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レビュー
優秀録音ハイレゾ音源レビュー
煌めく浜辺 (アーティスト盤)
大原ゆい子 その他 無 FLAC WAV96kHz/24bit
レーベル:TOHO animation RECORDS 配信サイト:e-onkyo music
■高橋 敦レビュー
表題曲はテレビアニメ「宝石の国」のこちらはエンディング曲。こちらもアーティスト盤は収録曲が多く、ミニアルバムと捉えてよいであろう作品だ。表題曲はTHE BEATNIKSやムーンライダーズでの活動でおなじみ鈴木慶一氏の作詞作曲編曲。ノスタルジックなメロディや音色でありつつ、拠り所のない不安定さやその上での一筋の光明などを感じさせる、実に独特でいてとても「宝石の国」らしいサウンドだ。その曲に対してあえて自分の解釈や感情を乗せず、サウンドのひとつとして声を置いていくことで歌を完成させた大原さんのアプローチも見事。そして以降の曲はシンガーソングライター大原ゆい子の本領発揮。19歳か20歳の頃に書いた曲のリアレンジ「イエスかノーか半分か」は、その年頃のいたずらっぽさを感じさせる曲に大人っぽいジャジーなアレンジが施されたことで、その小悪魔感がさらに増している印象。音質の評価点は自作曲についてとした。際立って特徴的な音作りではないのでわかりにくいかもだが、音作りはどれも高水準。歌を立たせつつそれぞれの楽器の機微も捉えられており、それによって曲全体の表情や個性が強められている。例えば「イエスかノーか半分か」のウッドベースは、ウッドベースらしい響きの膨らみをたっぷり出してジャジーな印象をプッシュしつつ、その膨らみで歌を邪魔することはない。ポップスとしてのバランスが整っている。
(96kHz/24bit FLACで試聴)
総合点
9.1点
低域の伸び9.1点
高域の伸び9.2点
セパレーション9.2点
ディテール9.1点
透明感9.1点
空気感9.2点
質感9.2点
静寂感9.1点
残響
奥行き
音像
アタック