製品批評

Vol.
毎週水曜更新 2004年11月3日号(10/27発行)

オーディオファンに捧げる高品位ユニバーサル機

文/斎藤宏嗣プロフィール

製品名

音楽再現性を極限まで突き詰めた高品位モデル

製品画像

本機の背面パネル

[製品の特徴]
本機では正確無比なディスクトレースを目的に高剛性メカサポートブロックが新規開発された。これによりディスク回転時のメカ内部の空気の流れまでもがコントロールされ、制振性能が高められている。

同社は基板パターンを保護するレジストの誘電成分がオーディオ信号に悪影響を与えることに着目し、本機にレジスト被覆を完全に廃したピールコート金メッキ極厚基板を新たに採用した。

筐体の底板はボックス形状のスチールケースにエポキシ材を充填し、銅板を組み合わせたコンボフレックス構造を採用。同社の調音ボード「AB-1」で採用された複合素材の共振特性を個々にコントロールする方式を採り、有害な振動を排除しながら音楽に必要な響きのみを適度に残している。

フルエンシーDACの「FN1242」をデュアル構成で実装。シャノンDACのCS4392もパラレル実装し、両方式を切り替えて音色の違いを楽しめる。映像系には216MHz/14bitのビデオDACを採用。CDやDVDの16bitデータをDVDオーディオ相当の24bitに再量子化するハイビット機能を搭載するほか、ビデオOFFスイッチによりビデオ回路への電源を遮断することができるオーディオ専用モードが備わる。

RCA出力には新たに設計された銅と同等の接触抵抗値と真鍮の硬度を併せ持つ、新素材カッパーアロイ製端子を採用。ACインレットも新規に開発し、無垢の真鍮端子部に非磁性ニッケル処理と金メッキを施し、電源ケーブルを確実にサポートする強度と優れた接触抵抗値を実現している。ほかにもフラグシップモデルならではの、高品位な音楽再生を実現する機能やパーツが各所において採用された。

[視聴レポート]
再生音の総合的な印象は、広々としたワイドレンジで高密度なフラットバランスである。CD/DVDオーディオ再生において、2系統の復調系の雰囲気の違いは圧巻。SACDはプレーンで色付けなく、DVDビデオの圧縮系も自然だ。(斎藤宏嗣)

<この製品の詳細は「AVレビュー10月号」にも掲載されています>

スペック

【SPEC】●再生可能ディスク:DVD オーディオ、DVD ビデオ、SACD( マルチチャンネル、ステレオ ) 、CD、ビデオ CD、CD-R、MP3 ファイル ●周波数特性:4Hz 〜 45KHz (DVDオーディオ、 SACD) 、 4Hz 〜 20KHz (CD) ●全高調波歪率:0.001% (DVD オーディオ、 CD) 、 0.002% (SACD) ●ダイナミックレンジ:115dB (DVD オーディオ、 SACD) 、 106dB (CD) ●S/N比:125dB ●アナログオーディオ出力:2ch×1、5.1ch×1 ●デジタルオーディオ出力:光1、同軸1 ●ビデオ出力 :D2端子1、RCA色差1、 S2端子2、ビデオ2 ●消費電力:21W ( 待機時 0.3W) ●外形寸法:467W×148H×399Dmm ●質量:21.0kg ●問い合わせ先:ラックスマン(株) TEL/045-470-6991

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