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公開日 2004/12/20 19:05
レビュー:「Creative Zen Micro」は「iPod mini」を超えたか
●「Creative Zen Micro(Phile-webニュース)」は、アップル「iPod mini」と同クラスに位置するポータブルHDDオーディオプレーヤーである。たとえばiPod miniが5色のカラーバリエーションを用意しているのに対し、本機は10色の本体色から選べるなど、商品コンセプトにiPod miniと似通った方向性が感じられる。本機の購入を検討している方にとっても、iriverやRioなどのライバル機と並び、iPod miniは有力な比較対象となるはずだ。
まず本機の大きな特徴のひとつである、本体前面に装備した独自のタッチパッドを検証しよう。iPod miniがクリックホイールを回して操作するのに対し、本機は上下に指を滑らせることでスクロールが行える。このタッチパッドはクリック機能も兼ねているので、指をタッチパッドの上で滑らせ、選択したいところで指を離し、再度タッチパッドを押さえるといった要領で操作を行う。はじめのうちはクリック感が全くないので戸惑ったが、慣れてしまえば快適に操作が行えた。
操作感で特筆したいのは、スクロール部の右にサブメニューボタンが用意されている点。ウィンドウズの右クリックのように、操作のショートカットや詳細情報の閲覧などが行える。特に本機は音楽再生だけでなく、FMラジオやボイスメモ、スケジュール閲覧などが可能と機能が豊富なので、「いまできること」が一覧表示されるサブメニュー機能は非常にありがたい。なお、スクロール部の左側にはバックボタンがあり、このボタン配置も使いやすく、理にかなっていると感じた。
HDDオーディオプレーヤーは大量の楽曲データを収納できるので、好みの楽曲を探し出すときに苦労することが多い。iPodでは、高速でホイールを回してスクロールし過ぎてしまい、慌ててゆっくり戻すということがよくある。些細なことだが、積み重なると結構なストレスになる。
本機はこの問題についても回答を用意している。サブメニューから呼び出せる「前方一致検索」では、アルファベットの頭文字を選ぶと、そのアルファベットからはじまる楽曲やアーティストに瞬時にジャンプする。「キーワード検索」では、任意のキーワードを入力してライブラリから検索を行える。使ってみて特に便利だと感じたのは「前方一致検索」で、スピーディーかつ正確に聴きたい楽曲にアクセスできた。
PCでの楽曲データの管理、Zen Microへの転送などは、専用ソフト「Creative Media Source」から行う。このソフトは、無理に独自のユーザーインターフェースですべてを押し通すのではなく、画面左側にはウィンドウズで見慣れたディレクトリのツリー構造が表示されるなど、ユーザーが馴染みのあるウィンドウズのGUIを積極的に採り入れている。全般的に機能は「iTunes」と似通っているが、デザインの美しさはiTunesに一歩譲る。
デザインの質感があと一歩、と感じるのは専用ソフトだけでなく、本体も同様だ。iPod miniがボディ全体をアルマイト加工で覆っているのに対し、本機はプラスティック仕上げだ。もっとも、表面をクリアコーティングするなどの工夫を凝らし、安っぽさを極力回避している。
機能の充実ぶりもさすがの一言だ。iPod miniにはない代表的な機能はFMラジオとボイスメモで、どちらも実用性は十分。ボイスメモはマイクが本体内蔵なので、会議録音などには不向きだが、ちょっとしたアイデアを忘れずに残しておく、という本来の使い方なら十分だろう。FMチューナーの感度もなかなか良さそうで、鉄筋ビルの中でもそれほどノイズを拾わず、快適に使うことができた。
また細かい点では、バッテリーを交換できる仕様になっている点もありがたい。iPodでは交換が自分では行えないため、長期の旅行などでバッテリー切れを起こしたときは充電し直すしかない。Zen Microの場合、予備のバッテリーを購入し、あらかじめ充電しておけば、すぐに交換して対応できる。なお、HDDの容量は5GBで、iPod miniの4GBよりも少し大きい。
ここまでiPod miniとの比較を主に見てきたが、同じアジア勢である韓国iriver社が、つい先ごろ、新モデル「H10」を発表した。実売価格が32,800円前後と同じで、5GB HDD、FMチューナー、ボイスメモ、Windows DRMへの対応など、多くの仕様が「Zen Micro」と共通する。「H10」が勝っている点としては、ディスプレイが26万色のカラー液晶である点、曲の波形データをもとに楽曲情報を検索する新サービス「ミュージックID」に対応している点が挙げられる。iPod miniとの比較とは逆に、機能だけを比べるとやや「Zen Micro」の分が悪い。ただし、サイズは「Zen Micro」の方が一回り小さい。コンパクトで多機能なモデルを探している方なら、本機を購入して損はないだろう。
(Phile-web編集部)
まず本機の大きな特徴のひとつである、本体前面に装備した独自のタッチパッドを検証しよう。iPod miniがクリックホイールを回して操作するのに対し、本機は上下に指を滑らせることでスクロールが行える。このタッチパッドはクリック機能も兼ねているので、指をタッチパッドの上で滑らせ、選択したいところで指を離し、再度タッチパッドを押さえるといった要領で操作を行う。はじめのうちはクリック感が全くないので戸惑ったが、慣れてしまえば快適に操作が行えた。
操作感で特筆したいのは、スクロール部の右にサブメニューボタンが用意されている点。ウィンドウズの右クリックのように、操作のショートカットや詳細情報の閲覧などが行える。特に本機は音楽再生だけでなく、FMラジオやボイスメモ、スケジュール閲覧などが可能と機能が豊富なので、「いまできること」が一覧表示されるサブメニュー機能は非常にありがたい。なお、スクロール部の左側にはバックボタンがあり、このボタン配置も使いやすく、理にかなっていると感じた。
HDDオーディオプレーヤーは大量の楽曲データを収納できるので、好みの楽曲を探し出すときに苦労することが多い。iPodでは、高速でホイールを回してスクロールし過ぎてしまい、慌ててゆっくり戻すということがよくある。些細なことだが、積み重なると結構なストレスになる。
本機はこの問題についても回答を用意している。サブメニューから呼び出せる「前方一致検索」では、アルファベットの頭文字を選ぶと、そのアルファベットからはじまる楽曲やアーティストに瞬時にジャンプする。「キーワード検索」では、任意のキーワードを入力してライブラリから検索を行える。使ってみて特に便利だと感じたのは「前方一致検索」で、スピーディーかつ正確に聴きたい楽曲にアクセスできた。
PCでの楽曲データの管理、Zen Microへの転送などは、専用ソフト「Creative Media Source」から行う。このソフトは、無理に独自のユーザーインターフェースですべてを押し通すのではなく、画面左側にはウィンドウズで見慣れたディレクトリのツリー構造が表示されるなど、ユーザーが馴染みのあるウィンドウズのGUIを積極的に採り入れている。全般的に機能は「iTunes」と似通っているが、デザインの美しさはiTunesに一歩譲る。
デザインの質感があと一歩、と感じるのは専用ソフトだけでなく、本体も同様だ。iPod miniがボディ全体をアルマイト加工で覆っているのに対し、本機はプラスティック仕上げだ。もっとも、表面をクリアコーティングするなどの工夫を凝らし、安っぽさを極力回避している。
機能の充実ぶりもさすがの一言だ。iPod miniにはない代表的な機能はFMラジオとボイスメモで、どちらも実用性は十分。ボイスメモはマイクが本体内蔵なので、会議録音などには不向きだが、ちょっとしたアイデアを忘れずに残しておく、という本来の使い方なら十分だろう。FMチューナーの感度もなかなか良さそうで、鉄筋ビルの中でもそれほどノイズを拾わず、快適に使うことができた。
また細かい点では、バッテリーを交換できる仕様になっている点もありがたい。iPodでは交換が自分では行えないため、長期の旅行などでバッテリー切れを起こしたときは充電し直すしかない。Zen Microの場合、予備のバッテリーを購入し、あらかじめ充電しておけば、すぐに交換して対応できる。なお、HDDの容量は5GBで、iPod miniの4GBよりも少し大きい。
ここまでiPod miniとの比較を主に見てきたが、同じアジア勢である韓国iriver社が、つい先ごろ、新モデル「H10」を発表した。実売価格が32,800円前後と同じで、5GB HDD、FMチューナー、ボイスメモ、Windows DRMへの対応など、多くの仕様が「Zen Micro」と共通する。「H10」が勝っている点としては、ディスプレイが26万色のカラー液晶である点、曲の波形データをもとに楽曲情報を検索する新サービス「ミュージックID」に対応している点が挙げられる。iPod miniとの比較とは逆に、機能だけを比べるとやや「Zen Micro」の分が悪い。ただし、サイズは「Zen Micro」の方が一回り小さい。コンパクトで多機能なモデルを探している方なら、本機を購入して損はないだろう。
(Phile-web編集部)