HOME > レビュー > デジタルオーディオ > 優秀録音ハイレゾ音源レビュー
レビュー
優秀録音ハイレゾ音源レビュー
永遠のひとつ
田村ゆかり ポップス 無 FLAC WAV96kHz/24bit
レーベル:Cana aria 配信サイト:e-onkyo music
■高橋 敦レビュー
新レーベル第2弾シングル。2013年発売「W:Wonder tale」以降のシングル表題曲はアッパー曲に極端に偏っていたが今回は、抑えるところはぐっと抑えてサビで切なさを炸裂させる。歌い出しから低めの音域でのニュアンス表現、声の質感の出し方など、歌と声の魅力を堪能できる一曲だ。表題曲と同じくアニメ「ISLAND」のOP曲である「Closing tears」、続いての「ジェラシーのその後で」の作曲編曲も白戸佑輔氏が担当。「ジェラシーのその後で」ではそこまでのISLANDパートから一転してリズムとブラスを効かせたサウンドとなり、そのコントラストも面白い。最後に収録される「SUKI KIRAI」は、サウンドはイマドキだが、「人魚」という言葉の使い方など、歌詞はゆかりさんファンにとって特になじみのある雰囲気ではないだろうか。豊かなサウンドバリエーションと一貫して歌い続けられるゆかりさんらしさは、今回のシングルでも健在だ。表題曲はディレイを使って重層的に組み立てたギターリフが印象的だが、空間全体のクリアさによってその印象がさらに強められている。曲の見せ所を捉えた音作りやミックスだ。ベースはシンプルで堅実なフレーズで目立ちはしない。しかし自身の重心を下げ空間の底に沈むフレーズと音色とすることで、空間上方のスペースを大きく空けていることに注目。前述の曲の透明感や開放感の高さはこのベースのアレンジ、ミックスによるところも少なからずだろう。地味だがファインプレイだ。
(FLAC 96/24にて試聴)
総合点
9.1点
低域の伸び9.1点
高域の伸び9.1点
セパレーション9.3点
ディテール9.1点
透明感9.3点
空気感9.1点
質感9.2点
静寂感9.1点
残響
奥行き
音像
アタック