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レビュー
優秀録音ハイレゾ音源レビュー
氷の世界 (Remastered 2018)
井上陽水 ポップス 無 FLAC192kHz/24bit
レーベル:Universal Music 配信サイト:e-onkyo music
■高橋 敦レビュー
井上陽水さんのアルバム作品が一挙にハイレゾ配信開始された。とはいえ筆者自身は熱心なファンというわけではなく、それぞれの作品の意義や既存音源との音の違いを語るには力不足。ここではこのハイレゾ配信開始をきっかけとしてこの作品への興味を持ったという、新たなファン候補に向けての紹介をさせてもらおう。この『氷の世界』は初期を代表する作品のひとつで、特に表題曲はご本人のライブで定番曲であり続けているほか、様々な年代において様々なタイプのミュージシャンにカバーされている。全体の音楽性としてフォークソング的な強烈な作家性による曲と詞、そして歌を基礎としつつ、バンドサウンドとしての完成度も高い。編曲の星勝氏、細野晴臣氏を初めとした参加ミュージシャン、当時としては珍しいロンドンレコーディングに参加した現地ミュージシャンなど、様々な要因が重なってのことだろう。唯一無二すぎる作家性とバンドサウンドとして普遍性がうまく共存した作品だ。録音も、ボーカルをガツンと大きく出しつつ、しかし演奏を脇役に徹しさせすぎない絶妙のバランス。コンプレッションをがっつり効かせてナロウレンジにまとめたドラムスなど時代感はあるが、それも含めてぴったりとはまっているサウンドだ。楽器の数、音の数は多くないのだが、しかし個々の力強さやその配置の無駄のなさによって、全体としての充実感も素晴らしい。
総合点
9.2点
低域の伸び9.0点
高域の伸び9.0点
セパレーション9.2点
ディテール9.2点
透明感9.1点
空気感9.3点
質感9.2点
静寂感9.2点
残響
奥行き
音像
アタック