製品批評

Vol.470
毎週水曜更新 2012年2月1日号(1/25発行)

A5サイズに小型化した同社DAC機器の第2弾

文/大橋伸太郎プロフィール

製品名

音の厚みや切れ味があり幅広いジャンルに好適

製品画像

背面端子部

「DA-200」の機能を一部簡略化しA5サイズにした弟機。USB入力は96kHz/24bitまで。光/同軸デジタル入力(192kHz/24bit)とデジタル信号をスルー出力するD/Dコンバーター機能も持つ。

搭載DACはバー・ブラウン「PCM5102」。ヘッドホンアンプも搭載。特徴として、FIR/IIRの2種のデジタルフィルターを切り替えて再生することが可能だ。

無色透明、ニュートラルそのもののDA-200に比べ、音作りが感じられる。オーディオ・オリエンテッドでなく対象ユーザーの視野を広げ、音の厚み、切れ味、力強さを狙っている。

交響曲は上級起動用に、色づきと強調のないバランスの整った再生。低弦にアコースティックな量感を伴った響きが陰のように寄り添う。ピアノ曲は帯域バランスが整い、響きにも色付きがなく自然で澄明な倍音表現である。歪みに起因するカラレーションもなく、取材で使用したエラックのスピーカー「FS247」の暗い艶のある美声が伸び伸びと自然に現れる。

女性ボーカルは弦の雑味の少ない清澄なサウンドでフォルテシモでの発生でも響きの揺れのない安定した再生。ロックはカラレーションの少ない透明で自然な再生。パーカッションやベースの切れはタイト、低域も厚く太いビートを刻み量感豊かだが、音の解像感と空間描写があと一歩。シンセなどで描く、音の断片のマッスの豊かな実現表現は面白い。

デジタルフィルター切替はdF1(FIR)の方が量感があってアグレッシブ、dF2(IIR)で音場が拡張され立体感も増す。

この製品の情報は「AVレビュー」2012年1月号にも掲載されています

スペック

【SPEC】●対応サンプリング周波数:同軸/光入力→32/44.1/48/88.2/96/176.4/192kHz USB入力→ 32/44.1/48/96kHz ※各16〜24bit 2ch PCM●デジタル入力:USB(B型)、同軸、光 ●デジタル出力:同軸、光●アナログ出力:RCAアンバランス1系統(18mmピッチ)、ヘッドフォン1系統 ●ライン出力電圧/インピーダンス:2.1V/300Ω ●ヘッドフォン出力:130mW+130mW(600Ω)、80mW+80mW(32Ω), 40mW+40mW(16Ω) ●周波数特性:2Hz〜60kHz(+0,-3.0dB) ●全高調波歪率、S/N比:0.004%、112dB ●消費電力:7W(電気用品安全法) ●外形寸法:149W×70H×232Dmm ●質量:2.3Kg

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