優秀録音ハイレゾ音源レビュー

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NEUROMANTIC

高橋幸宏 ポップス FLAC
96kHz/24bit
レーベル:Sony Music Direct (Japan) Inc. 配信サイト:e-onkyo music

■高橋 敦レビュー
1981年、YMO『BGM』の直後に制作された高橋幸宏さんの3rdアルバム。今回は幸宏さんの1980年代前半ソロ作品リイシューシリーズ「ユキヒロ×幸宏 EARLY 80s」の第1弾として、近年関係の深い砂原良徳さんによるリマスタリングでの再登場だ。「NEURON(脳神経)」と「NECROMANCER(死霊使い)」を合成し、響きに「NEW ROMANCE(新しいロマンス)」の意味もかけたというタイトル、邦題『ロマン神経症』も印象的なこちら。サイバーパンクの源流となった小説、ウィリアム・ギブスン氏『Neuromancer(ニューロマンサー)』のタイトルもこれに触発されたものだというから、当時としてもインパクトのあるものだったのだろう。内容としてはギタリスト大村憲司氏の活躍も際立つ。「Glass/ガラス」での演奏は、当時のニューウェイブの流れも受けてのものか、ノイジーな名演だ。土屋昌巳さんあたりのギターが好きな方にもハマりそう。そして新しいマスタリングは、筆者所有の再発CDでのリマスタリングと比べて、リズムのゴツゴツ感を抑えて滑らかにスマートに整えた印象。歌い方でも音作りでも粘り気が出されている本作の、その部分をより引き出してくれている。
(FLAC 96/24にて試聴)

総合点 9.3
低域の伸び9.2点 高域の伸び9.3点 セパレーション9.3点 ディテール9.3点 透明感9.3点 空気感9.2点 質感9.3点 静寂感9.4点 残響 奥行き 音像 アタック