HOME > ニュース > AV&ホームシアターニュース
公開日 2004/09/16 19:09
ソニー年末新商品展示会を開催、年末“AVトータルシェア30%”を宣言
「Sony Dealer Convention 2004」会場 |
報道関係者向けの記者発表会には同社代表取締役社長である宮下次衛氏が登壇し、間近に迫る年末商戦に向けた販売戦略、および流通戦略に関する詳細を説明した。
ソニーでは今年の年末商戦に向けて、薄型大画面液晶テレビのフラグシップモデル「QUALIA 005」をはじめ、「WEGA」新シリーズやデジタルビデオカメラ「HDR-FX1」、AVパソコン「VAIO type R」など、各分野のAV機器にハイビジョン対応商品を積極投入している。一方で「スゴ録」「PSX」などの録画機器もオリンピック需要で加速を付け、デジタルビデオカメラやデジタルカメラ、ポータブルオーディオのラインナップも豊富な新商品ラインナップを続々と発表しはじめている。宮下氏は「他社との圧倒的な差別化を実現できる魅力あふれる商品を、例年よりも前倒しで素早く市場に投入しながら、“Like no other(ほかとは違う何かがある)”をテーマに営業活動の大攻勢をかけ、“AVトータルシェア30%”を実現していく」と高らかに宣言した。
同社は本日のコンベンションをキックオフ・デイとして、今後全国49会場でミニコンベンションを開催しソニー製品の魅力を各地でアピール。「商品の説明」「展示の提案」「プロモーションの提案」について、特約店と強くタッグを組みながら、ブランド力を訴求する「ソニーフェア」、および各商品カテゴリーごとプロモーションフェアを併せて展開し、「売場店頭をソニー製品でしっかりと飾っていきたい」との考えを宮下氏は説明した。
また今年の5月から稼働させた営業戦略である「クローバー」システムを年末商戦において徹底させ、ソニー商品の流通を効率化するとともに、需要と供給の計画を円滑にポジティブに回転させていくことが目標として示された。
続いて同社執行役員である鹿野清氏が商品ごとのマーケティング戦略を語った。鹿野氏ははじめに「ソニーが放送局とともに確立してきた業務用ハイビジョンのノウハウを、コンシューマー製品にも積極導入し、新しいエンターテインメントを提案していきたい」と語り、同社製品を「観る」「録る」「編集する」といったハイビジョンエンターテインメントの各ステージに投入する「ソニー・ハイビジョン・クオリティ」戦略を明らかにした。
実際のユーザーに向けたハイビジョンエンターテインメントの訴求戦略について鹿野氏は「店頭展示にもユーザー体験コーナーを設置して、お客様がソニー・ハイビジョンの魅力を直にご体験いただける環境をつくっていきたい。またハイビジョンを実体験されたユーザーの声をWebサイトでも紹介していく」と具体的な内容を語った。
また、アテネオリンピックで勢いづいた大画面テレビ、録画機の需要について鹿野氏は「ソニーの年末商戦における革命のコアとして、引き続き大事なデバイスになるだろう」と予測し、「QUALI 005」や「スゴ録」「PSX」を中心に年末商戦の軸に位置づける考えを示した。また先日発表されたカラー有機ELディスプレイ搭載のPDA・クリエ「PEG-VZ90」も紹介しながら、同社として今後有機EL事業にも力を注いでいくことが宣言された。そのほか、DVC・デジタルカメラ、ポータブルオーディオやホームシアターシステム、パーソナルコンピューター「VAIO」シリーズについても、「それぞれラインナップを充実させ、多様なユーザーニーズに対応できるソニーの総合力を訴求していきたい」と鹿野氏は語った。
以下に本日の記者発表会にて行われた質疑応答の内容をご紹介する。
Q:テレビと録画機器の成長目標を実数で教えて欲しい
A:フラットディスプレイは金額シェアで35%を獲得したい。レコーダーも同等の35%を金額シェアで獲得していきたいと考えている
Q:アテネ景気は年末需要を先食いしてしまったのでは
A:全く逆と考えている。アテネで火がついた需要が年末にはさらに加速すると思う
Q:「AVトータルシェア30%」を宣言されているが、前年はどれくらいのシェアをとっていたのか
A:詳細は把握していないが、今年の目標が30ということは、昨年は20パーセント後半くらいのシェアと考えている
Q:商品の早期導入が目標とあるが、どのくらい早く投入するつもりか
A:例えば「WEGA」は昨年11月に新製品を導入したが、今年は2ヶ月早く導入している。全体的にもそれくらいの比率で早い市場導入が実現されるだろう
Q:ポータブルオーディオプレーヤーの現状はどう考察しているか。特にアップルがライバルとなるHDDオーディオプレーヤーは
A:今年はウォークマン25周年記念を迎え、幅広いラインナップを提供できた。当社のHDDウォークマンも優れた魅力を備えており、一方で日本では主流のとなっているMDプレーヤーにもHi-MDを投入し革新を行った。ソニーブランドの製品について、今後も認知を高めて行きながら同時に充実したラインナップをユーザーに訴えていきたい
Q:デジタルカメラの現状に関する考察と、今後の販売戦略は
A:一般にデジタルカメラ需要が頭打ちになったという見方もあるが、現在の購入者を調べると40%が買い替え・買い増しのユーザーだ。製品の性能、使い勝手についてユーザーの興味関心がとても高くなっていると考察する。業界をリードしている当社は、これら二次需要のコンシューマーに対する細かなサポートを優れた商品のラインナップを充実させることで図っていく
Q:「PSX」に元気がないようだが現状は
A:確かにDVDレコーダー全体の売上としては「スゴ録」が多いが、一方「PSX」もこれまでコンスタントな数が出荷されている。「スゴ録」はファミリーユースが多いが、「PSX」はパーソナル需要が中心。この魅力がコンスタントに続いているので、新製品でも「PSX」の固定需要をしっかりと勝ち取っていきたい
Q:ポータブルオーディオ製品は、その幅広いラインナップ故にかえってユーザーが選択しづらくなっているのでは
A:業界全体としてパーソナルオーディオは残念ながら右肩下がりだ。業界全体を成長に導くためにも、個々のお客様のニーズに対応できるバラエティ豊かな商品群を揃えることは重要と考えている
【問い合わせ先】
ソニーマーケティング(株)
0570-00-3311
(Phile-web編集部 山本)