優秀録音ハイレゾ音源レビュー

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ULTRA BLUE [2018 Remastered]

宇多田ヒカル ポップス FLAC
96kHz/24bit
レーベル:Universal Music LLC 配信サイト:e-onkyo music

■高橋 敦レビュー
宇多田ヒカルさんのアルバム初期作が2018年リマスターのタイミングでハイレゾ配信開始されており、こちら「ULTRA BLUE」もその中の一作。本作から宇多田さんご自身が編曲やプログラミングまでを手がけるようになり、現在まで通じる「宇多田ヒカル的なサウンド」が明確になり始めた作品という印象もある。オーディオ的には、比較的にシンプルなサウンドでの説得力が光る「誰かの願いが叶うころ」「Be My Last」を注目曲として挙げたい。どちらも曲調、歌詞の内容、共に沈んだものであり、オーディオチェックで繰り返し繰り返し聴くのは辛いものがあるのだが。前者は歌とピアノだけの序盤でそのピアノがトレモロで音量を揺らされているという実に不安定なサウンドだが、その揺らぎを含めて、ダイナミクスやS/Nといった再生システムの基本的な力を問われる曲。「Be My Last」は、アコースティックギターの左右への割り振り方の普通ではなさなどが象徴的かと思うが、音の空間配置へのこだわりを感じられるサウンド。ヘッドホンだとそこが強調されたアクロバチックな音の動きを楽しめるが、それだとそこに気を取られすぎやすいかも。音楽全体を楽しむには、しっかりセッティングして定位を明確にしたスピーカーシステムで聴くことをおすすめしたい。
(FLAC 96/24にて試聴)

総合点 9.3
低域の伸び9.2点 高域の伸び9.2点 セパレーション9.2点 ディテール9.2点 透明感9.1点 空気感9.1点 質感9.2点 静寂感9.3点 残響 奥行き 音像 アタック