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公開日 2012/10/18 16:24
JVC、新構造“ライブビートシステム”採用カナル型イヤホン「HA-FXZシリーズ」
リアルな重低音を実現する「ストリームウーファー」搭載
JVCケンウッドは、JVCブランドから新構造「ライブビートシステム」を採用した新しいカナル型イヤホン「FXZシリーズ」を発表。11月下旬から「HA-FXZ200」「HA-FXZ100」の2モデルを発売する。
価格はオープンだが、予想実売価格はそれぞれ下記の通り。
・HA-FXZ200/¥OPEN(予想実売価格25,000円前後)
・HA-FXZ100/¥OPEN(予想実売価格18,000円前後)
ともにJVCブランドのカナル型イヤホンとして、新たなフラグシップモデルに位置づけられる。本体の外観基本色はブラックで、FXZ200はゴールド、FXZ100はシルバーのリング形状のパーツを配置し、デザインにアクセントを加えている。ハウジングの背面は、赤と青に色分けされており、LRが簡単に識別できるようになっている。
本機にはJVCケンウッドの独自開発による2つの大きな基幹技術が投入されている。新開発の重低音再生用ユニット「ストリームウーファー」と、これに中高音用ユニットを組み合わせることによって、リアルな重低音と高解像な中高域の両立するサウンドを実現させる「ライブビートシステム」だ。
「ストリームウーファー」の開発経緯と技術要素については、JVCケンウッド ホーム&モバイル事業グループ HM技術統括部 商品設計第三部 シニアエンジニアリングスペシャリストの三浦拓二氏が説明を行った。
「リアルな重低音と解像度の高い中高音の両立」が本機の音づくりのテーマだったという。三浦氏が「リアルな」と強調する背景には、実際に低音の量だけでなく、高い分解能やDレンジを兼備する重低音を再現したいという目標がそこにあったからだ。そして、重低音のみならず、中高域まですべての音域をクリアに再現することを、同社の開発陣は追求してきた。
FXZシリーズはダイナミック型のイヤホンである。本機で課題となったのは、小さな筐体をキープしながら、かつ1つの振動板を使って、中高域に悪影響を及ぼさずに良質な重低音を再現することだった。そこで、同社のエンジニアは、中高域成分をカットしたダイナミック型の「超小型スーパーウーファー」の開発をゼロからスタートし、進めてきた。
中高域成分をカットするために、同社のエンジニアは音響的なアプローチからスピーカーシステムの「ケルトン方式」に着目した。ドライバーユニットの前後を筐体で包みこんで、ダクトから音を出す構造を採れば、音響的に中高域100Hzをカットオフしながら良質な重低音が出力できる。このスピーカーシステムにおける手法を、イヤホンに応用する術を考えた。
理論上、小型イヤホンの筐体で中高域をカットするためには、極細で長尺のダクトが必要になる。そこで同社では注射器の針なども用意しながら、太さと長さに関する試作を重ね、0.4mm口径/長さ30mmの「ストリームダクト」を搭載する8.8mm口径のスーパーウーファーを完成させた。こうして新開発の「ストリームウーファー」が完成した。
この「ストリームウーファー」と、中高域専用ユニットとを組み合わせて新構造の「ライブビートシステム」として搭載し、FXZシリーズを製品としてまとめ上げてきた経緯については、同社ホーム&モバイル事業グループ HM技術統括部 商品設計第三部 第一設計グループの田村信司氏が説明を続けた。
イヤホン後側の円形部には、ステンレス製の「ストリームダクト」が最適な形状に曲げ加工され配置されている。「ストリームウーファー」自体は3つの部品で構成されている。8.8mm口径のカーボン振動板を採用したウーファーに、金属製のブラスユニットベースを組み込み、前後に空間スペースを設けている。そして振動板の動きで発生した音がストリームダクトを通過して、本体の音道出口に向かう構造となっている。
ストリームウーファーと中高音域ユニットを組み合わせ、最適化した新構造を「ライブビートシステム」として採用した。中高域は同社のイヤホン「HA-FXT90」(関連ニュース)にも採用されている5.8mm口径のユニットをツインで搭載。ストリームウーファーに劣らないパワーを獲得させた。上側のユニットはカーボンナノチューブ振動板、下側のユニットにはカーボン振動板をメタルユニットベースに組み込むかたちとしている。
なお、本機の「ツインシステムユニット」は、中高域の解像度を高めるために専用チューニングが施されている。カーボンナノチューブ振動板は薄膜・軽量化。ネオジウムマグネットは磁力を強化し、リニアに駆動できるようにした。またメタルユニットベースに真鍮を採用し、ユニットの振動に対してロスの発生を押さえ込んでいる。
なお、上位機のFXZ200については、比重の大きい金属素材である真鍮をブラスユニットベースに採用。ケーブルの芯線は銀コート処理のOFCとした。FXZ100はアルミユニットベースを採用し、ケーブルはOFC芯線。
これらの仕様を盛り込むことにより、FXZ200は5Hz〜26kHz、FXZ100は6Hz〜26kHzの再生周波数帯域をサポートした。両機種ともにインピーダンスは16Ω、出力音圧レベルは96dB/1mW。
ケーブルの長さはY型1.2mで、ストレート型の金メッキ処理ミニプラグを採用。付属品はシリコン製のL/M/Sイヤーピース。およびコードキーパー、クリップ、キャリングケースなど。
新しい「FXZシリーズ」の商品展開については、続いて登壇した同社ホーム&モバイル事業グループ AVC統括部 事業推進部 商品企画グループ グループ長の星野達朗氏が今後の計画を語った。
「昨今はキレ重視のモニター系と重低音タイプのヘッドホンという、2つの大きなトレンドがあるが、それらの嗜好を両立したヘッドホン、イヤホンを実現することは難しかった。この領域を何とか実現したいと考えて、今回FXZシリーズを企画した」という星野氏。「本機を商品化に結びつけるまでの道のりは険しかったが、“ライブビートシステム”の完成により、JVCイヤホンのハイエンドモデルの新しい顔となるシリーズが完成した。本機を足がかりに、イヤホンのハイエンドモデルでもJVCのイメージを高めつつ、新たなヒットモデルとして育て上げていきたい」と意気込みを語った。
価格はオープンだが、予想実売価格はそれぞれ下記の通り。
・HA-FXZ200/¥OPEN(予想実売価格25,000円前後)
・HA-FXZ100/¥OPEN(予想実売価格18,000円前後)
ともにJVCブランドのカナル型イヤホンとして、新たなフラグシップモデルに位置づけられる。本体の外観基本色はブラックで、FXZ200はゴールド、FXZ100はシルバーのリング形状のパーツを配置し、デザインにアクセントを加えている。ハウジングの背面は、赤と青に色分けされており、LRが簡単に識別できるようになっている。
本機にはJVCケンウッドの独自開発による2つの大きな基幹技術が投入されている。新開発の重低音再生用ユニット「ストリームウーファー」と、これに中高音用ユニットを組み合わせることによって、リアルな重低音と高解像な中高域の両立するサウンドを実現させる「ライブビートシステム」だ。
「ストリームウーファー」の開発経緯と技術要素については、JVCケンウッド ホーム&モバイル事業グループ HM技術統括部 商品設計第三部 シニアエンジニアリングスペシャリストの三浦拓二氏が説明を行った。
「リアルな重低音と解像度の高い中高音の両立」が本機の音づくりのテーマだったという。三浦氏が「リアルな」と強調する背景には、実際に低音の量だけでなく、高い分解能やDレンジを兼備する重低音を再現したいという目標がそこにあったからだ。そして、重低音のみならず、中高域まですべての音域をクリアに再現することを、同社の開発陣は追求してきた。
FXZシリーズはダイナミック型のイヤホンである。本機で課題となったのは、小さな筐体をキープしながら、かつ1つの振動板を使って、中高域に悪影響を及ぼさずに良質な重低音を再現することだった。そこで、同社のエンジニアは、中高域成分をカットしたダイナミック型の「超小型スーパーウーファー」の開発をゼロからスタートし、進めてきた。
中高域成分をカットするために、同社のエンジニアは音響的なアプローチからスピーカーシステムの「ケルトン方式」に着目した。ドライバーユニットの前後を筐体で包みこんで、ダクトから音を出す構造を採れば、音響的に中高域100Hzをカットオフしながら良質な重低音が出力できる。このスピーカーシステムにおける手法を、イヤホンに応用する術を考えた。
理論上、小型イヤホンの筐体で中高域をカットするためには、極細で長尺のダクトが必要になる。そこで同社では注射器の針なども用意しながら、太さと長さに関する試作を重ね、0.4mm口径/長さ30mmの「ストリームダクト」を搭載する8.8mm口径のスーパーウーファーを完成させた。こうして新開発の「ストリームウーファー」が完成した。
この「ストリームウーファー」と、中高域専用ユニットとを組み合わせて新構造の「ライブビートシステム」として搭載し、FXZシリーズを製品としてまとめ上げてきた経緯については、同社ホーム&モバイル事業グループ HM技術統括部 商品設計第三部 第一設計グループの田村信司氏が説明を続けた。
イヤホン後側の円形部には、ステンレス製の「ストリームダクト」が最適な形状に曲げ加工され配置されている。「ストリームウーファー」自体は3つの部品で構成されている。8.8mm口径のカーボン振動板を採用したウーファーに、金属製のブラスユニットベースを組み込み、前後に空間スペースを設けている。そして振動板の動きで発生した音がストリームダクトを通過して、本体の音道出口に向かう構造となっている。
ストリームウーファーと中高音域ユニットを組み合わせ、最適化した新構造を「ライブビートシステム」として採用した。中高域は同社のイヤホン「HA-FXT90」(関連ニュース)にも採用されている5.8mm口径のユニットをツインで搭載。ストリームウーファーに劣らないパワーを獲得させた。上側のユニットはカーボンナノチューブ振動板、下側のユニットにはカーボン振動板をメタルユニットベースに組み込むかたちとしている。
なお、本機の「ツインシステムユニット」は、中高域の解像度を高めるために専用チューニングが施されている。カーボンナノチューブ振動板は薄膜・軽量化。ネオジウムマグネットは磁力を強化し、リニアに駆動できるようにした。またメタルユニットベースに真鍮を採用し、ユニットの振動に対してロスの発生を押さえ込んでいる。
なお、上位機のFXZ200については、比重の大きい金属素材である真鍮をブラスユニットベースに採用。ケーブルの芯線は銀コート処理のOFCとした。FXZ100はアルミユニットベースを採用し、ケーブルはOFC芯線。
これらの仕様を盛り込むことにより、FXZ200は5Hz〜26kHz、FXZ100は6Hz〜26kHzの再生周波数帯域をサポートした。両機種ともにインピーダンスは16Ω、出力音圧レベルは96dB/1mW。
ケーブルの長さはY型1.2mで、ストレート型の金メッキ処理ミニプラグを採用。付属品はシリコン製のL/M/Sイヤーピース。およびコードキーパー、クリップ、キャリングケースなど。
新しい「FXZシリーズ」の商品展開については、続いて登壇した同社ホーム&モバイル事業グループ AVC統括部 事業推進部 商品企画グループ グループ長の星野達朗氏が今後の計画を語った。
「昨今はキレ重視のモニター系と重低音タイプのヘッドホンという、2つの大きなトレンドがあるが、それらの嗜好を両立したヘッドホン、イヤホンを実現することは難しかった。この領域を何とか実現したいと考えて、今回FXZシリーズを企画した」という星野氏。「本機を商品化に結びつけるまでの道のりは険しかったが、“ライブビートシステム”の完成により、JVCイヤホンのハイエンドモデルの新しい顔となるシリーズが完成した。本機を足がかりに、イヤホンのハイエンドモデルでもJVCのイメージを高めつつ、新たなヒットモデルとして育て上げていきたい」と意気込みを語った。
- ジャンルヘッドホン(単体)
- ブランドJVC
- 型番HA-FXZ200
- 発売日2012年11月下旬
- 価格¥OPEN(予想実売価格25,000円前後)
【SPEC】●形式:ダイナミック型 ●出力音圧レベル:96dB/1mW ●再生周波数帯域:5Hz〜26kHz ●インピーダンス:16Ω ●最大許容入力:150mW ●ケーブル:1.2m Y型、ステレオミニプラグ ●質量:約11g
- ジャンルヘッドホン(単体)
- ブランドJVC
- 型番HA-FXZ100
- 発売日2012年11月下旬
- 価格¥OPEN(予想実売価格18,000円前後)
【SPEC】●形式:ダイナミック型 ●出力音圧レベル:96dB/1mW ●再生周波数帯域:6Hz〜26kHz ●インピーダンス:16Ω ●最大許容入力:150mW ●ケーブル:1.2m Y型、ステレオミニプラグ ●質量:約10g