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公開日 2005/04/18 11:27
会員メンバーも70社に拡大、RWPPIの第30回定例会議が開催される
RWプロダクツ・プロモーション・イニシアティブ(略称RWPPI)が、パイオニア(株)の目黒本社において第30回目となる定例会議を開催した。
会議はRWPPI代表の相澤氏による挨拶で幕を開けた。今春もDVDレコーダー新商品が各社より発表される中、大手メーカーのDVDレコーダーも次々にDVD-RWへの対応を発表している。業界の現状を指摘しながら相澤氏は「国内各社のレコーダー、ドライブをはじめとする記録型DVD機器のほぼ全モデルがDVD-R/DVD-RWを採用することとなった。デファクト・スタンダードの定義は難しいが、DVD-R/DVD-RWがまさにそれとなりつつあるという実感を得ている」とした。「ビクター様から発表された世界初のDVD-RWの2層ディスクについても、DVD-RWのアプリケーションを強くする大きなファクターとして心強く思っている。RWPPIとして今後も積極的にフォーマットの発展を目指してがんばっていきたい」と語った。
第30回定例会議からは、Thai Media Industries Co., Ltd.(タイ)、Info Source Multi Media Ltd.(香港)、Infosmart Technology Ltd.(香港)の3社が新たに加わった。これによりRWPPIの会員メンバーも合計70社となった。それぞれの企業からは代表者が登壇し、RWPPIのファミリーとして迎え入れられる喜びを顕わにした。
続いてRWPPI事務局からパイオニア(株)の森下氏が、RWPPIのイベント出展に関する報告を行った。始めに去る3月にドイツで行われた「CeBITハノーバー」の成果報告が行われた。本イベントでは18社による共同展示が行われ、メディア、ハードウェアの展示とデモンストレーションを交えたDVD-R/DVD-RWのプロモーションが展開された。「今回はジョイント・ラウンドロビンテストのセミナー発表も行い、欧州のマスコミや業界関係者にRWPPIの活動を詳細にアピールできた。会場で実施した来場者アンケートでは、欧州市場におけるDVD-RWの高い支持を確認できた」と森下氏は語った。
RWPPIは今期のショー運営のスタートとなるイベントとして、5月11日から中国・上海で開催される「CeBITアジア」への出展も計画している。本会議ではCeBITアジアのブースレイアウトなど一部についての詳細が明らかにされた。RWPPIでは今後、日本国内におけるジョイント・ラウンドロビンテストの発表会や、RWPPIが主催するラウンドロビンテスト(RRT)として、台湾のComputex Taipeiでのセミナーを開催も計画されていることが明らかになった。
「RWコンパチブル」表示の仕様規約変更に関する提案も、森下氏より本会議において提案された。現在の「RWコンパチブル」マークは、VR記録されたDVD-RWの再生に対応する機器のみに適用されてきた。今後はDVD-RWのVR記録、または再生が可能な機能に対してコンパチブル表示を行うよう規約を変更する案件が提案された。またPCアプリケーションについても、再生ソフトだけでなくDVDオーサリングソフトへも適用範囲が広げられる見込みだ。今回の提案により、今後RWコンパチブル表示の仕様規約変更の手続きがRWPPIにより進められることとなった。
また、本日の定例会議では音元出版が先に実施した「RWPPI会員アンケート」の結果報告が集まった会員メンバーに向けて行われ、各会員のRWPPI活動内容に関する意見・要望とともに詳細が伝えられた。
引き続いて三菱電機(株)、日本ビクター(株)より記録型DVD機器の新製品が紹介された。
三菱電機からは島元氏、畠中氏が登壇し、同社のDVDレコーダー「楽レコ」の新製品が紹介された。新しいDVDレコーダーでは、録画予約・再生機能、および録画済み番組の検索機能の性能向上が図られたほか、家族で使えるファミリーユース、大画面時代を意識した高画質化が実現された。それぞれの優れたパフォーマンスについては、会場において実機によるデモンストレーションが行われ、会員メンバーからの注目を集めていた。
日本ビクターからは松本氏が登壇し、先頃プレス発表が行われた片面2層記録に対応するDVD-RWディスクの詳細が説明された。DVD-RWの開発におけるリーディングカンパニーであるビクターは今回、ユーザーニーズに応えるべく1枚のディスクで8.5Gの大容量記録が可能なディスクを実現したと松本氏は語る。会議では新製品の開発経緯が詳しく語られるとともに、そのキーテクノロジーの概要が松本氏より紹介された。
今回の定例会議では、デジタルフォトの可能性を広げる共有スタンダードとして、フジフイルム、コダック、コニカ・ミノルタの3社が共同で推進するプロジェクトである「PASS(Picture Archiving and Sharing Standard)」の内容が富士写真フイルム(株)大塚氏より紹介された。大塚氏はPASSの大きなねらいとして、PCを使えない人にも簡単にデジタル写真を楽しんでもらえるインフラ・メディアをつくること、大量の画像を高速再生・検索するための機能をつくること、さらに現在の規格と上手に互換性を実現しつつ、デジタル写真の魅力を活かせる標準規格をつくることであるとした。PASSグループは2004年の発足以降、現在も規格の確立に向けた活動が3社で推し進められている。今夏にはライセンスの開始とSDKの供給を行い、夏から秋にかけてサービスを順次スタートさせて行きたいとする大塚氏は「デジタル写真がますます発展する今日、デジタル写真をより広範に、手軽に楽しみたいというユーザーのニーズに応えて行きたい」と抱負を語った。
会議の最後には東京大学大学院経済学研究科工学博士の小川紘一氏より、光ディスクにおけるビジネス・ストラテジーと標準化をテーマとした特別講演も実施された。
小川氏は「日本のものづくり論」についてプロダクト・アーキテクチャーの概念に沿いながら、オープンソース・アーキテクチャー、クローズド・アーキテクチャーそれぞれの強みと弱点を対比させながらDVDをはじめとする光ディスクの将来を検証した。小川氏はオープンソース・アーキテクチャーをベースに「スタンダード化」を目指していくビジネスは、日本のものづくりにおける隠れた弱みであると指摘する。しかしながら、ますます国際化する今日の市場競争の中では、スタンダード化を実現しながら同時に利益を獲得することが必要とされてくる。小川氏はこれを実現したケーススタディーについて、幾つかの実例を挙げつつ「同じビジネスアーキテクチャーの中で知的財産を標準化の中に組み込んでいくこと、ブランドを前面に打ち出した売り込みを行いながら、技術と標準化のリーダーになることが日本を勝ちパターンへ導いていくために必要である」とコメントした。
小川氏はまた、RWPPIの活動について「ラウンドロビンテストにおいても、ユーザーを大切にした製品開発を各社で目指しながら、非常にすばらしい活動を行っている。その恩恵を受けている人は世界で10億人に上るだろう」と高く評価した。今後も市場で注目を集めるであろうDVD-RWのフォーマットを成長させていくためには、ビクターが発表したDVD-RWの2層ディスクなども、世界が真似のできない独自技術を幾つも持つことも重要なカギである指摘した小川氏は、「これらの魅力的な製品を成長させていく上で、スタンダード化と利益をバランス良く追求して言ってほしい」と激励の言葉を会員メンバーに向けて贈った。
(Phile-web編集部)
会議はRWPPI代表の相澤氏による挨拶で幕を開けた。今春もDVDレコーダー新商品が各社より発表される中、大手メーカーのDVDレコーダーも次々にDVD-RWへの対応を発表している。業界の現状を指摘しながら相澤氏は「国内各社のレコーダー、ドライブをはじめとする記録型DVD機器のほぼ全モデルがDVD-R/DVD-RWを採用することとなった。デファクト・スタンダードの定義は難しいが、DVD-R/DVD-RWがまさにそれとなりつつあるという実感を得ている」とした。「ビクター様から発表された世界初のDVD-RWの2層ディスクについても、DVD-RWのアプリケーションを強くする大きなファクターとして心強く思っている。RWPPIとして今後も積極的にフォーマットの発展を目指してがんばっていきたい」と語った。
第30回定例会議からは、Thai Media Industries Co., Ltd.(タイ)、Info Source Multi Media Ltd.(香港)、Infosmart Technology Ltd.(香港)の3社が新たに加わった。これによりRWPPIの会員メンバーも合計70社となった。それぞれの企業からは代表者が登壇し、RWPPIのファミリーとして迎え入れられる喜びを顕わにした。
続いてRWPPI事務局からパイオニア(株)の森下氏が、RWPPIのイベント出展に関する報告を行った。始めに去る3月にドイツで行われた「CeBITハノーバー」の成果報告が行われた。本イベントでは18社による共同展示が行われ、メディア、ハードウェアの展示とデモンストレーションを交えたDVD-R/DVD-RWのプロモーションが展開された。「今回はジョイント・ラウンドロビンテストのセミナー発表も行い、欧州のマスコミや業界関係者にRWPPIの活動を詳細にアピールできた。会場で実施した来場者アンケートでは、欧州市場におけるDVD-RWの高い支持を確認できた」と森下氏は語った。
RWPPIは今期のショー運営のスタートとなるイベントとして、5月11日から中国・上海で開催される「CeBITアジア」への出展も計画している。本会議ではCeBITアジアのブースレイアウトなど一部についての詳細が明らかにされた。RWPPIでは今後、日本国内におけるジョイント・ラウンドロビンテストの発表会や、RWPPIが主催するラウンドロビンテスト(RRT)として、台湾のComputex Taipeiでのセミナーを開催も計画されていることが明らかになった。
「RWコンパチブル」表示の仕様規約変更に関する提案も、森下氏より本会議において提案された。現在の「RWコンパチブル」マークは、VR記録されたDVD-RWの再生に対応する機器のみに適用されてきた。今後はDVD-RWのVR記録、または再生が可能な機能に対してコンパチブル表示を行うよう規約を変更する案件が提案された。またPCアプリケーションについても、再生ソフトだけでなくDVDオーサリングソフトへも適用範囲が広げられる見込みだ。今回の提案により、今後RWコンパチブル表示の仕様規約変更の手続きがRWPPIにより進められることとなった。
また、本日の定例会議では音元出版が先に実施した「RWPPI会員アンケート」の結果報告が集まった会員メンバーに向けて行われ、各会員のRWPPI活動内容に関する意見・要望とともに詳細が伝えられた。
引き続いて三菱電機(株)、日本ビクター(株)より記録型DVD機器の新製品が紹介された。
三菱電機からは島元氏、畠中氏が登壇し、同社のDVDレコーダー「楽レコ」の新製品が紹介された。新しいDVDレコーダーでは、録画予約・再生機能、および録画済み番組の検索機能の性能向上が図られたほか、家族で使えるファミリーユース、大画面時代を意識した高画質化が実現された。それぞれの優れたパフォーマンスについては、会場において実機によるデモンストレーションが行われ、会員メンバーからの注目を集めていた。
日本ビクターからは松本氏が登壇し、先頃プレス発表が行われた片面2層記録に対応するDVD-RWディスクの詳細が説明された。DVD-RWの開発におけるリーディングカンパニーであるビクターは今回、ユーザーニーズに応えるべく1枚のディスクで8.5Gの大容量記録が可能なディスクを実現したと松本氏は語る。会議では新製品の開発経緯が詳しく語られるとともに、そのキーテクノロジーの概要が松本氏より紹介された。
今回の定例会議では、デジタルフォトの可能性を広げる共有スタンダードとして、フジフイルム、コダック、コニカ・ミノルタの3社が共同で推進するプロジェクトである「PASS(Picture Archiving and Sharing Standard)」の内容が富士写真フイルム(株)大塚氏より紹介された。大塚氏はPASSの大きなねらいとして、PCを使えない人にも簡単にデジタル写真を楽しんでもらえるインフラ・メディアをつくること、大量の画像を高速再生・検索するための機能をつくること、さらに現在の規格と上手に互換性を実現しつつ、デジタル写真の魅力を活かせる標準規格をつくることであるとした。PASSグループは2004年の発足以降、現在も規格の確立に向けた活動が3社で推し進められている。今夏にはライセンスの開始とSDKの供給を行い、夏から秋にかけてサービスを順次スタートさせて行きたいとする大塚氏は「デジタル写真がますます発展する今日、デジタル写真をより広範に、手軽に楽しみたいというユーザーのニーズに応えて行きたい」と抱負を語った。
会議の最後には東京大学大学院経済学研究科工学博士の小川紘一氏より、光ディスクにおけるビジネス・ストラテジーと標準化をテーマとした特別講演も実施された。
小川氏は「日本のものづくり論」についてプロダクト・アーキテクチャーの概念に沿いながら、オープンソース・アーキテクチャー、クローズド・アーキテクチャーそれぞれの強みと弱点を対比させながらDVDをはじめとする光ディスクの将来を検証した。小川氏はオープンソース・アーキテクチャーをベースに「スタンダード化」を目指していくビジネスは、日本のものづくりにおける隠れた弱みであると指摘する。しかしながら、ますます国際化する今日の市場競争の中では、スタンダード化を実現しながら同時に利益を獲得することが必要とされてくる。小川氏はこれを実現したケーススタディーについて、幾つかの実例を挙げつつ「同じビジネスアーキテクチャーの中で知的財産を標準化の中に組み込んでいくこと、ブランドを前面に打ち出した売り込みを行いながら、技術と標準化のリーダーになることが日本を勝ちパターンへ導いていくために必要である」とコメントした。
小川氏はまた、RWPPIの活動について「ラウンドロビンテストにおいても、ユーザーを大切にした製品開発を各社で目指しながら、非常にすばらしい活動を行っている。その恩恵を受けている人は世界で10億人に上るだろう」と高く評価した。今後も市場で注目を集めるであろうDVD-RWのフォーマットを成長させていくためには、ビクターが発表したDVD-RWの2層ディスクなども、世界が真似のできない独自技術を幾つも持つことも重要なカギである指摘した小川氏は、「これらの魅力的な製品を成長させていく上で、スタンダード化と利益をバランス良く追求して言ってほしい」と激励の言葉を会員メンバーに向けて贈った。
(Phile-web編集部)