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公開日 2006/07/21 16:25

読者の「こんな製品が欲しい!」を大公開(AV編その1)

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先日、Phile-web上で読者のみなさまの欲しい製品を募集したところ、数多くのご意見をいただきました。本当にありがとうございました。頂いたご意見をAV編とオーディオ編に分けてご紹介させていただきます。

なお、本当に多くのご意見を頂戴したので、全てをご紹介することはできません。掲載できなかった方には誠に申し訳ありません。

◆「縦型の薄いDVDレコーダー」が欲しい!

T.K.さん(42歳)は、「縦型の薄いDVDレコーダー」が欲しいと熱望しているようです。

「薄型テレビと同じ程度の薄さで、薄型テレビの下に設置して使用できるもの。スペースファクターがよく、見た目にもすっきりします。また、壁に埋め込んで使えばインテリアとしても使えます。シャープさんの製品で、DVDプレーヤーとアンプをあわせた縦型の薄いAVコンポがありますが、なぜDVDレコーダーで縦型がないのか不思議です。特に日本の狭い部屋にはベストマッチでしょう。難点は配線でしょうか」。

たしかに数年前は、ソニーなどから縦置き・薄型のDVDプレーヤーが数多く発売されていましたよね。DVDレコーダーも小型・薄型化が進んでいますから、縦置き可能な製品も開発できるはず。出せば結構売れるような気がします。なお、T.K.さんは縦置きできる薄型AVアンプも欲しい、とのことです。

◆「フロント専用3.1chAVアンプ」が欲しい!

AVアンプでは、RYUさん(33歳)が「フロント専用3.1chAVアンプ」を希望しています。RYUさんがはじめてプロジェクターを導入した際、2ch音声に大きなインパクトを受けたそうで、一度AVアンプを購入して5.1ch環境を構築したにもかかわらず、また2chに戻してしまったとのこと。

「ただ、2chでは映画のセリフ、重低音が少し物足りない気も感じるのが正直な感想です。音楽の再生のみでしたら、2chで十分ですが。そこで、フロント2ch+センター1ch+ウーファー0.1chの、「フロント専用3.1chAVアンプ」を発売して欲しいと思います。正直、これでそこそこのシステムで組めば、下手な5.1や7.1よりもいい音で楽しむことができると思います。

これなら、全面部分のみのスピーカー配置で部屋も広く使えるしピュアオーディオ再生も十分なイメージ再生ができるかも、と思います。価格的には、内容にもよりますが15万円までなら考えます。アキュフェーズが作るなら20万円までなら買いますね(作らないでしょうけど…)」。


RYUさんは恐らく、サラウンドの包囲感より、ビシッと定位したソリッドな音が好きなのでしょうね。同じような好みの方も意外と多そうです。メーカーからしてみたら、フロントだけに限定するのは勇気がいるでしょうが。

◆「フロントサラウンド真空管HiFiアンプ」が欲しい!

同じく、フロント再生のアンプでは、han-youさん(48歳)からシンプルなコメントを頂きました。

「フロントサラウンド真空管HiFiアンプ。真空管での生々しいフロントサラウンド再生音が聴きたい」。

フロントサラウンドと真空管という一見ミスマッチな組み合わせながら、どんな音がするんだろう、としばし夢想してしまいました。これは、フロントサラウンド用の単体プロセッサーが登場すれば、通常の真空管アンプと組み合わせることで実現できそうですね。ビクターが発売しているヘッドホン用サラウンドアダプター「SU-DH1」が好調のようですので、家庭内で使用する製品が登場してもおかしくありません。

◆「映像回路を省いたAVアンプ」が欲しい!

アンプに映像回路は要らない! と主張するのは、ばちんさん(32歳)。

「映像入出力の付いていない音声信号のみを扱うAVアンプが欲しい。今までほとんど発売されていないのが不思議。映像機器にAVアンプを介さないで映像を入力したほうが良いだろうし、映像回路が無い方が確実に音質がアップするだろうから」。

海外や一部国産メーカーの高級品では、映像回路を省いたり、専用ボードで追加できるものもありますが、いかんせん高価ですよね。低〜中価格帯でこういう製品があってもいいじゃないか、というご提案だと思いますが、メーカーさん、いかがでしょうか?

◆「MOS-FETシングルプッシュプル構成を採用したAVセンター」が欲しい!

同じくアンプ周りでは、Roadbusterさん(32歳)からデバイスにこだわったご意見をいただきました。長いので少し削らせて頂きます。

「出力段にMOS-FETシングルプッシュプル構成を採用したAVセンターが欲しい。昨今のAVセンターは、出力段がバイポーラ型ばかり。国産の例外としてPioneerのAXシリーズが存在するものの、それとて下位製品にはバイポーラ系の素子を採用した。結果、他社の競合製品と比べ、出力ワット数で見劣りしなくなったかもしれないが、引き換えにオーディオメーカーとしての評価に傷をつけたように思えてならない。

一人のオーディオファイルとして、この流れは出力の数値にオーディオ的な絶対的価値があるかのような誤解を生みかねないと危惧している。『ワット数がアンプの力の優劣を決める』というのは、乗り物で言えば『馬力さえあれば速い』という理屈に近いのではないか。オーディオメーカーは、そんな認識を助長すべきではない。

オーディオ的な快感を抜きに、今後のAVセンターは語れないし、評価もされないと思う。結局のところ、AVセンターも音こそが肝要なのだ。BDやHD DVDの普及が進めば、オーディオ的なクォリティの重要性はさらに高まるのだろう。ワット数など見る必要はないと、聴けば耳が理解する―そんな製品が、その時存在していなければならない。少なくとも私は、そういう製品が絶えないことを切に望む。

個人的な希望で言えば、出力素子としてMOS-FETを、電源にはそれに見合うものを。そして比較的手頃な価格帯にも、そうした製品を。せいぜい6ch程度でかまわない。MOSシングルプッシュプルのディスクリート構成を生かし、ハイスピードな駆動力をもって、ソースに刻まれたものを忠実かつ克明に描く。スピーカーを駆動する限り、AVセンターもまたオーディオアンプでもあるのだと、カタログの数値ではなくその音で語ってほしい。

例えば、DENON自慢のUHC-MOSをAVセンターに。あるいは、PioneerはA.D.E. MOS-FETを守り続けること。カタログスペックなど気にせず、聴けば惚れるモノで勝負を。そのために、これまで育ててきたMOSという財産を捨ててはならない。アンプは優れた新機軸を有するより熟成を重ねたものの方が強く、そして愛されるのだから」。


オーディオに限らず、数値競争というのはどこの世界でも見受けられます。カメラの画素数しかり、CPUのクロックスピードしかり。PCなど実用性を追い求める製品ではスペック競争はそれなりに意味がありますが、仰るようにオーディオは聴く人に感動を届ける“感性領域”の製品ですから、数値競争だけに偏ってしまうとバランスを欠いてしまいますよね。

薄型テレビの価格下落が連日のようにメディアを賑わせていますが、AVアンプやホームシアターシステムも、同じように価格がどんどん下がり続けており、メーカーが利益を上げづらい構造になりつつあります。適正な利益を得られなければ次世代製品の開発が行えないわけですから、Roadbusterさんのご提案のように、過去の資産をしっかりと継承しつつ、聴く者に感動を届けることのできる素晴らしいプロダクトを、適正な価格で提供することが必要になってくると思います。

<次回に続く>

(Phile-web編集部)

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