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公開日 2017/04/12 15:29

【詳細追加】シャープ、8K/HDR対応70型液晶モニター「LV-70002」。8K試験放送受信チューナーも

実売約800万円
編集部:小野佳希
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シャープは、70型の8K HDR対応液晶モニター「LV-70002」を6月30日に、8K試験放送の受信に対応したチューナー「TU-SH1050」を4月14日に発売する。オープン価格で、業務用機器のため納入形態などによっても異なるが、LV70002は800万円程度、TU-SH1050は700万円程度を想定しているという。

LV-70002

TU-SH1050

■業界初の8K HDR対応液晶モニター

液晶モニター「LV-70002」は、堺で自社開発・生産した8K液晶パネルを搭載し、業界で初めて8K解像度でのHDR規格に対応。HLG、PQの両方式のHDRに対応する。ピーク輝度は1,000カンデラ。「HDR規格で収録された広い輝度情報を画像処理エンジンで忠実に復元し、高輝度・高コントラスト・低反射の8K液晶パネルで、風景の奥行きや素材の質感まで感じられるリアルな映像を再現する」としている。

側面の様子

同社では85型の8K液晶モニターを先行して展開しているが、それに比べ重量や奥行きをおよそ半分にしたほか、消費電力も1/3程度に削減。取り回ししやすいようにしたという。なお、2Kの地デジ/BS/110度CSチューナーも搭載している。

先行展開中の85型との比較。85型が発表当初で1600万円程度だったことから約半額の価格も実現したことになる

高色域技術「リッチカラーテクノロジー」を搭載。直下型LEDバックライトと色復元回路によって、BT.2020比87%の高色域を実現している。

バックライトはエリア駆動の「メガコントラスト(ダイナミックレンジ拡張)」技術を搭載。光源や光源を受けて反射する輝き部分を映像信号から解析し、そのエリアにあるバックライトの輝度を周囲よりも高めると同時に、輝きを復元する映像補正も行う。

発表会場では文字を表示しての精細感確認デモも

4Kディスプレイとの表示比較。かなり細かい文字もにじまずしっかり視認できる

チューナー「TU-SH1050」は、現在8K試験放送を行っている高度広帯域衛星デジタル放送(BS17chのみ)の受信に対応。同社8Kモニターとの接続で8K試験放送を視聴できるほか、4KモニターともHDMI 1本で接続でき、ダウンコンバート機能も備えている。そのほか、8Kスーパーハイビジョンの22.2ch音声出力にも対応している。

HDMI端子部

TU-SH1050の背面端子部

■「8Kも4Kと同じスピードで急激に普及する」

発表会で登壇した同社ディスプレイデバイスカンパニー デジタル情報家電事業本部 副事業本部長の喜多村和洋氏は、2018年12月の4K・8K実用放送開始および2020年の東京五輪に向けて国を挙げて8K4K放送の普及を進めていること、すでに同社の8K機器が放送局を始めとする様々な企業・団体に導入されている実績などを改めて紹介。「高画質かつ高品質なモニターであり、2018年の実用放送を見越して提案できる商品だ」と完成度に自信を見せる。

シャープ 喜多村氏

なお、使用用途としてはテレビ放送等のコンテンツ制作用だけでなく、医療、美術館やサイネージなどの用途も想定している説明。「85型は今までに100台強を販売している。今回の70型は年間200台〜300台ほどの販売を見込んでいる」とした。

そして2018年の8K実用放送に向けて、シャープとしての液晶テレビ事業“3つの基本方針”を紹介。「当社映像商品はお客様にもっとも感動を与えられる映像は何かを追求する」とし、感動は“真のリアリティ”“本物感”を実現することであり、これを実現できるのが8Kの高精細技術だと説明。8Kに注力する理由を説明する。

同社液晶テレビ事業の3つの基本方針

基本方針の2点目として「現時点で8K高精細テレビをいち早く実現できる唯一の技術が液晶」だとコメント。現状では有機ELには8Kパネルが存在しないことから、液晶方式を採用していち早く8K化を実現させたとする。なお、有機ELについては「将来的に液晶を超えるような8Kパネルが出てくればもちろん検討したい」とした。

また、喜多村氏は国内テレビ市場の状況について、台数では約35%、金額ベースでは約70%が4K対応製品であることに言及し、「お客様の高精細ディスプレイに対するニーズは高い」とコメント。このような状況から、8Kについても「4Kと同じようなスピードで急激に拡大していくと考えている」とし、「8K市場としては今はまだ事業規模は決して大きくないが、8Kのリーディングカンパニーとしてポジションを確立していきたい」と述べた。

さらに、喜多村氏は「8Kを見ると、4Kで感じられなかった感動がある。立体感もそうだし、近寄っても映像に粗が見えない。情報を伝える能力が非常に高い」と8Kの魅力を説明。「それは、近づいてもさらに感動が大きくなるということ。近づけるので没入感がさらに高まる」とし、8Kでテレビがさらに大型化することで日本の住宅事情に合わなくなってしまうのではなく、より近い位置で視聴できる魅力から一般ユーザーにも8Kがメリットをもたらすとした。

なお、8K放送受信チューナー「TU-SH1050」について、集積回路のLSI化が今後の小型化に向けての課題だと紹介。「この部分の自社設計、自社開発を視野に開発を進めているのでサイズの心配はないと思っている」とし、「(8K実用放送が開始される)2018年12月に向けた商品では、間違いなく、普通の薄型テレビにチューナーが内蔵された形になるだろう」と展望を述べた。

そして、今回のようなモニター/テレビやチューナー以外にも8K対応の周辺機器を拡充していくと宣言。「実用放送開始に向けてラインナップを確実に揃えていく。テレビのサイズ展開のみならず周辺機器も拡充し、8K市場の導火線にさらに火をつける動きをしていきたい」とした。

■矢板工場と亀山工場の関係はどうなっていく?

以下、質疑応答の模様をレポートする。

Q.2018年度にテレビの販売目標を1,000万台としているが、直近の状況はどうなのか。

A.具体的な数字は申し上げられないが、達成すべく活動している。

Q.国内のテレビ生産について、矢板工場から亀山への集約を図るということだが、この狙いは。

A.矢板工場がテレビの拠点であることは変わらない。8KやIoT対応テレビの開発、マーケティング業務、営業部隊の拠点として続けていく。今回の8Kモニターも矢板で開発した。

矢板工場の生産については、パイロットラインを残していく。国内での生産(量産)のメインが矢板から亀山に移るということだ。

また、海外工場との住み分けについては、サプライチェーンの短縮化、効率化の意味で、鴻海の持つ生産工場と協働作業を進めて全体のコスト削減を図っていく。そのなかでワールドワイドでの競争力ある商品を作っていきたい。

Q.8Kパネルの生産工場はどこなのか。

A.今回の70型は堺で、85型は亀山で生産している。

Q.8KのパネルやLSIは外販も視野に入れているのか?

A.その点については本日はコメントできない。

Q.三重県知事がシャープの亀山工場への投資拡大を承認したという発表があった。亀山工場へ8Kパネル対応の投資するということもあるのか。また、海外ではトランプ大統領が雇用などの関係でアメリカに工場を作るよう求めているが、今後アメリカで8Kパネルの生産工場を持つということもあるのか。

A.それらについて本日はコメントできる立場にない。

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製品スペックを見る
  • ジャンル液晶テレビ(ディスプレイ)
  • ブランドSHARP
  • 型番LV-70002
  • 発売日2017年6月30日
  • 価格¥OPEN(予想実売価格8,000,000円前後)
【SPEC】●画素数:水平7,680×垂直4,320 画素 ●視野角:上下176度、左右176度 ●使用光源:LED(直下型) ●表示フレーム:60Hz、59.94Hz ●スピーカー:フルレンジ 2個、サブウーハー 1個 ●消費電力:約470W(待機時0.15W) ●外形寸法:1564W×967H×375Dmm(テーブルスタンド装着時)●質量:約45.0kg(テーブルスタンド装着時) 
  • ジャンル地上/BS/110度CSデジタルチューナー
  • ブランドSHARP
  • 型番TU-SH1050
  • 発売日2017年4月14日
  • 価格¥OPEN(予想実売価格7,000,000円前後)
【SPEC】●消費電力:105W(待機時消費電力 0.3W)●出力端子:8KHDMI出力 4端子、HDMI出力 3端子、L/R(2RCA)1系統 ●入力端子:インターネット接続用LAN端子 ●外形寸法:435W×170H×617Dmm ●質量:約13.5kg
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