公開日 2009/06/10 20:08
「iTransport」開発秘話と変わらぬ理念 - WadiaプレジデントSchaffer氏インタビュー
開発中の試作品「151」も披露
発売以来、多くのオーディオファンの間で大きな話題を集め続けている「Wadia 170 iTransport」。同製品の製造元である米Wadia(ワディア)社より、プレジデントのJohn W.Schaffer氏が小社を訪問。インタビューに応じてくれた。
Schaffer氏は「Wadia 170 iTransportを発売した当初は、『この価格で本当にWadiaのDACなのか』と疑心暗鬼な反応が多かった」と、製品発売当時の状況を語る。それまで同社が発売していた製品の数々に比べてかなり低めの価格設定だったため、市場に戸惑いもあったという。
だが、発売開始後の支持の大きさは読者諸氏もご存じの通り。現在の状況に関してSchaffer氏は「最初に興味を持ってくれたハイエンドユーザーたちの間で評判が広がり、今のユーザー層はかなり幅広くなっている」とコメントし、全世界で1万台以上という好セールスを記録していることも明かした。
また、同製品はアップル社の「Made for iPod」認定を受けているが、この件に関してSchaffer氏は「アップルに話を持っていったタイミングが良かった」と、当時の裏話も披露した。
Schaffer氏は、当時アップルストアにB&W「Zeppelin」が置かれていたことから、Wadiaにもチャンスがあると考え、「Made for iPod」の認定を申請。しかし窓口レベルで2度の却下を受けてしまったそうだが、決裁権を持つ責任者から思いがけず許可が下りたのだという。
Schaffer氏は「今後はライセンスを受けた他社製品も増えてくるだろう」と語りながらも、iPodからのデジタル信号出力が可能な「Made for iPod」認定製品がまだ出てきていない現状に触れ、「許可がもらえたことにはとても驚いた」と当時を振り返った。
そして気になる今後の展開については、「iTransportの関連製品で言えば、“121”というモデルナンバーのDACを開発中だ」と説明。同製品は「“デジマスター”を始めとするWadiaの技術を結集させたもの」だとのことで、USB端子の搭載など入力端子を増やすことも計画しているのだという。価格に関しても「詳細は未定だが、iTransportの3倍くらいで収められるのではないか」とのコメントを得ることができた。
また、新製品に関してはデジタルプリメインアンプの試作品を披露するサプライズも実現。同製品には「151」という型番が付けられており、USB入力も搭載されている。
もちろん、ワディア伝統のデコーディングアルゴリズム「デジマスター」も搭載。まだテスト段階であり、スペックやデザインは今後変更される可能性も大きいが、現段階でサンプリング周波数は96kHzまで対応しているという。こちらは8月頃の発売を予定しているとのことだ。
また、製品開発に関しては「エンジニアの人件費が高いのが悩みだ(笑)」と冗談を交えつつ、「Wadiaの基本はハイエンドにある」と、変わらずハイエンド製品の研究開発も続けていると説明。次世代のデジマスター技術やDAC新製品など、様々な研究を進めているという。
そして、現在はテクノロジーが進化し音楽のソースも多様化しているが、「事業を始めた20年前と今では社会も大きく変化したが、信号をデジタルからアナログにコンバートする精度を高めたいという思いは当時から変わっていない」とSchaffer氏はコメント。創業当時から変わらぬ理念を持って活動していることを強調した。
「iPodやNAS、そしてインターネットのストリーミングオーディオなどデータの種類やそれを取り扱う機器も増えているが、大切なのはデジタル信号をアナログに変換する部分だ」と言葉を続け、「デジタルフォーマットが今後どういう方向に行くのかは分からない部分も多いが、WadiaとしてはDAコンバージョンをしっかりやりたいということに尽きる」と、音楽を高音質で楽しむためのDA変換の重要性と同社の理念を重ねて強調した。
なお、当インタビューの詳細は8月に発売予定の季刊・オーディオアクセサリー誌に掲載される予定だ。こちらもあわせてご覧いただきたい。
Schaffer氏は「Wadia 170 iTransportを発売した当初は、『この価格で本当にWadiaのDACなのか』と疑心暗鬼な反応が多かった」と、製品発売当時の状況を語る。それまで同社が発売していた製品の数々に比べてかなり低めの価格設定だったため、市場に戸惑いもあったという。
だが、発売開始後の支持の大きさは読者諸氏もご存じの通り。現在の状況に関してSchaffer氏は「最初に興味を持ってくれたハイエンドユーザーたちの間で評判が広がり、今のユーザー層はかなり幅広くなっている」とコメントし、全世界で1万台以上という好セールスを記録していることも明かした。
また、同製品はアップル社の「Made for iPod」認定を受けているが、この件に関してSchaffer氏は「アップルに話を持っていったタイミングが良かった」と、当時の裏話も披露した。
Schaffer氏は、当時アップルストアにB&W「Zeppelin」が置かれていたことから、Wadiaにもチャンスがあると考え、「Made for iPod」の認定を申請。しかし窓口レベルで2度の却下を受けてしまったそうだが、決裁権を持つ責任者から思いがけず許可が下りたのだという。
Schaffer氏は「今後はライセンスを受けた他社製品も増えてくるだろう」と語りながらも、iPodからのデジタル信号出力が可能な「Made for iPod」認定製品がまだ出てきていない現状に触れ、「許可がもらえたことにはとても驚いた」と当時を振り返った。
そして気になる今後の展開については、「iTransportの関連製品で言えば、“121”というモデルナンバーのDACを開発中だ」と説明。同製品は「“デジマスター”を始めとするWadiaの技術を結集させたもの」だとのことで、USB端子の搭載など入力端子を増やすことも計画しているのだという。価格に関しても「詳細は未定だが、iTransportの3倍くらいで収められるのではないか」とのコメントを得ることができた。
また、新製品に関してはデジタルプリメインアンプの試作品を披露するサプライズも実現。同製品には「151」という型番が付けられており、USB入力も搭載されている。
もちろん、ワディア伝統のデコーディングアルゴリズム「デジマスター」も搭載。まだテスト段階であり、スペックやデザインは今後変更される可能性も大きいが、現段階でサンプリング周波数は96kHzまで対応しているという。こちらは8月頃の発売を予定しているとのことだ。
また、製品開発に関しては「エンジニアの人件費が高いのが悩みだ(笑)」と冗談を交えつつ、「Wadiaの基本はハイエンドにある」と、変わらずハイエンド製品の研究開発も続けていると説明。次世代のデジマスター技術やDAC新製品など、様々な研究を進めているという。
そして、現在はテクノロジーが進化し音楽のソースも多様化しているが、「事業を始めた20年前と今では社会も大きく変化したが、信号をデジタルからアナログにコンバートする精度を高めたいという思いは当時から変わっていない」とSchaffer氏はコメント。創業当時から変わらぬ理念を持って活動していることを強調した。
「iPodやNAS、そしてインターネットのストリーミングオーディオなどデータの種類やそれを取り扱う機器も増えているが、大切なのはデジタル信号をアナログに変換する部分だ」と言葉を続け、「デジタルフォーマットが今後どういう方向に行くのかは分からない部分も多いが、WadiaとしてはDAコンバージョンをしっかりやりたいということに尽きる」と、音楽を高音質で楽しむためのDA変換の重要性と同社の理念を重ねて強調した。
なお、当インタビューの詳細は8月に発売予定の季刊・オーディオアクセサリー誌に掲載される予定だ。こちらもあわせてご覧いただきたい。
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