優秀録音ハイレゾ音源レビュー

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green diary

中島愛 ポップス FLAC WAV
48kHz/24bit
レーベル:FlyingDog 配信サイト:e-onkyo music

■高橋 敦レビュー
中島愛さん5thアルバム。4thからカバー、ベスト、キャラソンベストを挟んで、久々のオリジナルスタジオアルバムとなる。ご自身で作詞や作曲を行なっているわけではなく、幅広い作家陣による幅広い曲調が展開されるアルバムだが、通して聴き終えると強い「中島愛感」が残る。それは単に歌唱の力や個性の強さだけではなく、どのようなアルバムを作りたいのか、そのためにはどのような曲が必要なのか、ならば誰にどのようなイメージで曲を発注すればよいのか、などなどに強いこだわりによって生み出されたものなのだろう。1曲目「Over & Over」は、イヤホンズ「あたしのなかのものがたり」「記憶」でアニソン界にもその名を響かせた三浦康嗣さんによる楽曲。構造としてはトリッキーなのだが音楽の流れとしては違和感なくナチュラルという、三浦印的な佳曲だ。このような曲をアルバム冒頭に置き、その作家性に乗りつつ、しかし乗せられるのではなく、素晴らしい歌唱で乗りこなす。そういった見事さがアルバム全編に共通している。その1曲「Over & Over」はオーディオ的にも楽しい楽曲だ。音の明瞭度あるいは不明瞭度の作り方、写真に喩えるならソフトフォーカス、絵画に喩えるなら水彩的なニュアンスとでも言えばよいか、そういったところの処理が絶妙で、人の心模様やその記憶の少しぼやけた感じを思い起こさせる。この曲の世界観が音によっても見事に表現されている。
(FLAC 48/24にて試聴)

総合点 9.3
低域の伸び9.3点 高域の伸び9.3点 セパレーション9.3点 ディテール9.3点 透明感9.4点 空気感9.2点 質感9.4点 静寂感9.4点 残響 奥行き 音像 アタック