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公開日 2018/04/24 17:34
8KやVRなど最新技術でテレビ番組はどう変わる? 「NHK番組技術展」開催
新4K8K衛星放送導入ハードルを下げる変換装置なども
8KやVRを始めとする先端技術がNHKのテレビ番組制作の現場でどのように活用されているかを紹介する「NHK番組技術展」が開催された。会場では、今年12月から開始予定の新4K8K衛星放送を一般家庭でも受信しやすいようにする周波数変換装置や、平昌オリンピックの放送でも実際に使用された8K2倍速スローモーションシステムなど、様々な技術のデモが行われた。
■新4K8K衛星放送の導入ハードルを下げる周波数変換装置
いよいよ今年2018年12月からの開始を控える、BS波を使った新4K8K衛星放送(4K8K実用放送)。視聴のためには設備改修等が必要なケースも出てくるが、そうした場合に一般視聴者が対応しやすくするためにNHKと日本アンテナが共同開発しているのが「新4K8K衛星放送伝送用 周波数変換装置」だ。
新4K8K衛星放送では、アンテナから受信機(外付けチューナーやテレビ等)までの伝送に使うIF周波数が現行のものより大きい最大3.2GHzとなるため、特に集合住宅では受信システム設備の全面改修が必要となることが想定される。
しかし、設備によっては同軸ケーブルや分配器が壁に埋め込まれているなど設備改修が困難な施設も存在する。この周波数変換装置では、まずアンテナで受信した新4K8K衛星放送の信号を、現行の受信システムでも伝送可能な周波数にダウンコンバート。各部屋に信号を伝送したあとにアップコンバートし直すことで、設備改修が難しいようなケースでも新4K8K衛星放送を視聴できるようにする。なお「発売時期などについては日本アンテナの判断になるのでNHKではコメントできない」とのことだった。
一方、ヴィレッジアイランドと共同で、4K信号を低遅延・低劣化で伝送可能だというコーデックも開発中であることも展示。約12Gbpsと膨大なデータ量となる4K信号を1/8に圧縮し、約1.5GbpsのHD-SDI信号として出力することで、ふだん2K伝送で使用している回線をそのまま利用できるようにするという。なお圧縮方式にはTICOを採用し、低遅延かつ低劣化での圧縮を実現したとしている。
■8K 3板式ハンディカメラや8Kスローモーションシステム
8KやHDR関連の機材では、1.25型マウントして世界初の3板式8Kハンディカメラや、8K2倍速スローモーションシステムなどを展示。3板式8Kハンディカメラは広色域プリズムを搭載し、HDRやBT.2020にも対応するというもので、2017年の紅白歌合戦や平昌オリンピックでも実際に運用を行った。
8K2倍速スローモーションシステムでは、8K映像を秒間120コマで撮影して60コマ再生することで8Kネイティブでのハイスピード撮影を実現するというもの。実はこれまでは8K対応のハイスピードカメラがなく、4Kハイスピードカメラの映像をアップコンバートして使用していたのだという。
なお本システムは昨年の技研公開で展示されていたフルスペック8K(8K/120p)対応カメラとレコーダーを活用したもの。スロー再生用のコントローラーなどをシステムに追加している。
また、世界初だという全天候型8Kロボットカメラシステムも展示。摂氏40度〜マイナス20度での動作が可能で、モデムなどにより遠距離操作も行えるため、8K本放送での天気カメラや情報カメラとしての活用を想定しているという。
そのほか、BT.2020の広色域やHDRの高輝度での映像表現が可能な時代の到来を受け、番組制作の光源として用いるLEDライトも新たなものを開発中。人間の目に近い忠実な色再現性と高彩度性能を持つというLEDライトや、約10万ルーメンという明るさを実現しつつ従来のハロゲンスポットライトに比べて1/5の省電力化が可能だというスポットライトの試作機を披露していた。
■VR体験や立体音響、フラッシュ点滅軽減装置なども
VR関連では、BSで放送した「360度ドキュメンタリー 激流に挑む 〜カヌー選手 羽根田卓也」の撮影でどのように360度カメラを活用したのかを展示。実際にカヌーに取り付けて撮影した360度映像をVRヘッドセットで体験できるようにもしていた。
また、VR映像に組み合わせる立体音響制作についてもデモ。「アンビソニックス」という音声フォーマットを採用し、例えば正面から音が鳴っているときに、右を向けば音は左方向から聴こえるように変化するなど、ユーザーの動きに合わせて音の方向も変化するコンテンツ制作が可能であることを紹介していた。
そのほか、記者会見などカメラのフラッシュが点滅するような映像において、映像全体の明るさは保ったままでフラッシュの点滅だけを軽減する装置なども展示。そのほかの注目展示を以下にフォトレポートする。
■新4K8K衛星放送の導入ハードルを下げる周波数変換装置
いよいよ今年2018年12月からの開始を控える、BS波を使った新4K8K衛星放送(4K8K実用放送)。視聴のためには設備改修等が必要なケースも出てくるが、そうした場合に一般視聴者が対応しやすくするためにNHKと日本アンテナが共同開発しているのが「新4K8K衛星放送伝送用 周波数変換装置」だ。
新4K8K衛星放送では、アンテナから受信機(外付けチューナーやテレビ等)までの伝送に使うIF周波数が現行のものより大きい最大3.2GHzとなるため、特に集合住宅では受信システム設備の全面改修が必要となることが想定される。
しかし、設備によっては同軸ケーブルや分配器が壁に埋め込まれているなど設備改修が困難な施設も存在する。この周波数変換装置では、まずアンテナで受信した新4K8K衛星放送の信号を、現行の受信システムでも伝送可能な周波数にダウンコンバート。各部屋に信号を伝送したあとにアップコンバートし直すことで、設備改修が難しいようなケースでも新4K8K衛星放送を視聴できるようにする。なお「発売時期などについては日本アンテナの判断になるのでNHKではコメントできない」とのことだった。
一方、ヴィレッジアイランドと共同で、4K信号を低遅延・低劣化で伝送可能だというコーデックも開発中であることも展示。約12Gbpsと膨大なデータ量となる4K信号を1/8に圧縮し、約1.5GbpsのHD-SDI信号として出力することで、ふだん2K伝送で使用している回線をそのまま利用できるようにするという。なお圧縮方式にはTICOを採用し、低遅延かつ低劣化での圧縮を実現したとしている。
■8K 3板式ハンディカメラや8Kスローモーションシステム
8KやHDR関連の機材では、1.25型マウントして世界初の3板式8Kハンディカメラや、8K2倍速スローモーションシステムなどを展示。3板式8Kハンディカメラは広色域プリズムを搭載し、HDRやBT.2020にも対応するというもので、2017年の紅白歌合戦や平昌オリンピックでも実際に運用を行った。
8K2倍速スローモーションシステムでは、8K映像を秒間120コマで撮影して60コマ再生することで8Kネイティブでのハイスピード撮影を実現するというもの。実はこれまでは8K対応のハイスピードカメラがなく、4Kハイスピードカメラの映像をアップコンバートして使用していたのだという。
なお本システムは昨年の技研公開で展示されていたフルスペック8K(8K/120p)対応カメラとレコーダーを活用したもの。スロー再生用のコントローラーなどをシステムに追加している。
また、世界初だという全天候型8Kロボットカメラシステムも展示。摂氏40度〜マイナス20度での動作が可能で、モデムなどにより遠距離操作も行えるため、8K本放送での天気カメラや情報カメラとしての活用を想定しているという。
そのほか、BT.2020の広色域やHDRの高輝度での映像表現が可能な時代の到来を受け、番組制作の光源として用いるLEDライトも新たなものを開発中。人間の目に近い忠実な色再現性と高彩度性能を持つというLEDライトや、約10万ルーメンという明るさを実現しつつ従来のハロゲンスポットライトに比べて1/5の省電力化が可能だというスポットライトの試作機を披露していた。
■VR体験や立体音響、フラッシュ点滅軽減装置なども
VR関連では、BSで放送した「360度ドキュメンタリー 激流に挑む 〜カヌー選手 羽根田卓也」の撮影でどのように360度カメラを活用したのかを展示。実際にカヌーに取り付けて撮影した360度映像をVRヘッドセットで体験できるようにもしていた。
また、VR映像に組み合わせる立体音響制作についてもデモ。「アンビソニックス」という音声フォーマットを採用し、例えば正面から音が鳴っているときに、右を向けば音は左方向から聴こえるように変化するなど、ユーザーの動きに合わせて音の方向も変化するコンテンツ制作が可能であることを紹介していた。
そのほか、記者会見などカメラのフラッシュが点滅するような映像において、映像全体の明るさは保ったままでフラッシュの点滅だけを軽減する装置なども展示。そのほかの注目展示を以下にフォトレポートする。