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レビュー
優秀録音ハイレゾ音源レビュー
TVアニメ『メイドインアビス』オリジナルサウンドトラック
Kevin Penkin その他 無 FLAC WAV96kHz/24bit
レーベル:KADOKAWA 配信サイト:e-onkyo music
■高橋 敦レビュー
アニメ「メイドインアビス」のサウンドトラックであり、もちろんその作品性と深く結びついているのだが同時に、独立した音楽作品としても突出した優秀録音としても大きなインパクトがある。作曲はケビン・ペンキン氏。オーストラリア生まれ、つい2年ほどにロンドンの王立音楽大学を卒業したばかりの青年とのことだ。サウンドトラックであるので2分ほどの曲が50曲ほども収録されているという、他のジャンルではあまりないアルバム構成。その全てが確かに一つの世界観を表現しており、それでいてそれぞれの曲で表現する場面や表現手法が異なる。短い曲ごとに目の前の風景や物語がすっすっと切り替わっていく様には不思議な感慨のようなものを覚えさせる。音楽要素としてはトライバル、プリミティブ、クラシカル、エレクトリックなどなどの要素が連続し、あるいは一つの曲にも自然に混じり合っており、ジャンルに括ることは難しい。プリミティブなリズムとクラシカルな美しさが入り混じる曲には、近い印象を受けたミュージシャンを強いて挙げるならエスビョルン・スヴェンソン・トリオだろうか。僕がESTとの類似性を挙げたときは基本的に高評価であり好評価だと思ってほしい。録音からミキシング、マスタリングまで含めた録音作品としての到達度も驚異的だ。アニメのテレビ放送時においてすでに「……テレビアニメでこのダイナミクス表現は異様なのでは?」というのを醸し出していたが、サウンドトラックとして届けられたこちらのダイナミクス、空間、音域の広さは並みのスピーカーシステムの器には収まらないレベルだ……
(96kHz/24bit FLACで試聴)
総合点
9.4点
低域の伸び9.3点
高域の伸び9.3点
セパレーション9.3点
ディテール9.2点
透明感9.3点
空気感9.3点
質感9.2点
静寂感9.4点
残響
奥行き
音像
アタック