優秀録音ハイレゾ音源レビュー

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Inviolate

Steve Vai ロック FLAC
96kHz/24bit
レーベル:Sony Music Labels Inc. 配信サイト:e-onkyo music

■高橋 敦レビュー
7弦エレクトリック・ギターという楽器はKornによって完全に一般化したと言えるが、ではそのKornが7弦を手にした理由は?そして7弦を手にすることができた理由は?といえば、先んじてスティーヴ・ヴァイさんがそれを使いこなしていて、そのシグネチャー・モデルが量産製品として販売されていたからだ。
というわけでそのヴァイさんのニューアルバムだが、冒頭「Teeth Of The Hydra」で演奏されているのが、アートワークも飾っているニュー・ギター、The Hydra。概要としては「7弦と12弦とベースのトリプルネックで12弦のハイポジとベースの低音弦がフレットレスでMIDI出力できて13弦ハープも付いてるギター」だが、いやこれもうギターの範疇超えてるよ!と思わずにはいられない。スティーヴ・ヴァイはすでに完成されたミュージシャンであり、この作品もそのヴァイらしさに満ち溢れている。しかしだからこそ、その範疇に収まらない新たな可能性の種として、この楽器が必要だったのかもしれない。
ギターを主役として中央にドンと押し出しその周囲でもギターが鳴っているのに暑苦しくならないサウンドも毎度見事。ただこれはミックスよりも、音程、リズム、音色などによる音の配置、つまりアレンジの巧みさによるところが大きいと感じる。であるのでスピーカーで聴いてもイヤホンで聴いても、その印象が大きく変わることはない。オーディオ機器を過大な要求はしないタイプの作品だ。
(FLAC 96/24にて試聴)

総合点 9.2
低域の伸び9.3点 高域の伸び9.2点 セパレーション9.2点 ディテール9.2点 透明感9.2点 空気感9.2点 質感9.2点 静寂感9.3点 残響 奥行き 音像 アタック