【第81回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ
『半沢直樹』の二人が共演!“売れない役者”と“殺し屋”の人生が入れ替わる痛快コメディ
サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2013年公開の『鍵泥棒のメソッド』をご紹介します!
◇
『鍵泥棒のメソッド』(2012年・日本)
(配信:U-NEXT / Hulu)
カンヌ国際映画祭で4冠を受賞した『運命じゃない人』、観客動員数350万人突破の大ヒットを記録した『アフタースクール』など、先の読めない展開や巧みな伏線がもたらすどんでん返し劇に定評がある内田けんじ監督作。
35歳の売れない役者・桜井(堺雅人)は、羽振りのいい男・コンドウ(香川照之)が銭湯で足を滑らせ記憶を失う現場に遭遇する。出来心からロッカーの鍵をすり替えコンドウになりすます桜井であったが、コンドウの正体は誰もその顔を見たことがないという伝説の殺し屋であった。一方、自分を桜井だと思い込んでしまったコンドウは、婚活中の女性編集長・香苗(広末涼子)と出会い恋仲になっていくのだが…。
所謂ダメ人間な役どころである桜井を愛嬌たっぷりに演じる堺と、記憶を失い別の人間の人生を歩む殺し屋が恋をするという幾重にもレイヤーが重ねられたコンドウを演じる香川。その関係性は『半沢直樹』の半沢と大和田とは大きく異なるが、二人の俳優の抜きん出た演技力を目の当たりにできるという意味では大差ない。基本的には気軽に観られるコメディ作品であるが、入れ替わった二人の姿を通し、どんなに悲惨に思える状況だとしても、どんなに至福に思える状況だとしても、向き合う姿勢ひとつで状況(人生)は一変するのだということをも示してくれる良作です。
(C) 2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。
『鍵泥棒のメソッド』(2012年・日本)
(配信:U-NEXT / Hulu)
カンヌ国際映画祭で4冠を受賞した『運命じゃない人』、観客動員数350万人突破の大ヒットを記録した『アフタースクール』など、先の読めない展開や巧みな伏線がもたらすどんでん返し劇に定評がある内田けんじ監督作。
35歳の売れない役者・桜井(堺雅人)は、羽振りのいい男・コンドウ(香川照之)が銭湯で足を滑らせ記憶を失う現場に遭遇する。出来心からロッカーの鍵をすり替えコンドウになりすます桜井であったが、コンドウの正体は誰もその顔を見たことがないという伝説の殺し屋であった。一方、自分を桜井だと思い込んでしまったコンドウは、婚活中の女性編集長・香苗(広末涼子)と出会い恋仲になっていくのだが…。
所謂ダメ人間な役どころである桜井を愛嬌たっぷりに演じる堺と、記憶を失い別の人間の人生を歩む殺し屋が恋をするという幾重にもレイヤーが重ねられたコンドウを演じる香川。その関係性は『半沢直樹』の半沢と大和田とは大きく異なるが、二人の俳優の抜きん出た演技力を目の当たりにできるという意味では大差ない。基本的には気軽に観られるコメディ作品であるが、入れ替わった二人の姿を通し、どんなに悲惨に思える状況だとしても、どんなに至福に思える状況だとしても、向き合う姿勢ひとつで状況(人生)は一変するのだということをも示してくれる良作です。
(C) 2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。
ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。 |