈夫か、一度確認してみてほしい。
この事態にあったのは狭額ベゼルの液晶テレビのようだ。ベゼルというのはテレビの画面を囲っている枠部分を指しており、スマートフォンなどでも「ベゼルレス」のモデルなどで名前を聞く。パソコン用モニターなどでは、2台のモニターを並べて使用した際に狭額ベゼルであればその境目をわかりにくくできるメリットがあるが、テレビにおいてはベゼルの存在をなくし、画面に集中できるようにすることで没入感を高める、といったメリットが謳われている。
そんな理由もあって狭額ベゼルのテレビは人気だが、このベゼルは画面やパネルを外れないよう、また割れたりしないように保護する役割も担っている。以前は、テレビのベゼルに幅広いものが採用されていたが、近年の技術進化により非常に幅が狭い、いわゆる狭額ベゼルを採用したテレビが増加している。しかし、併せて大型化も進むなか、狭額ベゼルと大画面の両立は、より高い技術力が求められる。液晶テレビのパネル部を固定方法には、主に接着剤や両面テープを用いてバックライト部に貼り付けているケースが多い。
実はこれに関連して、あまり周知されていない使い方の注意がある。それが「テレビは下向きに傾けて設置してはいけない」というものだ。
たとえばTVS REGZAの4K液晶テレビ「65Z970M/75Z970M/85Z970M」の取扱説明書を見ると、「壁に取り付けて使用する場合には、垂直な壁面に取り付け角度0°で設置する」ことが『指示(必ずすること)』の項目として記載されている。また壁に取り付けて使用する場合には、「取付金具で傾けた設置はしない」「傾斜した壁面へは設置しない」ことを『禁止(してはいけないこと)』の項目として明記している。
ともにテレビが落下して、テレビの破損だけでなく、けがや床などが損傷する原因となるとして、危険な行いであることが記されている。
ソニーも壁掛けユニットの取付方法の説明にあたり、「テレビを床に垂直に取り付けて固定する」よう指示。ここでも「テレビを傾けた状態で取り付けると、テレビが落下して、けがや破損の原因」となると注意している。
また液晶モニターを揃えるEIZOでは、同社のフレームレス液晶モニターについて、標準スタンド以外を用いて天吊り/壁掛けなどにより下向きで設置している場合に、モニターの表面パネルが剥離する事例を確認しているとして、使用状態を点検するよう注意喚起を行っている。
モニターの表面パネルが剥がれる要因としては、「モニターの表面パネルは、ポリウレタンを中間層とする両面テープにてバックライトユニットに固定されています。この両面テープのポリウレタンが、温度・湿度条件に加え、空気中の化学物質成分との複合的な反応によって劣化した場合に、モニターの下向き設置による表面パネル自身の重さによって、徐々に時間をかけて剥がれに至るものと推定」しているとのこと。また同社では、対象製品について「下向き5度から45度で設置される場合は、剥がれ防止ガイドを取付けた場合のみ」製品保証の対象になるとしている。
ほかにも、レノボは液晶モニターの設置にあたり、「フレキシブルアームを使用する場合は、モニターを5度以上 下に傾けないでください」と注意書きしている。思いっきり角度がつけば見た目にも危なく感じるが、それだけではなく5°というわずかな傾きでも危険があるというわけだ。
画面が剥がれているかどうかの点検方法として、EIZOでは、画面を表示させた状態で、モニターの側面部分を確認した際に、モニターの表面パネルとモニター本体の隙間から光が漏れていないかをチェックする方法をアナウンスしている。テレビでも同様に、側面から見ると光が漏れており交換・修理になったというケースが見つかった。
ソニーにテレビの設置に対して問い合わせたところ、「テレビの設置につきましてはお客様にはソニーが推奨したキャビネット、またはスタンド、または取付手段を使用し、平らで十分に強度が安定しているテレビ台や床などに垂直に取り付けて固定することをお願いしております」とのことだった。
また、「壁に取り付ける場合につきましては、必ず専用の壁掛けユニットを使用し専門の業者に取り付けていただく事をお願いしております」、そして「テレビの下向きなどの設置といった推奨以外の設置方法は大変危険です」との回答が得られた。
画面だけが落ちるかどうかのみならず、それこそテレビごと落下したりするような様々な危険性があることから、安全を考慮した設置が必要ということだろう。
下向きに傾けた設置は危険性が高いようだが、液晶か有機ELかの方式を問わず、メーカーが推奨していない設置方法はいずれも何らかのトラブルが起きかねない。またトラブルが起きてしまっても保証の有無に関わってしまう可能性も出てくる。自宅のテレビの設置方法は大丈夫か、一度確認してみてほしい。