優秀録音ハイレゾ音源レビュー

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Metallica

Metallica ロック FLAC
48kHz/24bit
レーベル:Virgin EMI 配信サイト:e-onkyo music

■高橋 敦レビュー
このいわゆる“BLACK ALBUM”とそこからの先月に紹介させていただいた次作『Load』という流れが1990年代のHR/HMシーンに与えた影響は甚大。「ヘヴィ」や「ラウド」の新基準を確立した二作と言っても大袈裟ではないだろう。直接的な影響を受けたバンドや作品が多数あることはもちろん、メタリカとは別の新しいサウンドを模索することで画期的なオリジナルスタイルを生み出した例もあることだろうと思う。そうして生まれてきたのが現在の様々なヘヴィ&ラウドだ。であるのでそういったサウンドを好む方には、教養や必修としてという言い方をしてしまうとつまらなく思えるかもしれないが、ぜひとも聴いておいてほしい作品。この作品だけを聴いても当時の衝撃はわかりにくいかもだが、前作『...And Justice for All』もチェックし、そこからのこれ!という流れを見てもらうとわかりやすいかと思う。さてメタリカの音作りにおいては、当時の印象として「ベースが聴こえにくい……」と感じていたファンの方もいらっしゃるかと思う。しかし本作については、改めて学生時代のイヤホンやラジカセではなく現在の社会人の経済力によるイヤホンやスピーカーで聴き返してみるとその印象も変わるかもしれない。本作のベースはフレーズの音域としても音色の帯域としてもぐっと沈んだポジションに置かれているのだ。これはあの頃の普通のイヤホンでは再生しきれない……低域の太さというよりも深さ、ぐっと低い帯域までをクリアに届けてくれる低域背再生能力を備えたシステムで聴いてみてほしい。
(FLAC 48/24にて試聴)

総合点 9.1
低域の伸び9.2点 高域の伸び9.1点 セパレーション9.1点 ディテール9.1点 透明感9.1点 空気感9.1点 質感9.2点 静寂感9.2点 残響 奥行き 音像 アタック