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公開日 2012/05/11 19:00
パナソニック、11年度は7,722億円の赤字、今期は黒字化へ − 有機ELパネル投資は「他社と共同で」
2012年度の事業方針も発表
パナソニックは、2011年度の連結決算を発表した。売上高は7兆8,462億円、営業利益は437億円。純損益は7,722億円の赤字だった。
会見に出席した同社の上野山 実氏は、今回の決算のポイントについて、世界的な景気低迷や超円高、タイの洪水などの影響を受け、大幅な減収・減益となったと説明。また、薄型テレビのパネル事業など、課題事業の抜本的な対策と新体制構築に向けた構造改革を行うことで、過去最大の純損失を計上した。
一方で営業利益については、10-12月の第3四半期をそこに、増益基調へ転換したと上野山氏は説明した。
薄型テレビやレコーダーなどを含むAVCネットワークスグループの売上高は前年比21%減の1兆7,135億円。営業損益は678億円の赤字となった。ノートPCなどの売上げが前年度を上回ったが、薄型テレビやデジカメなどの売上げが減少し、減収となった。営業損益は売上の減少や価格低下の影響から678億円の赤字となった。
2012年度については、売上高8兆1,000億円を目標とする。営業利益は2,600億円、純利益は500億円をそれぞれ見込む。
■2012年度の事業方針も発表
同社はまた、2012年度の事業方針も発表。大坪文雄社長が内容を説明した。
今年度の事業方針では、上述の2012年度の売上高・利益目標達成するため、「収益にこだわる」「商品を鍛える」「自ら変わる・変える」の3項目をグループ共通の基本指針とする。
1点目の「収益にこだわる」では、テレビ事業など課題事業の再建に力を入れる。
テレビ事業では、昨年度実施した大規模な事業構造改革の成果を今期にしっかり反映させる。テレビセット事業は不採算モデルの絞り込み、原価構築の徹底によるコストダウンの徹底により、黒字化を目指す。またパネル事業は固定費の低減、医療やタブレット、電子黒板など、非テレビ分野へのシフトで収支の大幅な改善を目指していく。
また成長事業での増益も追求。ソーラー事業、リチウムイオン電事業での増益を図る。さらにアプライアンス事業を強化。今年度は全世界と全商品で成長機会を追求し、海外では前年比120%の売上を目指す。
2点目の「商品を鍛える」については、テレビはビエラのスマート機能に現地コンテンツを掛け合わせ、現地ならではの価値を生み出す提案を、インドを皮切りに世界中で展開。また白物家電についても販売する現地の状況に合わせた商品開発を徹底する。
3点目の「自ら変わる・変える」では、「壁を超える」「地域主導での変革」「本社機能改革」の3つをポイントに挙げている。
またドメイン別の、2012年度の主要施策も発表した。AVCネットワークスでは、黒字化の必達とテレビ事業の収支大幅改善を目指し、非テレビ・非コモディティ事業へのリソースシフトも行う。さらに次世代の柱となる事業の創出も図っていく。
大坪社長は、今年度の事業について「有言実行でV字回復を成し遂げる」と宣言。今後の業績回復を力強く宣言した。
以下、決算発表と事業方針説明のあとに行われた質疑応答を紹介する。なお、質問にはほぼすべて大坪文雄社長が答えた。
Q:大坪社長にとっては、今回が最後の事業方針説明の機会となる。在任期間を振り返って率直な感想を聞かせて欲しい。
A:一言で言えば、内外とも激動の6年間だった。色々なことが次々に起こったが、これらはグローバル企業としてすべて起こりうるものではあった。だが、やはり激変ではあった。また直近では大きな赤字を計上してしまったが、全社員が目を下に落とすことなく、前を向いてやっている。今後成長を行うための対策を行った。
Q:テレビ事業で、パネルへの投資に失敗した。有機ELへの投資を行うと言う話もあるが、テレビ用パネルの投資スタンスについて改めて教えて欲しい。
A:薄型テレビ向けパネル工場については、結果として過剰投資になったと考えている。投資を決断したのは2006年。その後環境が変わり、結果として投資が回収できなくなった。大きな反省をしているのはもちろんだ。だが、テレビは社会の変革をリードしてきた家電商品。テレビの必要性は今後も変わらないと考えている。
これまでテレビセットを売ることを中心に考えてきたが、いまは非テレビ用途も開拓している。単にテレビを売るということだけでなく、パネルとして、たとえば曲げられるテレビなど、新たな用途提案をいかにできるかがポイントになるだろう。プラズマや液晶での投資の経験をふまえ、1社で投資する可能性は極めて低い。他社と共同で投資を行うことになるだろう。
Q:テレビ事業の台数ベース、利益ベースの実績と見通しを教えて欲しい。
A:パナソニックブランドのテレビセットの2011年度の実績は、プラズマが約450万台、液晶は約900万台弱。合計すると1350万台強だった。2012年度はプラズマテレビが約250万台、液晶は約1,000万台を見込んでいる。利益については、2012年度に1,300億円の利益改善を見込んでいる。
Q:テレビの売上高を推察するに、昨年度は6,800億円前後と見ているのだが、これが今年度はどうなるか。割合でも良いので教えて欲しい。
A:テレビセットの台数では、昨年度比で100万台販売数が落ちると予想している。ただし、プラズマは50V型以上が70%になり、液晶も40V型以上が30%になる。売上で言うと、約1割ほど落ちる計算だ。
会見に出席した同社の上野山 実氏は、今回の決算のポイントについて、世界的な景気低迷や超円高、タイの洪水などの影響を受け、大幅な減収・減益となったと説明。また、薄型テレビのパネル事業など、課題事業の抜本的な対策と新体制構築に向けた構造改革を行うことで、過去最大の純損失を計上した。
一方で営業利益については、10-12月の第3四半期をそこに、増益基調へ転換したと上野山氏は説明した。
薄型テレビやレコーダーなどを含むAVCネットワークスグループの売上高は前年比21%減の1兆7,135億円。営業損益は678億円の赤字となった。ノートPCなどの売上げが前年度を上回ったが、薄型テレビやデジカメなどの売上げが減少し、減収となった。営業損益は売上の減少や価格低下の影響から678億円の赤字となった。
2012年度については、売上高8兆1,000億円を目標とする。営業利益は2,600億円、純利益は500億円をそれぞれ見込む。
■2012年度の事業方針も発表
同社はまた、2012年度の事業方針も発表。大坪文雄社長が内容を説明した。
今年度の事業方針では、上述の2012年度の売上高・利益目標達成するため、「収益にこだわる」「商品を鍛える」「自ら変わる・変える」の3項目をグループ共通の基本指針とする。
1点目の「収益にこだわる」では、テレビ事業など課題事業の再建に力を入れる。
テレビ事業では、昨年度実施した大規模な事業構造改革の成果を今期にしっかり反映させる。テレビセット事業は不採算モデルの絞り込み、原価構築の徹底によるコストダウンの徹底により、黒字化を目指す。またパネル事業は固定費の低減、医療やタブレット、電子黒板など、非テレビ分野へのシフトで収支の大幅な改善を目指していく。
また成長事業での増益も追求。ソーラー事業、リチウムイオン電事業での増益を図る。さらにアプライアンス事業を強化。今年度は全世界と全商品で成長機会を追求し、海外では前年比120%の売上を目指す。
2点目の「商品を鍛える」については、テレビはビエラのスマート機能に現地コンテンツを掛け合わせ、現地ならではの価値を生み出す提案を、インドを皮切りに世界中で展開。また白物家電についても販売する現地の状況に合わせた商品開発を徹底する。
3点目の「自ら変わる・変える」では、「壁を超える」「地域主導での変革」「本社機能改革」の3つをポイントに挙げている。
またドメイン別の、2012年度の主要施策も発表した。AVCネットワークスでは、黒字化の必達とテレビ事業の収支大幅改善を目指し、非テレビ・非コモディティ事業へのリソースシフトも行う。さらに次世代の柱となる事業の創出も図っていく。
大坪社長は、今年度の事業について「有言実行でV字回復を成し遂げる」と宣言。今後の業績回復を力強く宣言した。
以下、決算発表と事業方針説明のあとに行われた質疑応答を紹介する。なお、質問にはほぼすべて大坪文雄社長が答えた。
Q:大坪社長にとっては、今回が最後の事業方針説明の機会となる。在任期間を振り返って率直な感想を聞かせて欲しい。
A:一言で言えば、内外とも激動の6年間だった。色々なことが次々に起こったが、これらはグローバル企業としてすべて起こりうるものではあった。だが、やはり激変ではあった。また直近では大きな赤字を計上してしまったが、全社員が目を下に落とすことなく、前を向いてやっている。今後成長を行うための対策を行った。
Q:テレビ事業で、パネルへの投資に失敗した。有機ELへの投資を行うと言う話もあるが、テレビ用パネルの投資スタンスについて改めて教えて欲しい。
A:薄型テレビ向けパネル工場については、結果として過剰投資になったと考えている。投資を決断したのは2006年。その後環境が変わり、結果として投資が回収できなくなった。大きな反省をしているのはもちろんだ。だが、テレビは社会の変革をリードしてきた家電商品。テレビの必要性は今後も変わらないと考えている。
これまでテレビセットを売ることを中心に考えてきたが、いまは非テレビ用途も開拓している。単にテレビを売るということだけでなく、パネルとして、たとえば曲げられるテレビなど、新たな用途提案をいかにできるかがポイントになるだろう。プラズマや液晶での投資の経験をふまえ、1社で投資する可能性は極めて低い。他社と共同で投資を行うことになるだろう。
Q:テレビ事業の台数ベース、利益ベースの実績と見通しを教えて欲しい。
A:パナソニックブランドのテレビセットの2011年度の実績は、プラズマが約450万台、液晶は約900万台弱。合計すると1350万台強だった。2012年度はプラズマテレビが約250万台、液晶は約1,000万台を見込んでいる。利益については、2012年度に1,300億円の利益改善を見込んでいる。
Q:テレビの売上高を推察するに、昨年度は6,800億円前後と見ているのだが、これが今年度はどうなるか。割合でも良いので教えて欲しい。
A:テレビセットの台数では、昨年度比で100万台販売数が落ちると予想している。ただし、プラズマは50V型以上が70%になり、液晶も40V型以上が30%になる。売上で言うと、約1割ほど落ちる計算だ。