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レビュー
優秀録音ハイレゾ音源レビュー
The Kick Inside (2018 Remaster)
Kate Bush ポップス 無 FLAC44.1kHz/24bit
レーベル:RHINO 配信サイト:e-onkyo music
■高橋 敦レビュー
こちらデビューアルバムを含め、ケイト・ブッシュさん作品のハイレゾ配信が一気に開始された。こちらもおそらく、先行して発売されたCD/アナログ盤のために制作されたという「本人監修リマスター」に準拠するものと思われる。「16歳にしてピンク・フロイドのデイヴィッド・ギルモアに見出され云々」については改めて紹介するまでもないだろうが、デビューアルバムである本作にはやはり、ギルモアを魅了したという彼女の才能の特別さが、原石そのものの輝きのように、特に明快に現れていると思う。筆者所有の旧盤CDとの比較ではまず、ぱっと聞いたところではその印象は大きくは変わらない。これはつまり、現在の彼女から見ても当時の完成度は十分であり、大幅な変更は必要なかったということだろう。その上でだが聴き込むと、どこかが大きく変わっているというのではなく、全体のコントラストやダイナミクスが高められている印象。わかりやすいところでは例えば、「The Saxophone Song」冒頭。アコースティックギターはCDでは背景に馴染む音色だが、こちらではもう少しくっきりとした粒立ち。クジラの鳴き声の抑揚の大きさなどに耳を寄せてみてほしい。そのように細やかなブラッシュアップによって作品の鮮やかさを、違和感なく、しかし確かに強めた、好リマスタリングだ。ただしアートワークはやはりこちらとなっているので。コレジャナイ……という方は各自で貼り替えてほしい。
総合点
9.3点
低域の伸び9.1点
高域の伸び9.2点
セパレーション9.2点
ディテール9.3点
透明感9.3点
空気感9.2点
質感9.3点
静寂感9.3点
残響
奥行き
音像
アタック