優秀録音ハイレゾ音源レビュー

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マーラー:交響曲第5番

クラウディオ・アバド指揮シカゴ交響楽団 クラシック FLAC
192kHz/24bit
レーベル:DG 配信サイト:KRIPTON HQM STORE

■山之内 正レビュー
アバドがシカゴ響と組んで録音したマーラー交響曲全集のなかでも出色の演奏がハイレゾで登場した。後年ベルリンフィルやルツェルン祝祭管ともマーラーの録音を重ねているが、この1980年の演奏は音楽の勢いや推進力が際立ち、まだ40代後半だったアバドの意欲的なアプローチが浮かび上がる。HQMの音源はFLAC、e-onkyoではDSDを販売しているが、シングルレイヤーのSACDも含め、マスターは共通と思われ、音質の違いを聴き比べる楽しみもある。クリアで見通し我欲、シカゴ響らしい精度の高さを忠実に再現。若干線が細めとはいえ、第4楽章の緻密で澄んだサウンドや第5楽章の溌剌とした勢いのある音はCDと一線を画すものだ。

総合点 9.3
低域の伸び9.3点 高域の伸び9.3点 セパレーション9.4点 ディテール9.4点 透明感9.4点 空気感9.3点 質感9.3点 静寂感9.3点 残響 奥行き 音像 アタック