優秀録音ハイレゾ音源レビュー

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Apiacere

麻倉もも ポップス FLAC WAV
96kHz/24bit 48kHz/24bit
レーベル:MusicRay'n Inc. 配信サイト:e-onkyo music

■高橋 敦レビュー
麻倉ももさんの3rdアルバム。オープニングが令和3年アニソン大賞声優ソング賞「ピンキーフック」という時点で勝利が約束されているわけだが、そこがピークになってしまうことなく、最後まで様々な魅力でリスナーを魅了し続けてくれるのだから大勝利だ。特に終盤「ふたりシグナル」「ネムイケド」「シロクジチュウム」の流れはインパクト大。「ふたりシグナル」と「ネムイケド」はどちらもシングルのカップリング曲で、その時点では「こんな麻倉もも楽曲もどう?」という新提案的な役割だったように思う。それがアルバムにおいては終盤の大切なポジションを任されるようになり、しかも最後の最後はアルバム中で最も攻めた新曲「シロクジチュウム」だ。この曲順には大きな意味を感じる。
オーディオ的にもその「シロクジチュウム」が大注目。傾向表も特にその曲についてとした。空間オーディオでのミックスを前提に制作されたという楽曲だが、ステレオハイレゾで聴いても音の配置は秀逸。音を重ねて馴染ませるミックスではなく、それぞれの音をはっきりと別の場所に浮かばせるミックスという印象だ。音の動きの表現は空間オーディオではより滑らかだが、それをステレオではどう表現しているのかなど、聴き比べてみるのも面白いだろう。
(FLAC 48/24)

総合点 9.3
低域の伸び9.2点 高域の伸び9.3点 セパレーション9.4点 ディテール9.2点 透明感9.3点 空気感9.2点 質感9.2点 静寂感9.2点 残響 奥行き 音像 アタック