プレミアムヘッドホンガイド2012SUMMER page 89/100
このページは プレミアムヘッドホンガイド2012SUMMER の電子ブックに掲載されている89ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。
概要:
PREMIUM HEADPHONE GUIDE 89店頭に並んでいるヘッドホンのパッケージに記載されているスペック、みなさん正しく読めますか?もっとかしこくヘッドホンを選ぶために、これだけは知っておきたい基礎用語をわかりやすく....
PREMIUM HEADPHONE GUIDE 89店頭に並んでいるヘッドホンのパッケージに記載されているスペック、みなさん正しく読めますか?もっとかしこくヘッドホンを選ぶために、これだけは知っておきたい基礎用語をわかりやすくまとめました。ぜひ参考にしてみてください!【型式】 ヘッドホンには、いろいろな形状があり、音を出す仕組みもさまざまです。オーバーヘッド型の場合、密閉型とオープンエアー型(開放型)に大きくわけられます。イヤホンの場合、iPodなどに付属してくるオーソドックスなインナーイヤー型のほかに、耳栓のように差し込んで使うカナル型があります。 密閉型やカナル型は遮音性に優れ、迫力ある重低音が特長。音漏れも少ないので電車通勤などの用途にも最適です。オープンエアー型やインナーイヤー型は音の抜けがよく、自然な装着感が魅力ですが、遮音性が低く、ホームリスニング向けと考えてよいでしょう。●密閉型 ハウジング(スピーカーでいえば筐体=キャビネットにあたる外側の部分)が密閉されているタイプ。低音が力強く、音の迫力を表現しやすい構造です。耳と振動板のあいだにある空間が密閉されるため、周囲からの雑音に強く、外への音漏れも少なめになります。●オープンエアー型(開放型) ハウジングがメッシュ状のものなど、空気が自由に出入りするタイプ。振動板が自由に動けるので、こもりが少なく、ナチュラルで開放的な音になります。ヘッドホン本体を軽量化できるのも魅力ですが、音が周囲に漏れやすくなります。【ドライバー】 ドライバーというのは、入力された音声信号に反応して振動し、音を発する部分のこと。ヘッドホンの心臓部です。一般的に、振動板(振動する部品)が大きいほど余裕のある表現ができます。パーツの素材や仕上げなどの加工が異なると、それによって音質も変わります。左右chに1個ずつドライバーを持つフルレンジ型が普通で、バランスド・アーマチュア型では高音と低音を個別のドライバーが分担するマルチウェイ(ハイブリッド型)の製品も多くあります。●ダイナミック型 一般的なスピーカーと同じように、電線を筒型に巻いた部品=ボイスコイルに電流を通すと振動板が震えて音が出る形式。もっとも歴史が古く、ノウハウの蓄積が多いため、広く使われています。相対的にパワフルな重低音を出しやすいという特長があります。●バランスド・アーマチュア型 もともとは補聴器のために作られた駆動方法で、しっかりと密閉された空間の中でも音を出せるのが特長。音は繊細で分解能が高い。海外製の高級モデルのほか、近年は国内モデルを中心にお求めやすい製品も登場している。●静電型 2枚の金属板のあいだに置いた極薄の金属膜を静電気で震わせて音を出す方式です。コンデンサー型とも呼ばれます。微細な表現に優れ、とくにクラシック音楽には好適です。ただし、専用のアンプがないと鳴らせないため、製品は少々割高になります。【再生周波数帯域】 人間の耳に聴こえる音を、低い音から高い音までまんべんなくカバーしているかどうかを表す数字。人によって差がありますが、人間の耳が聴き取れる高音の限界は20,000Hz(1秒間に2万回震える時の音)といわれています。一方、低音は20Hzくらいが限界。この範囲を押さえているヘッドホンなら、どんな音楽でも過不足なく鳴らせることになります。ただし、この数値は低い音から高い音までバランスよく出ることを保証するわけではなく、最終的な音質の善し悪しとはあまり関係ありません。【インピーダンス】 この数値はヘッドホンが持っている「電気的な抵抗の大小」を表しており、モデルごとに差があります。同じボリューム位置で鳴らしても、この数字が大きいとヘッドホンから出る音は小さく、数字が小さいと音は大きくなります。ほとんどのヘッドホンでは心配いりませんが、ごく稀にインピーダンスが高い(数字が大きい)モデルもあります。これは諸刃の剣でノイズの低減は狙えますが、数値が高すぎる機種をiPodなど小型の機器につなぐと、音量が不足したり、電池の持続時間が短くなったりする可能性があります。【能率】 ヘッドホンは機種ごとに音量値が違います。同じ出力端子につないでも、すべてのヘッドホンが同じ音量で鳴るわけではないのです。カタログで「能率」、「感度」、「音圧」と書かれている数字が大きいほど、見かけの音量は大きくなります。数字が小さいと、iPodなど機器側の出力を最大まで上げても音が大きくならず、不満を覚えることも。逆に数字が大きすぎると、音量を少し上げただけで音が急激に大きくなり、コントロールしにくくなります。【ケーブルの長さ】 ケーブルの長さは重要です。「あと10cm長ければ届くのに」とか「30cm長すぎて、たるんで始末に困る」といった不満が出やすいところ。一般の成人男性がカバンにiPodを入れてヘッドホンを装着する場合、ケーブルは1.2m必要とされています。逆にホームリスニング用のヘッドホンでは、3.0mが一般的です。短すぎるなら別売の延長ケーブルを買って継ぎ足せば解決します。長すぎる時はケーブルを束ねるアクセサリーを使うとよいでしょう。 ちなみに接続プラグは現在ほとんどが3.5mm口径のステレオミニプラグですが、本格オーディオや楽器関係では6.3mm口径のステレオ標準プラグが一般的。プラグのサイズが違っても変換アダプターを使えば問題なく接続できます。【付属品】ヘッドホンの故障の原因は、ケーブルが途中で切れるか被覆のなかで傷んで音声信号が通らなくなる「断線」がほとんど。iPodなどにケーブルをきつく巻いたりすると、断線が起きやすくなります。付属品にヘッドホンを収納できるキャリングケースがあると安心です。大切に扱う習慣がつけば製品の寿命も延ばせます。またカナル型イヤホンの場合、音質と装着感を左右するイヤーチップは多ければ多いほど役立ちます。イヤーモニタータイプのイヤホンの装着方法?装着する側の手(右側ならRマークの付いたものを右手)で本体を持つ。低反発イヤーチップを使う場合は指でつまんでつぶし、できるだけ小さくします。?ケーブルが耳の付け根に沿って弧を描くように、本体を耳の後ろから前に持ってきます。?イヤーチップが完全に耳の穴のなかにおさまるまで、本体をひねりながら耳に差し込みます。正しく装着されると、耳栓をしたように周囲の音が聴こえづらくなります。気分はミュージシャン!イヤーモニターはこうして装着する1 2 3イヤーモニターの装着方法カバンのなかから耳もとまで、ケーブルは1.2mほどあればおそらく十分。胸ポケットからなら0.6mほどが最適です。デジタルオーディオプレーヤーにケーブルを巻き付けると、プレーヤー本体の端子部が損傷したり、断線の原因になるため、あまりおすすめできません。文/佐藤良平、編集部スペックの読み方パッケージのスペックの読み方がわかる!