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公開日 2004/02/06 19:30
2004年RWPPIのラウンドロビンテスト始動、定期全体会議を開催
左)プレイバック・コンパチビリティWGのチェアマンを務めるソニー(株)菊池信恭氏 右)ラウンドロビンテスト定期全体会議の模様 |
DVDフォーラムによって国際規格として策定されたDVD-R/DVD-RWフォーマット関連商品の普及促進を目標に活動を開始したRWPPIでは、メディアの記録・再生状況を検証する“ラウンドロビンテスト”を継続的に行っている。ラウンドロビンテストとは「物理フォーマット」・「論理フォーマット(PC用ドライブ)」・「論理フォーマット(DVDレコーダー)」・「再生互換」という4つに細分化されたワーキンググループにおいて、DVD-R/DVD-RWディスクをそれぞれのグループ内のメンバー会社間で「総当り」的に繰り返し記録・再生状況を検証し、メディアの各種互換性データを蓄積していくものである。
この日行われた全体会議では、各ワーキンググループ毎にこれまで蓄積されたラウンドロビンテスト「ステージ2」の成果がまとめられ、併せて本年度の活動スケジュールが取り決められた。RWPPIでは、昨年の9月より記録型DVD会議(略称RDVDC)とともにDVD記録メディアの共同互換性試験を行うJRT(ジョイントラウンドロビンテスト)を展開している。JRTでは4倍速DVD-R、2倍速DVD-RW、3倍速DVD-RAMを対象とした互換性試験が広範に検証されている。JRTの参加企業も今回の会議より45社に拡大し、ますます充実した内容となっている。
今回はラウンドロビンテストにおいて展開されている、「再生互換(プレイバック・コンパチビリティ)」ワーキンググループのチェアマンを務めるソニー(株)菊池信恭氏にワーキンググループの現状と課題、さらには今後の方向性についてインタビューする機会をいただいた。
はじめに菊池氏がソニーを代表する一員としてラウンドロビンテストに参加するに至った経緯からお話しをうかがった。DVDプレーヤーが市場に登場した当初から大きな市場シェアを獲得するに至ったソニーでは、早い段階からDVDの再生互換性に着目し、ユーザーに信頼性の高い商品を供給していくことを目指してきたという。「私たちもDVD-ROMの時代から互換性に関する意識を高く持ちながら、DVDに関する諸問題を先回りしながら解決していくために、RWPPIの活動に積極的に参加して参りました。昨今はDVDレコーダーの人気も一般的なものになり、RWPPIの活動成果を元に、お客様からの要望に先回りしていく配慮を実現することを心がけています。」と、RWPPIでのこれまでの活動を振り返る菊池氏だ。
菊池氏が参加する「再生互換(プレイバック・コンパチビリティ)」ワーキンググループでは、DVDメディアと機器における記録・再生時の諸問題を、最もユーザーに近い視点に立ちながら検証を進めているという。「“ディスクがかからない”、“画にノイズがのる”など、ユーザーからDVDメディアに関して寄せられた意見を、各社から集まった開発者・技術者のメンバーからなるワーキンググループによって深く掘り下げて検証していきます。メンバーがJRTの場で直に顔をつきあわせ、それぞれの製品について報告された諸問題をストレートに検証できる点は大きなアドバンテージであると感じています。」と語る菊池氏。JRTの場で新たに取り決められた内容は、各社の商品開発にフィードバックされ、より信頼性の高い商品開発のための貴重な財産となっている。
今日DVDメディアもますます多様化していく中にあって「DVD-RWの編集時における自由度の高さには注目しています。」と語る菊池氏。現在VRフォーマットで記録されたメディアの再生互換検証もRWPPIの大きな課題の一つとなっているが、「確かに登場初期のDVDプレーヤーにはVRフォーマットの再生互換性が低いものもありましたが、今ではDVDを再生できるほとんど全てのハードがVR対応を実現し、裾野が広がりつつあると実感しています。」と、菊池氏はDVDメディアの進化に大きな期待を寄せる。
現在参加企業も45社を数えるまでに成長を遂げたラウンドロビンテストだが、「RDVDCとのジョイントラウンドロビンテストに発展し、海外企業の参加も増えたため、広くカスタマーサイドに立ってソリューションが提供できるものと期待しています。いまDVDユーザーの間で互換性に対する不安はなくなりつつあると実感しています。これからも多くの企業がラウンドロビンテストに参加し、今後の私たちの活動もさらに活発なものになると期待しています。これからも家電ユーザーとPCユーザーの双方に、信頼性の高い優れた製品を提供して参ります」と意気込みを語る菊池氏であった。
(Phile-web編集部)