優秀録音ハイレゾ音源レビュー

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MISIA SOUL JAZZ SESSION

MISIA ジャズ FLAC
96kHz/24bit
レーベル:Sony Music Labels Inc. 配信サイト:e-onkyo music

■高橋 敦レビュー
タイトルに示されている通り、トランペッターの黒田卓也氏を迎えての「SOUL JAZZ」のスタイルでのアルバム。ゲストミュージシャンとして、ラウル・ミドン氏やマーカス・ミラー氏をフューチャーした曲も。個人的には「オルフェンズの涙」が特に印象的だった。こちらは、オリジナルアレンジもソウルやジャズのニュアンスを特に多分に含んでおり、オリジナルからの変化の幅、そこでの驚きが強いわけではない。それでも今回のアレンジは新鮮さだ。オリジナルはストリングスに大きな役割を担わせた壮大なアレンジだったのに対して、こちらはドラムスとベース、ピアノにオルガン、トランペットに歌といったシンプルな編成。よりネイキッドな「オルフェンズの涙」だ。曲の地力がより露わになったわけだが、やっぱり地力からすごかった……と思い知らされた。録音としても文句なし。空間全体の見せ方も好感触だが、ドラムスのパーツひとつひとつ一打一打など、細部の捉え方や見せ方も巧い。ハイハットのタッチニュアンスの抑揚、スネアのデッドな鳴りにスナッピーの金属の響きが乗る様子など、その映像が浮かぶような聴かせっぷりだ。

総合点 9.3
低域の伸び9.3点 高域の伸び9.3点 セパレーション9.2点 ディテール9.3点 透明感9.2点 空気感9.2点 質感9.3点 静寂感9.3点 残響 奥行き 音像 アタック