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公開日 2014/10/17 11:38
パイオニア、バランス駆動ポタアン「XPA-700」 ー パーツを付け替え音質・使い勝手のカスタマイズ可能
ESS製DAC搭載/音質は36種類から選択可能
パイオニアは、音質や本体パーツなどをカスタマイズできるポータブルヘッドホンアンプ「XPA-700」を11月下旬に発売する。愛称は“TACTICAL ARMORED(タクティカル・アーマード)”。価格はオープンだが、57,000円(税抜)前後での販売が予想される。
キーワードは「NO RULE」。上述のように、使い勝手や好みに合わせて音質や本体パーツなどをカスタマイズできるほか「LOCK RANGE ADJUST」などの機能により音質も調整することができる。またESS製DAC「ES9018K2M」を搭載し、DSD 5.6MHz(ネイティブ/ASIO)や384kHz/32bit PCMにも対応。光デジタル端子やmicroUSB端子、バランス出力端子を備え、iPhoneデジタル接続にも対応する。
パイオニアは本日発表会を開催。本機の企画を担当した林 佑二氏が製品の説明を行った。以下、詳細を見ていこう。
■使い勝手に合わせた外観カスタマイズが可能
端子配置や内部配線にも配慮
ソリッドなボディは肉厚アルミ削り出し加工で、重量感や手触りにまでこだわったという。表面は傷つきにくいブラスト加工処理や滑りにくいローレット加工処理が施されている。本体の文字は、摩耗も考えレーザー刻印としたとのこと。またMIL規格に準拠し、STD-810G Method 516.6レベルをクリアする耐衝撃性も装備。1.22mの高さから様々な方向に26回落としても動作することが確認済み。外形寸法は74W×24H×144Dmm(突起部含む)、質量は340g(出荷時)となる。
「ユニバーサルスタイリング設計思想」に基づいてデザインされており、亜鉛ダイキャスト製のフロントやリアのバンパー、ケーブルガイドを好みのパーツにカスタマイズして、接続機器との間のケーブルや端子への負担を低減することができるのが大きな特徴。フロントバンパーは8パターン、リアバンパーは2パターン、ケーブルガイドは2パターンから選択可能だ。
林氏は「ポタアンはそれ単体ではなく、プレーヤーと接続して使うもの。つまりポタアンの筐体は、基板とプレーヤーをつなぎ止める ”配線の一部”と考えた」と話す。そこで、プレーヤーと重ねてケーブルで接続した状態で「直方体」に収まるよう設計。誤動作やケーブルへの負荷低減を狙うとともに、持ち運びやすさにも配慮した。
限られた基板スペースに「重ねやすさ」と「音質」を両立させるため、回路にも工夫。端子の配置位置にも配慮し、様々な機器と接続できるよう「つぶしが効く」レイアウトに。
フロントにはライン入力兼光入力端子と、ライン出力兼3.5mmステレオミニジャック、ボリュームノブとUSB-A端子を用意。リアにはライン出力とバランス出力端子、ゲイン切り替えスイッチ、microUSB端子を用意する。端子幅もL字型プラグも使用できるように取っているほか、ポータブルプレーヤーとシリコンバンドを使って重ねた際、バンドがプレーヤーの画面にかぶらないよう配置位置が考慮されている。他機器との接続や、個人的にもポタアンのコアなユーザーである林氏の私物ケーブルや3Dプリンターを使い、原寸で整合性を確認しながら試行錯誤したという。
■「LOCK RANGE ADJUST」などで音質のカスタマイズも可能
本機の基本的な音の志向は「原音再生ではないが、透明感ある元気なサウンド」。女性ボーカルは艶やかに、男性ボーカルは力強く再現。芯のしっかりした、キレとノリのよい低音と、透明感&開放感のあるサウンドを目指したという。
これをベースに、同社のヘッドホンアンプ「U-05」にも採用されている、DACのロックレンジ精度を調整してジッターノイズを軽減させる「LOCK RANGE ADJUST」機能や、192kHzまでのアップサンプリング機能、SHARP/SLOW/SHORTの3つに音質調整できる「デジタルフィルター」機能も搭載。それぞれを組み合わせた合計36パターンから好みのサウンドを追求することができる。
「LOCK RANGE ADJUST」は4段階調整が可能で、最もロックレンジが広い設定は「U-05」と同等とのこと。「この技術をポータブル機器に搭載してどのくらい効果があるのか?と思っていたが、やってみたら効果があったため採用した」(企画担当・林氏)。また「デジタルフィルター」は「音の“最後の一手”を決める感じの機能で、EQとは違う。自分だったらこう使う…というのを見つけてほしい」(同)とのことだった。
これらの音質カスタマイズ機能は、microUSB/光デジタル/USB-A端子いずれからの入力にも適用できる。
■DSD 5.6MHzにも対応。フルバランス構成アンプを搭載
DACはESS製の「ES9018K2M」。最大5.6MHz DSD(ネイティブ/ASIO)や、384kHz/32bit PCM(microUSB接続時)にも対応する。再生中の周波数/ビットレートが分かるインジケーターも備えている。
デュアルクロック(44.1kHz/48kHz)制御や、アシンクロナス伝送にも対応している。対応OSはWindows8.1/8/7、Mac OS 10.7以降。Windows用ドライバーは後日同社サイトで配布される。
アンプ部は同社AVアンプで培われたノウハウを活かした基板設計。バランス出力はLR独立のフルバランス回路となっている。ライン出力も、最終段直前までセパレーションの高い回路設計に。独立した専用オペアンプ/ヘッドホンアンプも用意している。各出力には専用アンプを搭載。未使用出力をOFFにすることで、各出力の実現を最大限発揮できるようにしたという。ボリュームにはオリジナルの4連アナログボリュームを採用した。
また、デジタル部/アナログ部/電源部をセパレートし、相互干渉を低減。各部の電位差をなくすため、一点アースで実装した「クリーングランド設計」とした。基板スペースはアナログ回路に優先的に配分。DAC部は基板の裏側としている。
アンプの出力は100mW+100mW(32Ω)。対応するヘッドホンインピーダンスは8〜600Ωとなる。
バッテリーはリチウムイオン電池で、容量3,200mAh。約7.5時間の充電で約6時間(アナログ接続時)の連続使用が可能だ。バッテリーの残量が分かるインジケーターを用意。オートパワーダウン機能も備えている。
■「XPA-700」用特別アニソン音源も用意予定。
あす11時から野村氏&佐藤氏によるトークイベントも開催
本機の企画を担当した林氏は、ガチのヘッドホンアンプマニア。それゆえ「XPA-700」は、マニア心を押さえつつバランス感覚も保った製品となっている。
発表会にゲストとして登場した評論家の野村ケンジ氏は「よくこういうモデルを出してくれた、ありがとうという気持ち」とコメント。「この製品は、音は良くて当たり前、使いこなしで遊んでよというモデルだと思う。色々フィーチャーがあるので、説明すればするほど訳が分からなくなってしまう。実際に手にとってみてもらえれば、魅力が伝わるはず」と語っていた。
また、特別ゲストとしてアイウィルの佐藤純之介氏も登場。「XPA-700」用に最適化したアニソンを特別提供することを明らかにした。「普段の音楽制作時は様々な環境で試聴する方を想定して作っているが、いちどすごく特定環境に特化した音を作ってみたいなと思っていた」と語る佐藤氏。
詳細についてはまだ明らかになっていないが、既存音源のマスターを新たに起こしなおし、パイオニアと共同でサウンドチェックを行ったものになる見込み。それを「XPA-700」購入者の先着数名を対象に特別提供する…というかたちになる予定とのことだ。
なお、明日18日(土)11:00〜12:00には音展の会場にて野村氏と佐藤氏による「XPA-700」トークイベントが行われる予定。様々なケーブルなどを使って実際に接続を確認するといったデモも実施予定とのことなので、ご興味のある方はぜひ足を運んでみてほしい。
キーワードは「NO RULE」。上述のように、使い勝手や好みに合わせて音質や本体パーツなどをカスタマイズできるほか「LOCK RANGE ADJUST」などの機能により音質も調整することができる。またESS製DAC「ES9018K2M」を搭載し、DSD 5.6MHz(ネイティブ/ASIO)や384kHz/32bit PCMにも対応。光デジタル端子やmicroUSB端子、バランス出力端子を備え、iPhoneデジタル接続にも対応する。
パイオニアは本日発表会を開催。本機の企画を担当した林 佑二氏が製品の説明を行った。以下、詳細を見ていこう。
■使い勝手に合わせた外観カスタマイズが可能
端子配置や内部配線にも配慮
ソリッドなボディは肉厚アルミ削り出し加工で、重量感や手触りにまでこだわったという。表面は傷つきにくいブラスト加工処理や滑りにくいローレット加工処理が施されている。本体の文字は、摩耗も考えレーザー刻印としたとのこと。またMIL規格に準拠し、STD-810G Method 516.6レベルをクリアする耐衝撃性も装備。1.22mの高さから様々な方向に26回落としても動作することが確認済み。外形寸法は74W×24H×144Dmm(突起部含む)、質量は340g(出荷時)となる。
「ユニバーサルスタイリング設計思想」に基づいてデザインされており、亜鉛ダイキャスト製のフロントやリアのバンパー、ケーブルガイドを好みのパーツにカスタマイズして、接続機器との間のケーブルや端子への負担を低減することができるのが大きな特徴。フロントバンパーは8パターン、リアバンパーは2パターン、ケーブルガイドは2パターンから選択可能だ。
林氏は「ポタアンはそれ単体ではなく、プレーヤーと接続して使うもの。つまりポタアンの筐体は、基板とプレーヤーをつなぎ止める ”配線の一部”と考えた」と話す。そこで、プレーヤーと重ねてケーブルで接続した状態で「直方体」に収まるよう設計。誤動作やケーブルへの負荷低減を狙うとともに、持ち運びやすさにも配慮した。
限られた基板スペースに「重ねやすさ」と「音質」を両立させるため、回路にも工夫。端子の配置位置にも配慮し、様々な機器と接続できるよう「つぶしが効く」レイアウトに。
フロントにはライン入力兼光入力端子と、ライン出力兼3.5mmステレオミニジャック、ボリュームノブとUSB-A端子を用意。リアにはライン出力とバランス出力端子、ゲイン切り替えスイッチ、microUSB端子を用意する。端子幅もL字型プラグも使用できるように取っているほか、ポータブルプレーヤーとシリコンバンドを使って重ねた際、バンドがプレーヤーの画面にかぶらないよう配置位置が考慮されている。他機器との接続や、個人的にもポタアンのコアなユーザーである林氏の私物ケーブルや3Dプリンターを使い、原寸で整合性を確認しながら試行錯誤したという。
■「LOCK RANGE ADJUST」などで音質のカスタマイズも可能
本機の基本的な音の志向は「原音再生ではないが、透明感ある元気なサウンド」。女性ボーカルは艶やかに、男性ボーカルは力強く再現。芯のしっかりした、キレとノリのよい低音と、透明感&開放感のあるサウンドを目指したという。
これをベースに、同社のヘッドホンアンプ「U-05」にも採用されている、DACのロックレンジ精度を調整してジッターノイズを軽減させる「LOCK RANGE ADJUST」機能や、192kHzまでのアップサンプリング機能、SHARP/SLOW/SHORTの3つに音質調整できる「デジタルフィルター」機能も搭載。それぞれを組み合わせた合計36パターンから好みのサウンドを追求することができる。
「LOCK RANGE ADJUST」は4段階調整が可能で、最もロックレンジが広い設定は「U-05」と同等とのこと。「この技術をポータブル機器に搭載してどのくらい効果があるのか?と思っていたが、やってみたら効果があったため採用した」(企画担当・林氏)。また「デジタルフィルター」は「音の“最後の一手”を決める感じの機能で、EQとは違う。自分だったらこう使う…というのを見つけてほしい」(同)とのことだった。
これらの音質カスタマイズ機能は、microUSB/光デジタル/USB-A端子いずれからの入力にも適用できる。
■DSD 5.6MHzにも対応。フルバランス構成アンプを搭載
DACはESS製の「ES9018K2M」。最大5.6MHz DSD(ネイティブ/ASIO)や、384kHz/32bit PCM(microUSB接続時)にも対応する。再生中の周波数/ビットレートが分かるインジケーターも備えている。
デュアルクロック(44.1kHz/48kHz)制御や、アシンクロナス伝送にも対応している。対応OSはWindows8.1/8/7、Mac OS 10.7以降。Windows用ドライバーは後日同社サイトで配布される。
アンプ部は同社AVアンプで培われたノウハウを活かした基板設計。バランス出力はLR独立のフルバランス回路となっている。ライン出力も、最終段直前までセパレーションの高い回路設計に。独立した専用オペアンプ/ヘッドホンアンプも用意している。各出力には専用アンプを搭載。未使用出力をOFFにすることで、各出力の実現を最大限発揮できるようにしたという。ボリュームにはオリジナルの4連アナログボリュームを採用した。
また、デジタル部/アナログ部/電源部をセパレートし、相互干渉を低減。各部の電位差をなくすため、一点アースで実装した「クリーングランド設計」とした。基板スペースはアナログ回路に優先的に配分。DAC部は基板の裏側としている。
アンプの出力は100mW+100mW(32Ω)。対応するヘッドホンインピーダンスは8〜600Ωとなる。
バッテリーはリチウムイオン電池で、容量3,200mAh。約7.5時間の充電で約6時間(アナログ接続時)の連続使用が可能だ。バッテリーの残量が分かるインジケーターを用意。オートパワーダウン機能も備えている。
■「XPA-700」用特別アニソン音源も用意予定。
あす11時から野村氏&佐藤氏によるトークイベントも開催
本機の企画を担当した林氏は、ガチのヘッドホンアンプマニア。それゆえ「XPA-700」は、マニア心を押さえつつバランス感覚も保った製品となっている。
発表会にゲストとして登場した評論家の野村ケンジ氏は「よくこういうモデルを出してくれた、ありがとうという気持ち」とコメント。「この製品は、音は良くて当たり前、使いこなしで遊んでよというモデルだと思う。色々フィーチャーがあるので、説明すればするほど訳が分からなくなってしまう。実際に手にとってみてもらえれば、魅力が伝わるはず」と語っていた。
また、特別ゲストとしてアイウィルの佐藤純之介氏も登場。「XPA-700」用に最適化したアニソンを特別提供することを明らかにした。「普段の音楽制作時は様々な環境で試聴する方を想定して作っているが、いちどすごく特定環境に特化した音を作ってみたいなと思っていた」と語る佐藤氏。
詳細についてはまだ明らかになっていないが、既存音源のマスターを新たに起こしなおし、パイオニアと共同でサウンドチェックを行ったものになる見込み。それを「XPA-700」購入者の先着数名を対象に特別提供する…というかたちになる予定とのことだ。
なお、明日18日(土)11:00〜12:00には音展の会場にて野村氏と佐藤氏による「XPA-700」トークイベントが行われる予定。様々なケーブルなどを使って実際に接続を確認するといったデモも実施予定とのことなので、ご興味のある方はぜひ足を運んでみてほしい。
関連リンク
- ジャンルその他
- ブランドPIONEER
- 型番XPA-700
- 発売日2014年11月下旬
- 価格¥OPEN(予想実売価格税抜57,000円前後)
【SPEC】●出力端子:ヘッドホン…PHONES1(Balanced/EIAJ RC-5204)×1/PHONES2(Un-Balance/3.5mmミニプラグ)×1、ライン…3.5mmミニプラグ×1、デジタル…OPTICAL3.5mm丸型×1(PHONES2兼用) ●最大出力:100mW+100mW(32Ω) ●周波数特性:4Hz〜80kHz(-3.0dB) ●対応サンプリング周波数:PCM…44.1/48/88.2/96/176.4/192/352.8/384kHz(16/24/32bit)、DSD…2.8/5.6MHz ●入力端子:デジタル…USB A×1/OPTICAL3.5mm丸型×1(LINE IN兼用)/Micro USB B×1、ライン…3.5mmミニプラグ×1(OPTICAL IN兼用) ●充電時間:4.5時間(充電器使用時) ●連続駆動時間:6時間(アナログLINE IN使用時) ●外形寸法:76W×26H×154Dmm(最大突出部含む) ●質量:380g(最大)