優秀録音ハイレゾ音源レビュー

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Moonrise

降幡愛 ポップス FLAC WAV
48kHz/24bit
レーベル:Purple One Star 配信サイト:e-onkyo music

■高橋 敦レビュー
80'sっぽいサウンドに憧れる若い世代による80'sっぽいサウンド!とかいうレベルではない。「っぽい」ではなく「そのもの」なサウンドだ。予備知識なく聴かされたなら「っていうかこれ80年代の作品でしょ?それにしては今っぽいレコーディングクオリティだけど」みたく感じる方も多いのではないだろうか。「降幡愛26歳。今、80年代を生きる女」みたいなキャッチコピーが浮かんでしまうデビューミニアルバム。本間昭光氏をプロデューサーに迎え、彼女自ら歌詞付きの企画書で世界観を提案し、80年代リアルタイムの制作陣がそれに音を与えたという、その結果がこの「こいつら、やりやがった!」的な80年代そのものサウンドということのようだ。キラキラしたサウンドとドロドロした歌詞のコントラストの鮮やかさ、歌声そのものの80年代感など聴きどころは盛りだくさん。また例えば「ラブソングをかけて」を聴いて僕は「このタイトルでこのサウンドは『うる星やつら』へのオマージュ?」と感じたがそれはどうやらその通りらしかったり、それぞれの曲に元ネタというかルーツ、イメージサンプル的な80's曲があるようだ。他の曲も聴いてみればそれぞれの頭の中に「あの曲っぽいな」みたいな80年代曲が浮かぶのではないだろうか。それが正解だろうがそうではなかろうが、「聴いたら80'sソングが思い浮かぶ」時点で彼女たちの勝利と言えるだろう。ハイファイなシステムで聴けば現代的なクリアさも楽しめるし、逆に360度サウンド系Bluetoothスピーカーとかのモノラル環境で聴いたりしても本質的な部分は揺るがない。コンセプトもそれを形にしたサウンドも極めて強固な作品だ。
(FLAC 48/24にて試聴)

総合点 9.2
低域の伸び9.1点 高域の伸び9.1点 セパレーション9.1点 ディテール9.1点 透明感9.2点 空気感9.1点 質感9.1点 静寂感9.2点 残響 奥行き 音像 アタック