プレミアムヘッドホンガイド 2013 WINTER

プレミアムヘッドホンガイド 2013 WINTER page 11/120

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 音楽に対する好みが様々であるように、音の聴こえ方や音の響きに関しても好みは様々だ。ただ、後者を語ろうとすると、とかく「マニアック」という印象を持たれがちである。好みのアーティストやジャンルについて云....

 音楽に対する好みが様々であるように、音の聴こえ方や音の響きに関しても好みは様々だ。ただ、後者を語ろうとすると、とかく「マニアック」という印象を持たれがちである。好みのアーティストやジャンルについて云々するのはメジャーなのに、音質に言及しようとすると、とたんにマイナーの烙印を押されてしまう。残念なことだ。なぜか。それは音質に最も気を配っているのは、他でもないミュージシャンたちだからだ。どんなジャンルのアーティストでも、必ずそこに配慮している。時間をかけて「自分の音」を突き詰めているのだ。 だから、アーティストたちの想いを汲み取るためには、リスナーもある程度のサウンドクオリティを持ったヘッドホンで、音楽に触れるようにしたい。そして、その質が高ければ、なおさら音楽家の元に近づいた気持ちになれるだろう。これから紹介するゼンハイザーの「MOMENTUM」と「IE 800」は、そうした気分をもたらす絶好のアイテムだ。 オーバーヘッド型のプレミアムヘッドホン、「MOMENTUM」は、ドイツらしいクラフツマンシップを感じさせる上質なデザインが魅力だ。ブラウンを基調としたカラーリングの美しさにまず、目を奪われる。イヤーパッドの質感も非常に高く、この部分だけでも十分に高級感を味わえる。さらに軽量設計であることも手伝って、長時間じっくりと音楽に向き合えそうだ。 さて、サウンドのクオリティである。結論を急ぐようだが、オーバーヘッド型ヘッドホンのひとつの到達点ではないか、と思えるほどの出来映えだった。耳にしっかりフィットする装着感は極上。密閉型ながら、いかにもゼンハイザーらしい、広がりのある音場豊かなサウンドが楽しめる。アコースティックギターやピアノ、サックスは透明感がある。ボーカルの伸びのよさ、なめらかさも高く評価したい。また、輪郭が明瞭なベースやドラムスも特筆すべきポイントだ。音楽全体が派手にならず、躍動感はあるものの品位は保たれていアーティストの意図を生々しく伝える新作PREMIUM HEADPHONE GUIDE 11