公開日 2019/03/04 16:48
「今は攻めの時、従来概念にとらわれない目線から新たな価値を」。東芝LET 関根優一社長インタビュー
ポータブル音響専業メーカーの強みを発揮
“語学学習”をキーワードに提案するポータブルCDプレーヤー・CDラジオが活発な動きを見せる東芝エルイートレーディング。2020年開始の小学校「英語」教科化で一層の需要増を確信する。2016年復活の「Aurex」では“もっといい音を身近で楽しみたい”というニーズを掴み取る。当たり前と思われている従来概念を打ち破れば、そこに新たな市場が見えてくる。軽快さを武器に“攻め”の経営を前面に打ち出す関根優一社長に話を聞く。
■攻めの商品戦略でキラリと光る存在感
―― 東芝の動向がニュースでも毎日のように取り上げられ、世間の注目が集まる中で、昨年6月の社長就任にあたりどのような思いがありましたか。
関根 東芝の生活家電を扱う東芝ライフスタイル株式会社が、2016年に中国でもトップグループの家電メーカー「マイディアグループ(美的集団股份有限公司)」の傘下となり、東芝ライフスタイルの100%子会社である東芝エルイートレーディングもその一員となりました。
資本が変わっても、企業として利益を確保しつつ、独自の商品とサービスによって豊かなライフスタイルの実現を応援し、世の中に貢献するという使命は不変と考えております。また当社には70名の従業員がおり、その家族の生活を支えるためにも企業活動を継続していくことは原則ですが、同時に「企業は人」でもありますので、当社を支えるひとりひとりの従業員と共に歩んでいきたいと考えています。お陰様で当社は11年連続黒字で、従業員もその自覚を持って業務を遂行しています。
私はスポーツが趣味で、学生時代はサッカー、今は休みの日にゴルフとソフトボールを楽しんでいます。会社も一つのチームであり、チームプレーが大事ですが、リーダーには常に攻めるか、守るかの難しい判断が要求されます。会社も同様で、マイディアグループ傘下となった2016年当時は、じっくりと守るべきとき。そして、マイディアグループの一員として体制もしっかりと確立された今は、攻めるべきとき。多彩な商品を提案して、さまざまなチャネルのお客様とのお取引きを拡げていこうと常々従業員とも話しています。まずはメーカーとして様々な新しい商品をご提案することによって、市場を創造し、幅広いお客様から受け入れてもらえることを目指しております。
―― 攻めの姿勢の中から新しい製品が次々に登場しています。
関根 2016年に発売したポータブルCDプレーヤーのラインナップもそのひとつになります。成熟期を過ぎ、衰退期にある商品カテゴリーだと思われがちですが、語学学習という用途にシビアにフォーカスすることで大きな支持を獲得した、新しいカテゴリーとも言える商品となりました。また、昨年は自然災害が多い年でしたので、被災地での需要の他、災害への備えに対する意識向上により、ラジオや電池の需要が大幅に伸長しました。電池がなくても手回し充電で使用できる当社の「TY-JKR5」というモデルはあっと言う間に全国で在庫が尽きてしまったほどです。
―― 昨年から発売しているLEDライト付きのラジオも災害現場等では大変重宝しますね。
関根 災害に対する備えという発想が元になっています。現在、ポケットラジオのラインナップをLEDライト付き仕様へ順次変更しています。緊急時にこれ一台あると非常に助かるとご好評をいただいております。ご販売店でも災害時のラジオの必要性は高く認識されるようになり、店頭展示が拡大するなど販売も伸長しています。
■CDは音楽を聞くためだけにあるのではない
―― ライフスタイルが変化して、これまでの既存カテゴリーの商品ジャンルの中にも新しいニーズが生まれてきている。そこに着眼され、新たな需要を創造されているわけですね。
関根 音楽の楽しみ方においても、今ではスマートフォン等に音源をダウンロードする方法が主流になり、ポータブルCDプレーヤー市場では、5年前に大手メーカーも撤退し、縮小の一途を辿っていました。しかし、そこへ語学学習という新たな用途が芽吹きました。当社は、第1弾として2017年7月に「TY-P1」を語学学習教材に付属しているCDを簡単に聞くことができる商品として発売し、狙い通りの大きな反響をいただきました。さらに、第2弾として2018年9月にステレオスピーカー付きの「TY-P2」を、そして第3弾としてBluetoothイヤホンやスピーカーへのワイヤレス送信に対応した「TY-P3」を年末の12月に発売しました。
―― さらに細かなニーズに対応してラインナップを充実されているわけですね。
関根 語学学習についての調査も行いました。調査前は、教材音源もスマートフォンやパソコンにダウンロードして学習するのが主流だと思っていたのですが、実際は学習教材の付属CDを直接聞いているユーザーの割合が多い事実がわかりました。CDというメディアにもまだまだユーザーメリットやウォンツがあるということです。さらに来年4月からは小学校での「英語」が教科化されます。「英語」の成績評価がつくようになると、中学校受験の試験科目にも「英語」が追加されることも予想されますので、その志向はさらに強まっていく可能性があります。
プロゴルファー・石川 遼さんのCMでお馴染みの「スピードラーニング」さんからもお声掛けいただきました。新規加入者特典、また、約300万人いらっしゃる登録者様への教材としてCDラジオ「TY-CX700」をお取り扱いいただく予定で、スピーカー付ポータブルCDプレーヤー「TY-P2」もご検討いただいています。
―― いざ、CDを聞こうとしたら再生できる機器がない。そんなご家庭も少なくなく、これからさらに需要が顕在化していく。
関根 一昔前までは “音楽を聴くもの” との認識しかなかったCDプレーヤーが、 “語学学習” という用途で再注目されています。当然、 “語学学習” 用途に求められる機能は、 “音楽を聞く” 用途とは違ってくるので、そこに応えることで新たな市場を創造したいと思います。
大手メーカーが撤退してしまったビジネス市場ですが、実はまだまだ面白い。レッドオーシャンだったところが、気が付くとブルーオーシャンに変わろうとしているのです。関連した報道がまだまだ少なく、強い追い風を感じられないことは気にかかるのですが、最近は、家電量販店各社も語学学習に注目しはじめていて、関連商品を集めた店頭演出を進めていく話が具体化しているのは歓迎するところです。
―― “語学学習” 用途で利便性の高いスピードコントロールや続きから学習できるレジューム機能などを搭載し、廉価なモデルとは一線を画していることも大きな特徴ですね。
関根 店頭での注目度や演出にあわせてしっかりと機能をアピールしていきたいと思います。Youtube動画やSNSを活用して啓発を進めていきます。
■攻めの商品戦略でキラリと光る存在感
―― 東芝の動向がニュースでも毎日のように取り上げられ、世間の注目が集まる中で、昨年6月の社長就任にあたりどのような思いがありましたか。
関根 東芝の生活家電を扱う東芝ライフスタイル株式会社が、2016年に中国でもトップグループの家電メーカー「マイディアグループ(美的集団股份有限公司)」の傘下となり、東芝ライフスタイルの100%子会社である東芝エルイートレーディングもその一員となりました。
資本が変わっても、企業として利益を確保しつつ、独自の商品とサービスによって豊かなライフスタイルの実現を応援し、世の中に貢献するという使命は不変と考えております。また当社には70名の従業員がおり、その家族の生活を支えるためにも企業活動を継続していくことは原則ですが、同時に「企業は人」でもありますので、当社を支えるひとりひとりの従業員と共に歩んでいきたいと考えています。お陰様で当社は11年連続黒字で、従業員もその自覚を持って業務を遂行しています。
私はスポーツが趣味で、学生時代はサッカー、今は休みの日にゴルフとソフトボールを楽しんでいます。会社も一つのチームであり、チームプレーが大事ですが、リーダーには常に攻めるか、守るかの難しい判断が要求されます。会社も同様で、マイディアグループ傘下となった2016年当時は、じっくりと守るべきとき。そして、マイディアグループの一員として体制もしっかりと確立された今は、攻めるべきとき。多彩な商品を提案して、さまざまなチャネルのお客様とのお取引きを拡げていこうと常々従業員とも話しています。まずはメーカーとして様々な新しい商品をご提案することによって、市場を創造し、幅広いお客様から受け入れてもらえることを目指しております。
―― 攻めの姿勢の中から新しい製品が次々に登場しています。
関根 2016年に発売したポータブルCDプレーヤーのラインナップもそのひとつになります。成熟期を過ぎ、衰退期にある商品カテゴリーだと思われがちですが、語学学習という用途にシビアにフォーカスすることで大きな支持を獲得した、新しいカテゴリーとも言える商品となりました。また、昨年は自然災害が多い年でしたので、被災地での需要の他、災害への備えに対する意識向上により、ラジオや電池の需要が大幅に伸長しました。電池がなくても手回し充電で使用できる当社の「TY-JKR5」というモデルはあっと言う間に全国で在庫が尽きてしまったほどです。
―― 昨年から発売しているLEDライト付きのラジオも災害現場等では大変重宝しますね。
関根 災害に対する備えという発想が元になっています。現在、ポケットラジオのラインナップをLEDライト付き仕様へ順次変更しています。緊急時にこれ一台あると非常に助かるとご好評をいただいております。ご販売店でも災害時のラジオの必要性は高く認識されるようになり、店頭展示が拡大するなど販売も伸長しています。
■CDは音楽を聞くためだけにあるのではない
―― ライフスタイルが変化して、これまでの既存カテゴリーの商品ジャンルの中にも新しいニーズが生まれてきている。そこに着眼され、新たな需要を創造されているわけですね。
関根 音楽の楽しみ方においても、今ではスマートフォン等に音源をダウンロードする方法が主流になり、ポータブルCDプレーヤー市場では、5年前に大手メーカーも撤退し、縮小の一途を辿っていました。しかし、そこへ語学学習という新たな用途が芽吹きました。当社は、第1弾として2017年7月に「TY-P1」を語学学習教材に付属しているCDを簡単に聞くことができる商品として発売し、狙い通りの大きな反響をいただきました。さらに、第2弾として2018年9月にステレオスピーカー付きの「TY-P2」を、そして第3弾としてBluetoothイヤホンやスピーカーへのワイヤレス送信に対応した「TY-P3」を年末の12月に発売しました。
―― さらに細かなニーズに対応してラインナップを充実されているわけですね。
関根 語学学習についての調査も行いました。調査前は、教材音源もスマートフォンやパソコンにダウンロードして学習するのが主流だと思っていたのですが、実際は学習教材の付属CDを直接聞いているユーザーの割合が多い事実がわかりました。CDというメディアにもまだまだユーザーメリットやウォンツがあるということです。さらに来年4月からは小学校での「英語」が教科化されます。「英語」の成績評価がつくようになると、中学校受験の試験科目にも「英語」が追加されることも予想されますので、その志向はさらに強まっていく可能性があります。
プロゴルファー・石川 遼さんのCMでお馴染みの「スピードラーニング」さんからもお声掛けいただきました。新規加入者特典、また、約300万人いらっしゃる登録者様への教材としてCDラジオ「TY-CX700」をお取り扱いいただく予定で、スピーカー付ポータブルCDプレーヤー「TY-P2」もご検討いただいています。
―― いざ、CDを聞こうとしたら再生できる機器がない。そんなご家庭も少なくなく、これからさらに需要が顕在化していく。
関根 一昔前までは “音楽を聴くもの” との認識しかなかったCDプレーヤーが、 “語学学習” という用途で再注目されています。当然、 “語学学習” 用途に求められる機能は、 “音楽を聞く” 用途とは違ってくるので、そこに応えることで新たな市場を創造したいと思います。
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