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公開日 2006/04/24 18:42
実用化が見えてきたリムーバブルHDD「iVDR」 − セミナーで最新動向が明らかに
iVDRハードディスクドライブ・コンソーシアムは本日、リムーバブルHDD「iVDR」と著作権保護技術「SAFIA」の最新動向を発表する説明会を開催した。
iVDRは、iVDRハードディスクドライブ・コンソーシアムが標準化を目指すリムーバブル型のHDDドライブ。コンソーシアムにはキヤノンや富士通、日立製作所、パイオニア、三洋電機、シャープ、日本ビクターなど56社が加盟している。これまで数年間に渡り規格策定作業を行い、CEATECなどでもたびたび試作機を展示してきた。
昨年4月に設立された「SAFIA」ライセンスグループがiVDR用コンテンツ保護技術を開発し、このコンテンツ保護技術を搭載したiVDRが社団法人 電波産業会(ARIB)から、デジタルテレビ放送の記録メディアとして正式に認可された。コンソーシアムの代表を務める三洋電機(株)の日置敏昭氏は、「ARIBから認可を受けたことで、家庭用AV機器への展開が可能になった」と胸を張る。
日置氏は、iVDRコンソーシアムとSAFIAライセンスグループについて、「よく間違われるが全く別の団体。iVDRについては協調して活動している」と説明。iVDRコンソーシアムは技術規格を決めるほか、機器審査やロゴマークの管理を行うという。SAFIAライセンスグループは、コンテンツ保護技術の規格書を策定し、証明書を発行する組織だ。コンテンツ保護技術を搭載したiVDR機器を販売する場合には、iVDRコンソーシアムに入会し、さらにSAFIAとライセンス契約を行う必要がある。
また日置氏は、コンテンツ保護技術を搭載したiVDRを「iVDR-Secure」、同じく組み込みタイプのものを「iVDR-Secure Built-in」という名称とすることを発表し、これらのロゴマークも公開した。
iVDR規格の詳細については、シャープ(株)の菱川薫氏が説明。iVDRには、現在2.5インチのiVDRと、1.8インチのiVDR Mini、1インチのiVDR Microの3規格がある。このうち、一番小さいMicro以外は仕様が確定している。iVDRとiVDR Miniのコネクタ部は共通で、Microは別の形状になる予定だ。
なお、セキュア対応でない通常のiVDRは、アイ・オー・データ機器より既に発売されている。価格は30GBのiVDR Miniが19,800円、40GBのiVDRが16,800円、80GBのiVDRが29,800円。iVDR-Secureについては、データ領域を分けるなどの対応が必要なため、多少のコストアップが予想されるという。
また、組み込みタイプの「iVDR-Secure Built-in」規格については、「通常のシリアルATAのHDDにiVDRのセキュリティ機能を持たせたもの」と説明。1.8インチ、2.5インチに加え、デスクトップPCで多く使われている3.5インチも用意していることを説明し、「3.5インチでは大容量が実現できるので、ハイビジョン録画を行うビデオレコーダーに最適」とした。「従来、レコーダーを買い換える時に、元のレコーダーに記録したコンテンツを新しい機器に引き継ぐことはできなかった。セキュアにコンテンツを扱えるiVDRなら、このような要求にも応えることができ、メンテナンス性が向上する」という。
前述したとおり、ハードウェア規格はiVDR Micro以外で固まっており、アプリケーションデータフォーマットもテレビ録画用、オーディオ記録用、静止画記録用の3つが策定済み。今後はビデオカメラ用、電子アルバム用、カーナビ用などのデータフォーマットを策定予定という。
SAFIA技術とライセンスについては、日立製作所の助田裕史氏が説明を行った。SAFIAライセンスグループは2005年4月に、日立製作所、パイオニア、三洋電機、シャープの4社が立ち上げた組織で、今年3月14日付けで、D-PaとBPAからiVDR用コンテンツ保護技術の認定を取得した。
SAFIAでは、ハードディスクをATAコマンド領域とSAFIA拡張コマンド領域に分け、ATA領域には暗号化コンテンツを、SAFIA領域には証明書や暗号カギのデータを記録する。
最大の特徴は、iVDRの特徴を活かし、高速なコンテンツ移動を行える点。iVDRのインターフェースはシリアルATAに準拠しており、1.5Gbpsのデータ転送が可能だが、実際の転送速度はHDDの速度に依存する。
会場には、iVDRの応用例として、カーナビやSTB、PC、レコーダーなどの試作機が展示された。
シャープの試作機は、本体にiVDR-Secure/iVDR-Secure Miniのドライブを内蔵し、さらに外付けのiVDRリーダーも接続。HDD容量を自由に増強することができるほか、たとえば家族で別々のiVDRを持ち、録画コンテンツを各人で管理する、といった使い方もできる。
また同試作機では、あらかじめ暗号化したコンテンツをiVDRに収録し、再生時には複合カギのみを購入し、再生するというデモも実施。コンテンツのパッケージ販売に利用できるという。試作機では、カギを購入するために「お客様番号」と「認証番号」を入力する必要があり、これらの情報を一元管理する団体が必要だが、説明員によると「もし実用化するときにはSAFIAが管理を行うことになるだろう」という。
【問い合わせ先】
iVDRコンソーシアム 事務局
TEL/0584-64-4580
(Phile-web編集部)
iVDRは、iVDRハードディスクドライブ・コンソーシアムが標準化を目指すリムーバブル型のHDDドライブ。コンソーシアムにはキヤノンや富士通、日立製作所、パイオニア、三洋電機、シャープ、日本ビクターなど56社が加盟している。これまで数年間に渡り規格策定作業を行い、CEATECなどでもたびたび試作機を展示してきた。
日置氏は、iVDRコンソーシアムとSAFIAライセンスグループについて、「よく間違われるが全く別の団体。iVDRについては協調して活動している」と説明。iVDRコンソーシアムは技術規格を決めるほか、機器審査やロゴマークの管理を行うという。SAFIAライセンスグループは、コンテンツ保護技術の規格書を策定し、証明書を発行する組織だ。コンテンツ保護技術を搭載したiVDR機器を販売する場合には、iVDRコンソーシアムに入会し、さらにSAFIAとライセンス契約を行う必要がある。
また日置氏は、コンテンツ保護技術を搭載したiVDRを「iVDR-Secure」、同じく組み込みタイプのものを「iVDR-Secure Built-in」という名称とすることを発表し、これらのロゴマークも公開した。
iVDR規格の詳細については、シャープ(株)の菱川薫氏が説明。iVDRには、現在2.5インチのiVDRと、1.8インチのiVDR Mini、1インチのiVDR Microの3規格がある。このうち、一番小さいMicro以外は仕様が確定している。iVDRとiVDR Miniのコネクタ部は共通で、Microは別の形状になる予定だ。
なお、セキュア対応でない通常のiVDRは、アイ・オー・データ機器より既に発売されている。価格は30GBのiVDR Miniが19,800円、40GBのiVDRが16,800円、80GBのiVDRが29,800円。iVDR-Secureについては、データ領域を分けるなどの対応が必要なため、多少のコストアップが予想されるという。
また、組み込みタイプの「iVDR-Secure Built-in」規格については、「通常のシリアルATAのHDDにiVDRのセキュリティ機能を持たせたもの」と説明。1.8インチ、2.5インチに加え、デスクトップPCで多く使われている3.5インチも用意していることを説明し、「3.5インチでは大容量が実現できるので、ハイビジョン録画を行うビデオレコーダーに最適」とした。「従来、レコーダーを買い換える時に、元のレコーダーに記録したコンテンツを新しい機器に引き継ぐことはできなかった。セキュアにコンテンツを扱えるiVDRなら、このような要求にも応えることができ、メンテナンス性が向上する」という。
前述したとおり、ハードウェア規格はiVDR Micro以外で固まっており、アプリケーションデータフォーマットもテレビ録画用、オーディオ記録用、静止画記録用の3つが策定済み。今後はビデオカメラ用、電子アルバム用、カーナビ用などのデータフォーマットを策定予定という。
SAFIA技術とライセンスについては、日立製作所の助田裕史氏が説明を行った。SAFIAライセンスグループは2005年4月に、日立製作所、パイオニア、三洋電機、シャープの4社が立ち上げた組織で、今年3月14日付けで、D-PaとBPAからiVDR用コンテンツ保護技術の認定を取得した。
SAFIAでは、ハードディスクをATAコマンド領域とSAFIA拡張コマンド領域に分け、ATA領域には暗号化コンテンツを、SAFIA領域には証明書や暗号カギのデータを記録する。
最大の特徴は、iVDRの特徴を活かし、高速なコンテンツ移動を行える点。iVDRのインターフェースはシリアルATAに準拠しており、1.5Gbpsのデータ転送が可能だが、実際の転送速度はHDDの速度に依存する。
会場には、iVDRの応用例として、カーナビやSTB、PC、レコーダーなどの試作機が展示された。
シャープの試作機は、本体にiVDR-Secure/iVDR-Secure Miniのドライブを内蔵し、さらに外付けのiVDRリーダーも接続。HDD容量を自由に増強することができるほか、たとえば家族で別々のiVDRを持ち、録画コンテンツを各人で管理する、といった使い方もできる。
また同試作機では、あらかじめ暗号化したコンテンツをiVDRに収録し、再生時には複合カギのみを購入し、再生するというデモも実施。コンテンツのパッケージ販売に利用できるという。試作機では、カギを購入するために「お客様番号」と「認証番号」を入力する必要があり、これらの情報を一元管理する団体が必要だが、説明員によると「もし実用化するときにはSAFIAが管理を行うことになるだろう」という。
【問い合わせ先】
iVDRコンソーシアム 事務局
TEL/0584-64-4580
(Phile-web編集部)