優秀録音ハイレゾ音源レビュー

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Sittin' In The Trap

Jam Factory その他 FLAC
192kHz/24bit
レーベル:Epic/Legacy 配信サイト:e-onkyo music

■高橋 敦レビュー
1970年から72年という短期間にのみ活動したアメリカのソウルバンドが残した唯一のアルバム作品。その後の足取りとしては、ドラマーのジョー・イングリッシュ氏がポール・マッカートニー氏のバンド、Wingsのヒットアルバム『Venus and Mars』に参加したことが大きなトピックのようだ。なんて予備情報はさておき、この年代らしい自然なミクスチャー感覚が心地よい作品。ソウルやファンク、R&Bからロックへの流れなどが、いい感じに溶け合っているサウンドだ。まさに同じ年代である第2期Jeff Beck Group
『Rough and Ready』『Jeff Beck Group』あたりが好みの方は、こちらも気にいるのではないだろうか。
低域側はサブベース帯域をほとんど含まないようなその当時の音作りではあるが、その他は良好。全体を聴いても個々の音を聴いても物足りなさがないどころか驚きの鮮度感。カッティングでのエッジの出方、アルペジオでのナチュラルなきらめきなど、エレクトリックギターの倍音成分の豊かさには特に耳を奪われる。この年代らしい「モコモコしてるのに」しっかり聴こえてくるベース」も聴きどころだ。演奏、アレンジ、ミックスなどすべての要素で他の楽器とのバランスが優れているのだろう。巧みを感じる。
(FLAC 192/24にて試聴)

総合点 9.3
低域の伸び9.0点 高域の伸び9.3点 セパレーション9.3点 ディテール9.2点 透明感9.2点 空気感9.4点 質感9.3点 静寂感9.2点 残響 奥行き 音像 アタック